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ジム

ジム

RGM-79の中でも「前期生産型」と呼ばれる機体群。ジムの名前の由来は「Gundam type Mass-production model」(ガンダム型量産機)の頭文字の略、「General Mobile-suit(一般的なモビルスーツ)、あるいは、Gundam Model(ガンダム型)」など様々な説がある。連邦軍の戦力建て直しのために極短期間での大量生産を実現する都合上、コストを度外視したガンダムと比べて徹底的なコストダウンがなされている。設計が簡素であることから様々なバリエーションが生み出された。

開発にあたっては、8機作られたRX-78ガンダムの内、1~3号機を除くジャブロー所在の5機がその母体となった。RX-78ガンダムは量産化を前提としたものの、機体の単価が高額だった事、生産に時間がかかる事から簡易量産型の開発が必要となった。元々、連邦軍では白兵戦用、中距離戦用、長距離支援用の3タイプを量産化する予定であったが、運用テストにおいて白兵戦用MSが突出した性能を発揮したために開発計画は同タイプを主流としたものへ変遷。完成したジムはガンダムのような万能機ではなく、標準的な機体をコンセプトとしている。

前期生産型は「前期型」と「後期型」(実戦タイプ)に区別され、前者を「RGM-79A」、後者を「RGM-79B」に振り分けた資料もある。前期型は最初にジャブローで製造された第一次生産の42機、後期型は装甲版の材質など細部に若干の変更を加えキャリフォルニアベースやジャブローで288機生産された改良機となっている。戦力建て直しのための過度な生産期間の短縮と低コスト化に伴い、前期型は基本設計を無視する形で急造されている。そのため「粗製乱造」「粗悪品」と評価される事もある。

開発の際に用いられた戦闘データや稼働データは、ホワイトベースがジャブローに到着するU.C.0079年11月の2か月前に補給部隊を通して得られたものを使用。さらにRGM-79(G)陸戦型ジムやRGM-79(E)先行量産型ジム(宇宙戦装備)などの実戦稼働データもフィードバックし、ジャブローやルナツーでより生産コストを抑えて開発される運びとなる。RGM-79ジムではジェネレーターの低出力化や装甲材質の変更など、生産コストを抑える簡略化がなされている。

こうした背景のために性能面ではRX-78ガンダムに数段劣る結果となったが、一方ザクIIが稼働率6割であったのに対してジムでは8割を誇っており、国力の低いジオン公国に対する優位性を獲得していた。また、RX-78の戦闘データがコピーされているため、初級パイロットでもある程度の戦闘は可能である。運用の際には、5機1個小隊とボールの支援で構成される。実戦では集団戦闘を徹底しており、単独戦闘の多いジオン軍機体を連携で撃破した。

総生産数は一年戦争の終戦までに派生形を含め「3800機」とされ、MS-06 ザクII(派生形含む)の4000機に次ぐ第2位の生産数とされる。ホワイトベースがサイド7を出港した時にはすでに生産が開始されており、U.C.0079年10月から本格的な量産が開始されたとする資料も見られる。一年戦争で機体のほとんどが失われたザクIIに対し、ジムは機体の半数近くが生き残った。

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