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サラミス級宇宙巡洋艦

サラミス級宇宙巡洋艦

全長:228m
全幅:62.2m

宇宙世紀0070年代の軍備増強計画により、マゼラン級宇宙戦艦と共に大量建造された主力艦艇。大艦巨砲主義の性格が色濃いマゼラン級に比べ、速射性能の高い中口径単装メガ粒子砲とファランクスシステムで制御される対宙ミサイルにより、汎用戦闘艦としての優れたポテンシャルを持つ。マゼラン級同様、艦底には大気圏突入カプセルを接続する。一年戦争より前は恐れられたが、電波を利用した精密誘導に頼るこれらの装備はミノフスキー粒子によって無効化され、苦しい近接防空戦闘を恒常的に強いられることになる。しかし、ソロモン攻略戦ではマゼラン級戦艦とともに強大な火力を生かしてグワラン艦隊を撃退するほか、弾かれこそするもののビグ・ザムに対して長距離からのメガ粒子砲をかなりの密度で命中させるなど、本領と言える攻撃力の高さを見せる場面もある。

なお、メガ粒子砲を単装で艦体各所に装備しているため、ムサイ級軽巡洋艦より死角は少ないが、方向によっては指向可能な数が劣り、全砲塔を一点へ向ける統制射撃が不可能になっている。ただし、各砲塔の射界は広く取られ、砲身の仰角も90度指向可能である。ア・バオア・クー攻略戦の最終局面では、後方への火力に難があるムサイをやや同航体勢から射撃を浴びせ撃破する本級の姿が描かれている。

後期型はルウム戦役での敗北後、ビンソン計画によって大量に建造される。建造は主に地球上で行われ、ブースターを装着して直接宇宙へ打ち上げられた。打ち上げ時は無防備となるため、敵の攻撃に備えてフレアを散布することもできる。当初はMSの搭載能力はなかったが、一年戦争末期に登場した後期型では艦内部にMSデッキを増設し、艦底部に設けたハッチからジムを投下することが可能となった。さらには、上下の甲板にMSを露天繋止して一斉発進する処置も採られた。この方式には整備などの難点があるものの、本来の運用定数以上のMSを戦場に投入できるメリットがある。また、このタイプでは上甲板の単装メガ粒子砲塔を撤去しているのが特徴である。船体下部の巨大な放熱板は、搭載MSの機体冷却にも有用であった。

サラミス級巡洋艦は、連邦軍の量産型MSジムやボールなどとともに数多く投入され、その物量の一翼を担った。一年戦争では多数が撃沈されたが、それでも膨大なサラミス級が生き残っている。その後、さまざまな改良と同型新造艦の建造も継続され、本艦型はU.C.153年のザンスカール戦争に至っても現役であり続けた。

 

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