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機体リスト
機動戦士Zガンダム

共收録 31 台の機体。
  • Ζガンダム

    • Height19.85 m
    • Weight62.3 t
    • Pilotカミーユ・ビダン

    型式番号:MSZ-006

    エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクスによる共同開発計画「Ζ計画」で開発された機体の一つ。

    宇宙世紀0086年初旬、エゥーゴと協力関係にあったアナハイム社は、エゥーゴからの依頼を受け、リック・ディアスの完成と同時に次世代の高性能MS開発計画「Ζ計画」を発動させる。

    本機を開発するにあたり、開発チーフはカツミー設計技師、総合技術オブザーバーは旧ジオン公国出身のアレクサンドロ・ピウスツキ博士が担当している。まず、当時開発が進められていた機体をベースとしたデルタガンダムを設計するものの、これはフレームの強度不足から採用が見送られている。その後、アクシズからの技術交換によって得られたデータをもとに、より変形機構が簡易な実験機であるメタスを開発するが、これは難なく進捗し、データ収集も完了するものの、既存のMSとはスタイルが異なる試作機の域を出ないものであり、白兵戦には適さない機体となる。そこでさらに非変形型のプロトΖガンダムが開発されるが、この機体はアナハイム社特有のブロックビルドアップ機構により生産・整備性を高める狙いがあるものの、制御系に課題を残している。そして、このプロトΖガンダムをベースに変形機構を盛り込む試みをおこない、変形機能こそ実証するものの、フレームの設計がMS形態時における金属疲労に耐えきれないことから実用化には至っていない。

    その後、ティターンズが開発したガンダムMk-IIが同社に持ち込まれたことで状況は一変。ガンダムMk-IIに採用されたムーバブルフレームの設計思想は斬新であり、可変MSに要求される機能を十分に備えたものであった。アナハイム社は、この技術の取得後に大気圏突入能力の実証を目的としてフライングアーマーを開発。ガンダムMk-IIのオプションとして用意し、データの収集を行った。

    さらにカミーユ・ビダンによる変形MS案のプロットを採用。ムーバブルフレームによる可変機構はアナハイム社所属のゲルハルト・グルック博士の手により実用化される。こうして完成したΖガンダムは「ウェイブライダー」(以下WR)と呼ばれる巡航形態への変形能力を有し、大気圏突入をも可能とする破格の汎用性を実現した。本機のムーバブルフレームの基本構造はコピーが容易であるうえに他の機体とは比較にならない強度を持っていたため、以後に開発されたMSのほとんどがどこかにこの構造を取り入れている。ジェネレーター出力も高く、高出力の超小型核融合炉を備え、ΖガンダムはU.C.100年代の機体にも近似する仕様といえる。便宜上、第3世代MSとも称される高性能MSとなった。

     

  • ガンダムMk-II

    • Height19.6 m
    • Weight54.1 t
    • Pilotカミーユ・ビダン

    型式番号:RX-178

    連邦軍によってRX-78 ガンダムの後継機として開発された機体。3機が試作されたとする資料の他、4号機の存在に言及した資料もある。なお、型番の「RX-178」の日本語表音は「あーるえっくすいちななはち」と読む。

    開発はティターンズ主導で行われ、U.C.0085年にスタート。ジャミトフ・ハイマンの意向によって旧ジオン公国系の技術者は外され、地球連邦系技術者の選りすぐりで開発が行われた。開発主査はフランクリン・ビダン大尉が務め、U.C.0087年1月20日に完成。

    本機は対外的にはティターンズのフラグシップ機として開発された。その意義は単なる戦術兵器に留まらず、アースノイドのスペースノイドに対する示威の象徴でもあった。ゆえにその完成式典に際しガンダムMk-IIは、ティターンズ側をして「我々の、我々による、我々のためのガンダム」と称されたのである。また、主にスペースコロニー内部での戦闘を想定した設計となっている。

    MS用新素材の研究が進まなかったため、装甲やフレームに旧来の「チタン合金セラミック複合材」を用いるなど、技術的に旧式な部分も少なくないが、全身にムーバブルフレームを採用した初の機体である。脚部の可動部の露出が目立つのは、ビーム兵器を効果的に防御できる装甲が存在しない以上、重装甲化によって機体重量の増加を招くよりも、軽量化によって機動力を向上させ、被弾率を低下させるという当時主流となっていた設計思想に基づいている。

    同時期の機体に存在したエネルギーサプライシステムはエネルギーCAP実装と、構造の複雑化を避けるため廃止された。バックパックには4基のメインスラスターに加え、ビーム・サーベルホルダーを兼ねたフレキシブルバーニアスラスターを装備する。このスラスターを開発するにあたってタキム重工のトップエンジニアを技術士官として招聘するなど、破格の待遇で集められた。また、脚部のムーバブルフレームは構造的に柔軟性を有してはいたが、構造材の強度に問題があったため、瞬発的な外力に対し剛性が不足していたとされる。このムーバブルフレームは合計6回にわたる設計変更が行われたが、問題点を解決するには至らなかった。

