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マゼラン級宇宙戦艦

マゼラン級宇宙戦艦

全長265m,全幅67.1m。

宇宙世紀0070年代の軍備増強計画にて就役した一番艦マゼランを筆頭に、いくつかの種類がある。本級は海上艦に倣った形状(艦尾の推進動力部を除く)だが、正面切った砲戦を前提に避弾経始を重視して極端に薄い艦首から艦橋辺りまで徐々に膨らむ構造を採っている。艦体四面うち三面を上甲板とし、指揮所・砲塔をそれぞれに配置して上下(艦橋←→艦底方向)360度の射界を確保しているが、逆に主砲全門が重複して射界に収められるのは艦首方向の極狭い範囲に限られる。2連装メガ粒子砲塔7基や対空銃座など火力は充実しており、艦隊旗艦や主力艦として配備されている。旧世代の戦艦であるため長距離索敵と誘導兵器の使用を前提としており、外観からもジオン公国の平均的な軍艦に比べレーダーや火力が充実しているのが見てとれる。

基本的に遮蔽物のない宇宙空間では、いかにモビルスーツ(MS)といえども遠距離で探知され、長射程ビームや誘導ミサイルにより接近する以前に撃墜されてしまうと考えられていた。このため、戦前の連邦軍首脳部はMS戦決戦思想を軽んじてしまった。

しかし、想定を大幅に上回るジオン軍のミノフスキー粒子を用いた対電子戦により、マゼラン級は本来の持ち味が全く発揮できない状況に追い込まれ、ブリティッシュ作戦やルウム戦役では、MSによりほぼ一方的な惨敗を喫してしまった。そのため本級は不本意にも時代遅れの大艦巨砲主義の象徴、連邦軍の見掛け倒しの弱さの象徴と化してしまった。

一方で、ソロモン攻略戦でグワジン級グワランを中心とする艦隊をマゼラン・サラミス隊の砲撃戦により撃破しているほか、チベ級を一撃で貫通しそのまま一方的に撃破したりとさすがに攻撃力は高いようである。また無効化されはしたが、ビグ・ザムに対しては長距離からのメガ粒子ビームをかなりの密度で集中させている。

防御力に関してはテレビシリーズ本編中に確たる描写はないが、後発作品では意外に脆弱で、ビームライフルや通常弾頭のMSバズーカ数発(狙いどころ次第では一発)であえなく爆沈しているシーンがある。ただしこれは連邦艦・ジオン艦共に共通して見られる傾向であり、ムサイやチベ、ザンジバルなども数発あるいは一撃で沈むシーンがよく見られる。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のOVA版では、第1章ではMSの対艦ライフル数発で装甲を撃ち抜かれて大破するなど防御力は脆弱な様子が表現されているが、一方でルウム戦役を描いた第5章や第6章ではムサイ級の砲撃を被弾しながら平然と撃ち返す、MSバズーカを数発被弾しながらなおも対空砲火を打ち上げるなど、「戦艦」の名に相応しい防御力を有することが描写されている。

ちなみに、ビンソン計画での建造艦はMS運用能力を付与されている。主に艦底部のバルジ部分をMSのハンガーブロックに改造し、簡易的なMS運用能力を得たほか、艦橋前部からボールを発進させることが可能となっている。また実戦ではMSの投入量を補うべく、甲板にMSを露天繋止し、戦闘時に一斉に発進させる様子も描かれている。

一年戦争時に存在したその他の派生型として、『モビルスーツバリエーション』では宇宙空母型であるトラファルガ級全通甲板型支援巡洋艦が設定されている。

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