- Work機動戦士ガンダム
- Height47.7 m
- Weight163.7 t
- Pilotララァ・スン
型式番号:MAN-08 / MAN-X8 / MA-05E
一年戦争末期に、ジオン公国軍がブラウ・ブロの流れを汲んでニュータイプ専用MA初の実戦タイプとして開発した機体。本機はブラウ・ブロに比べて小型化されるだけでなく、重量はその10分の1程度と大幅に軽減され、機動兵器としての完成度は大きく高められている。さらに公国軍が開発したニュータイプ用MS・MAの遠隔誘導端末のほとんどは有線式であるが、本機は無線式であり、ニュータイプ用兵器として「究極」とも評される。
機体制御や火器管制はサイコミュでまかなえるため、コックピット内部は必要最低限の操縦機器のみで、そのほとんどはコンソール類となっている。また、高Gによるパイロットへの負荷を軽減するため、高性能の緩衝装置が設けられている。機体前面は厚い装甲板で覆われており、装甲に弱点を作らないためにスラスター類は宇宙用の機体としては最小限にとどめられ、姿勢制御用スラスターの代わりにジャイロが補助的に作動する。また、機体上部を分離して、脱出コックピット・システムとしての運用が可能となっている。
フラナガン博士は当初、本機とビットを対MS戦用の兵器とは考えておらず、敵が感知し得ない超遠距離(アウトレンジ)から連邦軍艦艇に一方的に攻撃を加える対艦用兵器として開発している。しかし実戦での初テストにおいて長距離からのビット操作はパイロットに負担をかけることが判明し、操作範囲を狭め負荷が軽減されるように調整を行う(この時点でジオン公国が思い描いていたニュータイプ専用機としての目論見は外れてしまったといっていい)。アウトレンジ攻撃が望めなくなった時点で本機は、対MS戦も視野に入れて運用せざるを得なくなり、それによってビットによるオールレンジ攻撃は生み出されたといえる。
結果的に本機は戦闘で失われたが、遠隔操作砲台によるオールレンジ攻撃は、ニュータイプ専用機を次のステージに上げる起爆剤となっている。