    U.C.0087年3月2日、サイド7グリーンノア1内での運用試験中にフランクリンの息子カミーユ・ビダンにより奪取され、そのままエゥーゴに鹵獲される。その後は紆余曲折あったものの、結局はティターンズ所属のエマ・シーンの離反により、3機がエゥーゴの手に渡る。4号機は強奪事件以前にグリーンノア1内で実施された高速機動試験中に墜落事故を起こしたとされる。

    ムーバブルフレームをはじめとする本機のデータはΖガンダムなどの可変MSの開発に大きく貢献した。最終装甲を交換する事で各種戦闘に対応可能な設計となっていたが、エゥーゴによる奪取後は生産ラインに乗せるに足る機体ではないと判断され、再調整を行い3機分のパーツから1機を運用した。また、地球連邦軍(エゥーゴ、カラバ)はジムIIIに設計の一部を取り入れている。

     

  • スーパーガンダム

    • Height18.5 m
    • Weight94 t
    • Pilotエマ・シーン

    ガンダムMk-IIがGディフェンサーを「着たまま」MSモードで戦闘可能な形態で、当時の最新鋭MSに対しても決して引けを取らない高性能機となる。なお、「スーパーガンダム」はエゥーゴのスタッフが付けた愛称であり、制式名称ではない(型式番号:FXA-05D+RX-178)。

    Gフライヤー形態から操縦系統をMk-IIに移行後にコア・ファイターが分離し、サイド・ポンツーンがステー部から90度回転してアーマーとなる。Gディフェンサー中央部の装甲板がガンダムMk-IIのバックパックを覆うことで、ダメージ・コントロールが向上している。

  • 百式

    • Height21.4 m
    • Weight54.5 t
    • Pilotクワトロ・バジーナ

    型式番号:MSN-100

    エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス(AE)社による共同開発計画「Ζ計画」で開発されたアナハイム・ガンダムの1機。

    本機はまず非可変型MSとして設計された後に可変型MSへの転用が検討され、最終的には再び非可変型MSに差し戻されたという開発経緯を持つ。元々、アナハイム社は試作型のムーバブル・フレームを保有しており、リック・ディアス以後の機体として格闘戦用MSのフレーム設計も行っていた。その後、開発の途中でフレームを可変MSに転用する案が持ち上がる。可変MS「デルタガンダム」として設計されたこの機体は、コンピューターによるシミュレーションの段階で変形時のバインダーの耐久性と駆動部のストレス、ムーバブルフレームの強度の問題が解決できず、可変機としての開発は一度断念され、可変機構導入の失敗から通常のMSに設計が戻された。機体自体のポテンシャルが高かったこともあり、その後、ガンダムMk-IIのムーバブルフレームのデータを受けて開発が再度進み、非変形型のMS百式として完成している。可変機として設計された名残として、脚部の独立二層式のデュアルフロートアーマー、バックパックにフレキシブル・バインダーが装備されており、バインダー自体が可動肢として作動することで、AMBACや大気圏の整流作用などで機体の運動性を向上させている。当初の目標であったデルタガンダムは0090年代にデルタプラスとして再設計され、設計データを流用することによって百式系列唯一の可変機として開発に成功している。

    百式はクワトロが搭乗した際にはピーキーな設定が施され、その高速戦闘による実戦データが収集された。同一機体であってもクワトロ大尉が搭乗した仕様から大改修を受け第一次ネオ・ジオン抗争に投入された仕様が存在したとされている。なお、型式番号はリック・ディアス(RMS-099 / MSA-099)の次の開発ゆえに100となり、名称もそれに併せ、設計者であるナガノ開発主任によって「百年保つMS」となるような願いを込めて「百式」と命名された。「γガンダム」とも呼ばれるリック・ディアスに続いて開発コードδが与えられており、百式自体にδガンダムの名称が当てられることもある(デルタガンダムについては後述)。

     

  • メタス

    • Height26 m
    • Weight52.4 t
    • Pilotレコア・ロンド, ファ・ユイリィ, カツ・コバヤシ, トーレス

    型式番号:MSA-005

    元々、AE社はU.C.0080年代から可変MSの実用化を模索していたが、Ζ計画に伴って本機もその開発計画に組み込まれた。アクシズとの技術交換で得られたガザCなどのデータによって設計されており、Ζガンダムなど後続の可変MSのトライアルを考慮している。開発の母体となったのはAE社に存在する作業用MSであり、それに簡易型の可変機構を組み込んで開発した「アニュス・デイ」をベースとして、さらに完成度を高めたのが本機である。遠距離対艦戦闘やドッグファイトを得意とするが、機体の耐久性から量産化は見送られた。

