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グフ

グフ

型式番号:YMS-07B / MS-07B

ジオン公国軍は独立戦争における地球侵攻作戦用に、ザクII(F型)の改修型である陸戦型(J型)を開発したが、汎用型であるザクIIには基本設計に削除不能な部分が多く、性能に限界があった。そのため、ジオニック社ではJ型の生産と並行して、J型を全面改修した新型陸戦用MSの開発が進められた。また、ジオン軍は連邦軍もMSを開発することを予測し、対MS戦も視野に入れて開発を進めている。

この新型MSは、ザクIIの基本設計をもとに、陸戦用MSという目的を徹底的に追求した構造となっており、新造パーツは60パーセント以上におよぶ。地上での冷却効率の悪さに対応するためラジエーターを大型化し、ロケット燃料タンクの容量を減らし、無重力区域での走行用マグネットを省略している。また、南極条約の締結を受け、対放射線能力が低い代わりに強化された装甲を採用。格闘戦用に部分的な強化も施されたが、過度の重装甲は避け、シールドはオプションとしている。

試作1号機(YMS-07A)から両肩のスパイク・アーマーと頭頂部のブレード・アンテナが装備され、試作3号機(YMS-07B)で両腕への固定武装の装備と外装の整理が行われ、一般的に知られるグフの外観が完成。ランバ・ラルが搭乗したのもこのYMS-07Bである。

宇宙世紀0079年初頭にMS-07Bとして制式採用され、量産化が開始された。生産には月面のグラナダや北米のキャリフォルニアベースにあったザクII J型の生産ラインが転用されている。実戦配備は3月18日の第3次地球降下作戦から始まり、おもに北米やアジア方面で運用された。しかし、近接戦闘に特化した兵装や機体特性のため操縦難度が高く、熟練パイロット以外には十分に使いこなせない点、運用コストの高騰などの問題から、オデッサ戦以降の生産ラインは縮小。ドムの登場がその流れに拍車をかけた。生産機数は不明だが、それほど多くないとされる。一年戦争後期には宇宙用として改造するプランがあったとする説もある。

汎用性の低さと操縦の癖から本機が主力機になることはなく、主力機の座はより扱いやすく移動速度の高いドムに譲られた。しかし、縦方向の機動性能の高さを好むエースパイロットには愛用され、ドムの登場後も本機を運用する例が見られた。

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