- Work機動戦士ガンダム
- Height18.3 m
- Weight82.4 t
- Pilotコーカ・ラサ, マーシー, ジオン公国軍一般兵
型式番号:MSM-03
ジオン公国では地上用MSとしてMS-09ドムを開発していたが、同機の核反応炉ではメガ粒子砲を運用可能な出力を得ることはできなかった。反応炉の出力向上には冷却能力の強化が必要であり、最も効率的な方法は冷却水の使用であった。そのため、U.C.0078年11月には海水を冷却に使用可能な水陸両用MSの開発がMIP社とツィマット社に発注された。また、水陸両用MSはメガ粒子砲の運用だけでなく、独力で海中を進行して目的地に到達可能とし、前線基地のない場所での戦闘を可能とする特性を有している。水の抵抗を考慮して頭部は丸い流線形とされ、装備は内装式となった。
開発はMSM-02水中実験機との競作で行われた。その開発には多くのアースノイド技術者が関与し、MSM-01(MS-06M)ザク・マリンタイプで得られた新素材のデータも反映された。その後、ツィマット社でプロトタイプ1号機が完成し、リゾートコロニー「海」でテストを行った後、地上へ降ろされてテストを継続した。先行型とMSM-02はともに少数が生産され、その2か月後には生産ラインを後期型に集中させた。量産は3月から開始され、5月には地中海やメキシコ湾を中心に実戦配備された。
水中での活動時間は長く、推進には胴体結合部から吸入した水を反応炉の高熱で蒸発させて噴射する水流ジェットエンジンを採用している。
他のMSMシリーズと同様にフレキシブル・ベロウズ・リムという伸縮可能な蛇腹状の多重関節構造を採用しており、水中での抵抗軽減やクローを使用した格闘性の向上に寄与している。また、この機構により両腕・両脚を格納し、水中での抵抗を低減するよう設計されている。
陸上での活動時には本体内のバラストタンクに冷却水を貯めて行動するため、1~2時間の活動が限度となる。反応炉の冷却上の制限から陸上での活動時間は短く、機体重量が影響して俊敏な動作は難しい。しかし、耐圧用の設計が近接戦闘時には十分な防御力を発揮する。行動範囲は海や河川地帯周辺に限定されるが、装甲と馬力はザクを上回り、連邦軍の拠点破壊や重装甲を生かした上陸侵攻作戦で活躍した。