    MS形態
    頭部メインカメラは変形時の省スペース化への配慮からモノアイシステムを採用しており、2基のモノアイはそれぞれ水平方向と垂直方向に移動する。 変形機構の簡素化のため、胴体部はわずか3本のアクチュエーターのみで腰部と連結されている。それゆえに十分な強度を確保できず格闘戦にはあまり向かない機体となってしまったが、メンテナンス性は向上することとなった。 背部ユニットにはプロペラントタンクを内蔵している。MA形態時に機首となる先端部には各種センサーが設けられており、艦内移動時には前方に倒すことで省スペース化をはかる。 武装は前腕部にアーム・ビーム・ガン(出力2MW)が各1門装備されており、砲身を180度回転させて使用する。また、脛部にはラックが設けられており、片側に3基ずつ計6基のビーム・サーベル(出力0.5MW)が装備されている。このビーム・サーベルは、ヒートホーク状のビームを形成することもできる。なお、テレビ版『Ζガンダム』第23話などでは、頭部バルカン砲とうかがえる武装を使用している。また、第38話では左袖からグレネードを連射しているシーンが存在し、ゲーム・機動戦士Zガンダム エゥーゴvsティターンズではメタスのサブ兵器として搭載されている。

    MA形態
    頭部を背部ユニットに収納して腕部と脚部を折りたたみ、肩部と脚部を連結してMA形態となった後、3基のランディング・スキッドで着陸する。MA形態が本機の本来の形態であり、加速・運動性能は申し分なく、宇宙戦闘機としての高性能を示した。メタスの主形態はこちらであり、この形態では防御力に優れる。武装はアーム・ビームガン2基。なお、可変MSのΖIIとリゼルには、本機の変形機構を発展させたものが採用されている。

     

  • ディジェ

    • Height23 m
    • Weight51.8 t
    • Pilotアムロ・レイ

    型式番号:MSK-008

    反地球連邦組織「カラバ」のメカニック・チームが独自に開発した機体。

    当時のカラバの工業力を総動員し、またエゥーゴによる技術提供も受けて完成させている。ルオ商会やAE社キャリフォルニア・ベース支部の協力もあったとされる。ジャブロー降下作戦で地球に降り、ガルダ級輸送機「アウドムラ」に残されたリック・ディアスを設計のベースとしているが、のちにアムロ・レイが搭乗する試作1号機は同機のムーバブルフレームを用い、ネモのアビオニクスなども流用することで短期間での開発に成功している。設計は旧ジオン系の技術者が担当しており、そのためか外観はゲルググに類似している。機体本体は地上での運用に対応した設計になっており、ジェネレーターは地上用に調整され、機体の軽量化や冷却機能の強化が施されている。総合的にも、ネモを上回るスペックを達成している。

    実質的にアムロ専用のカスタムメイド機であり、一般兵が乗りこなすのは難しいとされるが、わずかな仕様変更をおこない追加生産された機体が熟練パイロットに配備されている。アムロ機のカラーリングはライト・グリーンとダーク・ブルーを基調とし、一部が赤と黄色に塗り分けられている。

     

  • リック・ディアス

    • Height21.6 m
    • Weight54.4 t
    • Pilotクワトロ・バジーナ, アムロ・レイ, エマ・シーン

    型式番号:RMS-099 / MSA-099

    AE社とエゥーゴが共同開発した機体であり、リニアシートとガンダリウムγ、試作型のムーバブルフレームを採用した初の第2世代MSとなる。また、アナハイム・ガンダムに分類される機体でもある。

    宇宙世紀0085年、エゥーゴから新型MSの開発を依頼されたAE社は、メラニー・ヒュー・カーバイン会長の陣頭指揮のもと本機の開発を開始。なお、マラサイも同時期に開発がおこなわれている。開発スタッフには旧ジオン公国系の技術者が多く参加しており、ドムシリーズの最終量産型ドワスが直接の原型となったとされる。それに加え、ガンダムタイプの技術フィードバックも行われた。特に、AE社が宇宙世紀0083年に開発した「ガンダム試作2号機」は直系の先行機と呼べるものである。装甲とフレーム部材にはガンダリウムγを採用。ガンダリウムγの採用から、のちのエゥーゴ指導者ブレックス・フォーラ准将によって「γガンダム(ガンマガンダム)」と名付けられた。しかし、その外観から「ガンダムの名を使うのは、先代のガンダムに申し訳ない」「別のコードネームを使いたい」とするクワトロの希望により、宇宙用の機体を意味する「リック」に喜望峰の発見者バーソロミュー・ディアス(この名には、エゥーゴの活動が折り返し地点に到達したことから、という意味も込められている)の「ディアス」を合わせ、リック・ディアスとした。

