- Work機動戦士ガンダム
- Height17.5 m
- Weight74.5 t
- Pilotシャア・アズナブル
型式番号:MS-06S
アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する「シャア専用ザク」に、『センチュリー』で設定が付与されたもの。型式番号は劇場版第1作のパンフレットで "MS-06(S)" または "MS-06s" と初めて表記された。「シャア専用ザク (II)」「ザクII(シャア・アズナブル専用機)」のほか、「指揮官用ザク」「指揮官型ザクII」とも呼ばれるが、単に「ザクII」とも称される場合もある。指揮官機仕様であるため、括弧書きで「S型」と表記されることが多い。
この機体は中隊長クラスの優秀なパイロットの要請に応じて開発されたタイプ。当初はC型を発展させた高機動型(R型)の開発が計画されていたが、生産効率の悪さから見送りとなり、代わりに開発されたのがS型である。S型は「R型の設計思想をF型の設備で生産する」形で作られた先行試作型であり、機動性向上の技術開発の実戦投入試験機という側面も持つ。
S型はF型をベースに、推進エンジンの出力を30%向上させ、特殊材料を用いることで高性能化が図られている。外観はF型とほとんど変わらないが、内部構造には特殊な部品が多用され、機体性能はおよそ20%向上している。基本的なユニット規格を維持したまま高性能化を実現しており、F型との部品共有率は80~90%と高く、部品の代用が可能となっている。装甲材の改良も施されている一方、高性能化により非常に扱いにくい機体となり、初心者ではまともに運用できなかったとされる。
本機は大気圏内外の環境に対応できるノンオプションの高級機であり、戦闘時のスラスター使用を調整することで稼働時間を延ばせるため、運用したパイロットからは高評価を得ている。
グラナダの実験場でテストが行われ、脚部スラスターの最適な運用方法などが実戦データによって改良された。改修後の仕様が基本構造として採用され、本格的な生産が開始されたのは宇宙世紀0078年後半。一年戦争勃発前後の数か月間で集中して実戦配備され、約100機が生産された。緒戦で目覚ましい戦果を挙げ、おもに指揮官向けに配備されたため「指揮官用ザク」とも呼ばれるが、これは通称であり制式名称ではない。
FS型とともに、新鋭機の秘密保持のためすべてジオン本国で生産され、開戦初期には情報操作としてF型として運用された事例もある。一年戦争では多くの活躍を見せた機体の一つである。