    ガンダリウムγによる軽量化とブースター・バインダーによるAMBAC機能により、軽快な運動性を示す。当時としては最高水準の小型・高出力ジェネレーターも搭載しており、複数のビーム兵器のドライブも支障なくおこなえる。また、センサーには連邦軍より高性能なものを使用しているため、ミノフスキー粒子の下では連邦軍の機体より遠距離から相手を捕捉できる。高性能だが量産機としてはコストが高く、大出力の機体特性と操縦性のタイトさはジオン出身のパイロットにこそ好評だったが、連邦出身のパイロットには不評だった。それゆえ、エゥーゴ主力機の座はよりコストが低いネモに譲る。

    本来の型式番号はMSA-099だが、グリプス戦役開戦までは地球連邦軍の目からエゥーゴの動きを欺くため、RMS-099とされた。

     

  • ネモ

    • Height19.5 m
    • Weight36.2 t
    • Pilotカツ・コバヤシ, ファ・ユイリィ, ロザミア・バダム

    型式番号:MSA-003

    グリプス戦役当時においてすでに旧式化していたジムII、高性能と引き換えに生産性に難があったリック・ディアスに替わるエゥーゴの主力機。設計・製造はアナハイム・エレクトロニクスが担当した。当初は、ほぼ同時期に完成したマラサイを主力機として導入するはずだったが、マラサイが政治的取引によって大半の機体がティターンズ側に導入されたため、急遽ネモが主力機として導入された経緯をもつ。型式番号は、百式以降3番目に登録されていた機体として「003」が与えられている。

    ジムの発展形として位置付けられ、スラスターの配置などはジム・スナイパーIIの設計を参考にしている。一方、ジオン公国製MSの技術も反映されており、連邦製MSとの技術的融合がなされた機体でもある。内部構造には百式などで培った技術をもとにコストダウンがなされたムーバブル・フレームを採用しており、重力の有無を問わない高い汎用性と機動性を獲得した。装甲材にはガンダリウム合金を採用し、ジムIIを凌駕する高性能を発揮する。

    本機は連邦系・ジオン系を問わない装備互換性をもつ。機体装備は新規のシールドを除き、ジムIIやリック・ディアスのものを流用している。

    標準塗装はエゥーゴのシンボル・カラーである緑と濃紺を基調とするが、第11話ではリック・ディアスと同じ色で塗られた機体がサラミス改から発進する姿が一瞬だけ確認できるほか、第17話の冒頭ではベン・ウッダーの指揮下にあるスードリのMSデッキに、連邦軍カラーのジムIIと同じ赤と白で塗られた鹵獲機が数機置かれている。

     

  • ジムII

    • Height19.1 m
    • Weight40.5 t
    • Pilot地球連邦軍一般兵

    型式番号:RGM-79R → RMS-179

    宇宙世紀0080年10月に可決された「連邦軍再建計画」を受け、一年戦争時に主力MSとして大量生産されたジムを有効活用すべく、バージョンアップ研究が開始される。一年戦争終結後に開発されたジム・カスタムは、ジム開発のひとつの到達点ともいえる高性能機であったが、生産性が低く主力量産型としては向いていなかったため、この「ジムII計画」がクローズアップされる。ただし、現行のジムを順次近代化改修するには時間も手間もかかるうえ、次世代機として十分な性能とは言いがたく、実際のところあまりコストパフォーマンスは高くない。MSに対して消極的な連邦軍上層部にとっては本計画で十分であったことに加え、ジム系の部品メーカーと上層部の一部との癒着があったとの噂もある。

    開発はジャブローでおこなわれている。おもに先行量産型のジムを改修したとされるが、ジム寒冷地仕様をベースとする説や、A型やC型といった一年戦争中のモデルを対象とする説もある。0083年にはRGM-79Rの型式番号を割り当てられ、基本的な仕様(機動性の強化、索敵能力の向上、武装の改良、1,500キロワット級ジェネレーターの搭載など)が確定し、ジャブローやグラナダの工廠で第1陣として58機が改修を受けている。これが本機の最初のモデルであるが、この時点では全天周囲モニター・リニアシートは採用されておらず、0085年以降に改修された機体には導入されている。なお、換装により余剰となった旧式の熱核反応炉は、軍事機密部分を取り外して火星など辺境の開拓地に安価で輸出されており、発電設備として重宝されている。

    標準塗装はジムを踏襲した白と赤を基調とし(塗り分けは一部異なる)、連邦正規軍やティターンズで運用されている。エゥーゴで運用された機体は緑と白(ややくすんでいる)を基調とする。その他の塗装バリエーションについては劇中での活躍を参照。

  • Gディフェンサー

    • Weight24.7 t
    • Pilotカツ・コバヤシ

    型式番号:FXA-05D

    全長39.5m,翼幅27.1m。

    ガンダムMk-IIの重戦用装備として、エゥーゴの要請によりアナハイムエレクトロニクス社が急造した可変戦闘機。ティターンズから奪取されたガンダムMk-IIは1機がエゥーゴの戦力として運用されるが、可変MSの出現によりさらなる高速戦闘への対応と、火器搭載量の増大化が必要とされる。そこで、初代ガンダム (RX-78) 用の強化システムであるGアーマーのコンセプトをベースに耐久性、航続距離、ジェネレーターの問題も含めて解決すべく開発されたのが本機である。エゥーゴの量産型MSであるネモ・タイプの性能向上システムとしても使用可能であることを前提としているが、簡易性からMS形態のみでの運用とされる。なお、本機と並行して増加ウェポン・システムを装備するフルアーマーガンダムMk-IIの開発も進行するが、廃案となっている。さらに、同時期にGアーマーそのものをMSに再設計した機体の開発も進められたという。

    単体では、コア・ファイターにパイロットが搭乗して宇宙・大気圏内両用支援戦闘機として運用され、MSに匹敵する性能をもつ。長・中距離支援や爆撃・偵察など、その機動性を駆使した任務で活躍する。ガンダムMk-IIのウェポン・マウント・システムを参考にパイロンの規格が統一されており、最大装備時には中距離航行用エキステンション・ブースター、ミサイル・ラック、コンパクト・ジェネレーターを併用してメガ・ビーム・ライフルを2基装備することも可能。

    グラナダで製作された先行試作機が、エゥーゴの強襲巡洋艦「アーガマ」に配備されている。

  • アーガマ

    • Pilotブライト・ノア

    アーガマ級強襲用宇宙巡洋艦の1番艦。ホワイトベースを参考に建造され、モビルスーツ(MS)の搭載・運用能力を重視している。艦名について、エゥーゴの指導者であるブレックス・フォーラ准将は「ホワイトベースII」を希望するが、出資者であるアナハイム・エレクトロニクス会長メラニー・ヒュー・カーバインにより「アーガマ」と命名される。また、建造には木星船団用の名目の予算も流用されている。

  • ハイザック

    • Height20.6 m
    • Weight59.6 t
    • Pilotカクリコン・カクーラー, フランクリン・ビダン, ジェリド・メサ, キッチマン, デーバ・バロ, サラ・ザビアロフ

    型式番号:RMS-106

    地球連邦軍が、ジオン公国軍の名機ザクとほぼ同じ基本コンセプトで、接収した公国軍の開発ノウハウをベースに作った量産型MS。連邦軍規格の各種部材が組み込まれており、一年戦争後に本格量産された初の機体でもある。具体的な開発ベースは、アクト・ザクともザクII F2型とも言われている。

    一年戦争後の連邦軍はその戦費などにより経済状況が芳しくなかったため、運用する機体は新規開発よりも既存機のマイナーチェンジを主流としていた。しかしながら、戦後もジオン軍残党による各所への攻撃は完全に収まらず、連邦軍は戦力不足でもそれらの掃討を行わざるを得なかった。

    MSの適正配備はU.C.0081年10月に「連邦軍再建計画」が可決されて以来の懸案となっていたが、U.C.0083年12月にティターンズが結成されると、MS開発は再び活発化することとなった。

    こうした中で、連邦軍はアナハイム・エレクトロニクス (AE) 社と共同で「ハイザック」の開発を行うことになった。U.C.0084年7月にロールアウト。翌年0085年にハイザックが制式採用され、ティターンズから優先的に配備されていった。

    誕生したハイザックは、ザクの発展型というよりは、ザクにジムの設計を強引に組み合わせたハイブリッド機というべき機体である。

    メインジェネレーターは連邦軍規格のものだが、動力系統は公国由来の流体パルス駆動と、連邦由来のフィールド・モーター駆動を併用する方式を採用している。しかし、この動力系統の混合からエネルギー経路のスペースは圧迫され、ビーム兵器のエネルギー供給用サプライケーブルは機体各部に露出することとなった。同時に、ビーム兵器のドライブは1基までに限定され、2つのビーム兵器を同時使用することはできなくなった。

    コクピットには、AE社の後押しで同社製普及型全天周モニターつきリニアシート「JTS-17F」が導入された。

    装甲材には当時の最新の部材が用いられており、機体の軽量化を実現した。同時に燃料積載量の増加も可能となった。バックパックにはMS-06Rに近似するタイプを採用。燃料の積載量やスラスター技術の発展もあり、無重力空間における機動性は向上した。こうして、ハイザックは生産性と操縦性の高さから連邦軍全体に主力機として配備された。

     

  • マラサイ

    • Height20.5 m
    • Weight59.4 t
    • Pilotジェリド・メサ, カクリコン・カクーラー

    型式番号:RMS-108 / MSA-002 / MS-22

    アナハイム・エレクトロニクス社(以下「AE社」)で開発された、ドムの流れを汲むハイザックの発展型MS。ハイザックは基本性能こそ高いものの、ジェネレーター出力の低さから複数のビーム兵器を併用できない問題点もあったため、その高い生産性と操縦性を継承しつつ、より高性能な機体として開発された。攻撃型MSに分類される本機体は、ガンダリウムγとガンダムMk-IIから得られたムーバブルフレームを取り入れた第2世代MSであり、エゥーゴに提供するために生産されていた。

    ジェネレーター出力の向上により、ハイザックでは不可能だったビーム・ライフルとビーム・サーベルの同時使用が可能となっている。また、性能・生産性ともに優れ、ガンダリウム合金の使用によって機体は軽量化されている。それに加え、各部構造もハイザックで培われたノウハウが生かされ、汎用性・操縦性に優れる。

    開発当初、本機には「MSA-002」の型式番号が予定されていた。しかしながら、エゥーゴの台所事情から高性能な量産機よりも超高性能な決戦兵器が必要とされたことや、ネモなど複数の連邦系量産機がラインに乗っている中で別系統の機体を採用することはジオン公国の二の舞であり、必要が無かった。また、ガンダムMk-IIの強奪によってAE社は連邦軍からエゥーゴと共犯の嫌疑をかけられたため、その追及を回避するために同組織へ無償提供された。

     

  • バーザム

    • Height24.2 m
    • Weight62.3 t
    • Pilotハミル, エスター・マッキャンベル, メイジー・ハリス

    型式番号:RMS-154

    ジムIIなどに代わるティターンズの量産機。ティターンズが多数投入していた可変MS・MAなど、高コストで操縦困難な機体群とは別に、一般兵向けに開発された汎用MSであるが、従来のジムやザク系とはまったく異なる外見を持つ。設計はガンダムMk-IIを参考にしている。開発はティターンズのニューギニア基地。

    頭部には大口径のモノアイカメラと鶏冠状の長いアンテナを持つ。構造は極端な軽量化と簡略化がなされ、コストパフォーマンスにも優れているという。カラーリングはブルー。

     

  • ガブスレイ

    • Height18.5 m
    • Weight56.2 t
    • Pilotジェリド・メサ, マウアー・ファラオ

    型式番号:RX-110

    パプテマス・シロッコがメッサーラに続いて設計し、連邦軍ルナツー基地にて開発された試作型TMS(可変モビルスーツ)。いわゆる「第三世代MS」に該当する。ガンダムMk-II開発陣による機体ともいわれる。メッサーラの流れを汲む機体であり、ムーバブルフレームの搭載により、従来MSサイズに抑えつつ可変機構を実装した。火力と機動力をはじめ、砲撃戦・格闘戦ともに優れた性能を誇る。

    宇宙用の機体で、可変機構によりMSとの白兵戦から高機動戦闘に対応する。戦闘の際はフェダーインライフルによる長距離射撃のほか、MA形態による一撃離脱戦法も可能。ドゴス・ギアのジェリド隊に3機が配備され、同部隊がアレキサンドリアに転属しエゥーゴとの戦いで敗北したため、全機が失われたとされる。一方で、ガブスレイは2~5機試作されたとした資料もみられる。比較的生産コストの高い機体であったが、優れた性能から量産化も検討されていた。

     

  • ハンブラビ

    • Height19.9 m
    • Weight56.9 t
    • Pilotヤザン・ゲーブル, ラムサス・ハサ, ダンケル・クーパー, サラ・ザビアロフ

    型式番号:RX-139

    ゼダンの門(旧:ア・バオア・クー)工廠で9番目に開発された可変MS。

    設計にはパプテマス・シロッコが関与しており、ジュピトリスで試作がおこなわれている。ガブスレイの後継機であるともいわれるが、変形機構は量産化を前提とした簡易なもの(ほぼ、両脚を背中側に折り上げるだけ)を採用しており、ムーバブル・フレームとマグネット・コーティングにより、MS形態からエイのようなMA形態に約0.5秒で変形完了する。スペックの数値は第3世代MSとして高いとは言えないが、運動性や格闘戦性能は非常に高い。搭載されている熱核ロケット・エンジンは燃焼効率が高く、長時間安定した機動が可能である。また、変形により機体特性を目まぐるしく入れ替え、相手を翻弄する多彩な攻撃が可能となっている。

    細長く尖った頭部および両肩アーマーと、さらにこれらに計5基(顔面2基、後頭部、両肩)のモノアイが装備されているのが特徴で、これによりMS/MA両形態で十分な索敵が可能となっている。胸部から頭部にかけてのユニット全体が複合的なセンサー・アレイとなっており、各形態で状況に応じて最適化された情報をパイロットに伝達する。また、腰部アーマーの裏側にはオプションのマウント・ラックがある。装甲は脆弱であるが、耐ビーム・コーティングの性能は優秀である。

    整備性や生産コストの面では優れており、稼働率も高いが、乗りこなすには高い技能と戦闘のセンスが必要とされたため、量産先行機が数機建造された時点で本格的な量産は見送られている。

    ヤザン・ゲーブルは、本機に搭乗した感想をシロッコに求められた際に「得体の知れない力を感じる」と述べている。それに対してシロッコは「それはヤザン大尉が、今まで楽をしてきたからだ」と答えているが、小説版では「バイオセンサーによるシステムが導入されているから」と回答している。

  • バイアラン

    • Height23.1 m
    • Weight54.7 t
    • Pilotジェリド・メサ

    型式番号:RX-160

    キリマンジャロ基地で10番目に開発された試作型MS。ティターンズが地球上の制空権を確固たるものとするため、ベースジャバーなどのサブフライトシステムを使用せず、当時のトレンドであった可変MS/MAのように飛行形態にも変形せず、単独かつ人型を保持したままでの飛行性能に重点を置いて開発した機体。

    ガンダムTR-1[ヘイズル改]イカロスユニットのアイデアソースを元に開発され、従来の熱核ロケット・エンジンに加え、両肩に可動式の熱核ジェット・エンジンを装備することにより、これまでのMS単独による滞空時間の記録を大幅に更新するが、航続距離には問題があったとも言われる。なお、熱核ジェットをロケットに換装することで、宇宙空間での使用も可能となっており、空間戦闘においても通常のMSを上回る加速性能を誇る。

    可変MS/MAの開発費や整備性を始めとする運用上の問題を解決すべく同機が開発されたが、本機自体も整備が煩雑だったという説もある。また、本機は大気圏外から降下する敵機に対する高々度迎撃機としても設計されている。

    機体の軽量化と空力特性を追求しているが、それによる問題点も多く、装甲は薄く、武装も少ない。この点はティターンズでも問題視され、さらなる推力向上とともに武装の強化が検討されていたとする説もある。また、脚部は事実上の着陸用ギアでしかないともいわれる。

     

  • アッシマー

    • Height23.1 m
    • Weight63.8 t
    • Pilotブラン・ブルターク

    型式番号:RX-044 / NRX-004

    大気圏内での自力飛行能力をもつ、最初の可変MA。開発はニュータイプ研究所のひとつであるオークランド研究所で進められる。なお、型式番号の "N" はニュータイプ研究所の略とされる。

    当時、MS用サブフライトシステム (SFS) としてベースジャバーやド・ダイ改が開発されているが、母艦の搭載スペースを余分に消費するうえ、SFSが撃墜された際にMSの戦闘・展開能力が著しく低下するという問題があった。また、SFSは上昇性能が低く迎撃機としては役に立たないため、本機が開発される。上半身を円盤状に変形することでリフティングボディとし、脚部の変形による強力な推進機構によって戦闘機に匹敵する機動性を確保しており、上昇能力も優れている。変形用のパーツおよび各可動箇所にはマグネット・コーティングがほどこされているため、変形に要する時間はわずか0.5秒であり、MA形態で上空に侵入し瞬時にMSに変形して自由落下しながら白兵戦をおこない、またMAに変形して高速離脱といった従来のMSでは考えられない戦闘パターンを展開することが可能となっている。機体色は上半身がダーク・イエロー、下半身がダーク・グリーンを基調に、モノアイ周辺など一部が赤で塗り分けられている。

    開発は宇宙世紀0083年より着手されており、可変機構もMS形態時の関節の自由度を高めた程度で問題も比較的少なく、0085年には試作機が完成し、同年半ばにはロールアウトしてテスト部隊による運用が開始されている。テスト中の本機を目撃した民間人からは、「空飛ぶ円盤を見た」との通報が連邦軍や警察当局に多数寄せられたという。量産性も高く、MSとしての性能も優秀であることから、一年戦争で喪失した戦力の補充としてもニーズが高く、制式採用される。量産当初は北米の部隊にのみ配備されるが、ティターンズの後押しによって連邦軍の各基地に配備されている。耐久性・耐弾性も高いが、変形時に展開する胸部装甲は弱点となっている。また、武装がビーム・ライフル1丁のみであることから火力の充実が求められ、新型機としてギャプランが開発されている。

     

  • Gaplant

    • Height25.2 m
    • Weight94.2 t
    • Pilotロザミア・バダム
  • バウンド・ドック

    • Height29.7 m
    • Weight129.4 t
    • Pilotザミア・バダム

    型式番号:NRX-055

    地球連邦軍が、ニュータイプ研究所の協力のもとに開発した試作可変MA。もともとは、ニュータイプ研究所本部が旧ジオン公国軍のグラブロやジオングを参考に開発を進めていた機体である。のちにティターンズの主導により、バスク・オム大佐によって編成されたニュータイプ部隊(実質的には強化人間部隊)へ供給すべく、オークランド研究所を主管としてサイコミュ関連の技術協力をオーガスタ研究所やムラサメ研究所がおこなっているほか、設計にはガブスレイの開発に参画した技術陣が招聘されている。

    基本的には格闘戦に特化した機体であり、MS形態では右手に、MA形態では1対の強力なクローをもち、ガブスレイのように高速で移動しながらの格闘が可能となっている。また、MA形態には外殻、MS形態時には腰部スカートとなる厚い装甲により、攻防一体の万能機としての活躍が期待され、曲面で構成されていることから耐弾性の向上や慣性モーメントの低減も実現している。ドラム・フレームが採用されたアッシマーと異なり、本格的にムーバブルフレームが採用された可変MAであり、変形はほかの可変MS・MAと同様、マグネットコーティングによって非常にスムーズにおこなわれる。スラスターの分散配置を切り捨て、MS・MA両形態の推力をメイン・スラスターでまかなう構造となっており、特にMA形態の加速性は圧倒的とされ、コロニー内部や重力下での飛行も可能である。なお、本機は地上・空中・宇宙戦に対応する全領域機として設計されている。

    コックピット・ハッチはMS形態では胸部中央、MA形態では機体下面(MS形態では股間部に当たる)に設置されているが、コックピットの位置は不明。

    ニュータイプ(もしくは強化人間)の思考をダイレクトに伝えることを目的に、サイコミュ・システムを機体制御の根幹に据えた結果、高い機体追従性を獲得し、実験機ながら実戦に耐えうる性能を発揮している。オーガスタ研究所によって設置・調整がおこなわれた、サイコガンダムと同様のサイコミュ・システムを搭載しているが、精神的な負担を軽減するため、最新型のプロセッサ技術によって容積を数分の1に縮小しつつ処理速度を2倍以上に引き上げた改良型を採用。これにより、本機のMS形態はサイコガンダムよりも小型となっているが、通常のMSよりは大型であり、その機体サイズからくる鈍重さを大出力で補うという非効率な解決方法を採っている。本機のサイコミュは比較的パイロットへの負担が少なく設定されており、ニュータイプ能力が低いパイロットでも稼働が可能となっている。そのため、ビットやファンネルといった誘導兵器は稼働できないものの、思考コントロールが可能な操縦システムは、ニュータイプ能力があれば凡庸なパイロットでもエース級に引き上げる効果をもつ。一方で、パイロットの意識を本機が発するサイコ・ウェーブで拘束し、戦闘衝動を発生させる機能も備えており、高い戦闘力が発揮できる反面パイロットの精神的負担は大きくなる。また、サイコガンダム(2号機)と同様のサイコ・コントロール・システムを搭載し、機外からの遠隔操縦が可能となっており、その機能は改善されたといわれるもののこれを含む本機の全性能を発揮させるためには、強力なニュータイプ能力と強化人間クラスの強靭な肉体が必要とされる。システム上の問題はいくつか見られるが、本機自体は当時の連邦軍のサイコミュ技術の粋を集めた機体である。

    また、本機は急遽サイコガンダムMk-IIのサポート機としても充当されている。サイコガンダムMk-IIのサイコミュはパイロットへの負担がかなり大きく、精神を破壊しかねないものであることから、本機に比較的精神の安定した強化人間が搭乗し、サイコガンダムMk-IIのパイロットの精神状態を制御する方法が採られ、テストでは数時間の間トラブルもなく正常に機能している。

    実験機であるものの、カラーリングと型式番号の末尾が異なる3機が製造され、後発機のデータ収集に活用されている。

     

  • メッサーラ

    • Height30.3 m
    • Weight89.1 t
    • Pilotサラ・ザビアロフ

    型式番号:PMX-000

    パプテマス・シロッコが木星圏にいたころジュピトリス艦内で開発していた試作型可変MA(したがって、正確にはティターンズの兵器ではない)。設計・開発は0085年から0086年にかけてとされる。PMXシリーズにおける最初の機体であり、型式番号の「000」は連邦コード外の機体を表す。

    戦闘用として開発されるも軍事的背景はまったくなく、シロッコの個人的な意向のみで進められているため、コンセプトには彼の意思が強く反映されている。木星の高重力圏での活動を前提に設計されており、高重力を振り切るための大型スラスター・ユニットを装備し、フレーム剛性も非常に高く設定されている。TMAとしては最初期にムーバブルフレーム構造を採用した機体であり、変形所要時間はわずか0.5秒。スペック上の比推力は然程高くはないが、メインスラスターの他に機体脚部および尾部などにも大型スラスターを内蔵しており、実際の総推力は最低でも196,000kg以上に達すると思われる。

    スラスター・ユニットは連装スラスター群と一体化したAMBACユニットであり、1基あたり機体質量の30%を有する。先端には推定出力11.3MWの直結型メガ粒子砲を搭載し、ジョイント・アームにより広範な射角を有する。ほかに、肩部には9連装ミサイル・ポッド、前腕の甲にはグレネード・ランチャー(2連装、各3発)とクローが一体となったユニットを装備し、ビーム・サーベル(柄が伸縮、出力0.5MW)も内装、両側面にはバルカン砲も装備している(劇中では未使用)。さらに脚部(かかと)もクローとして、敵機の捕縛や圧壊が可能なトルクを持つ。

    装甲材質は不明だが、独自の研究によりγ型に近いガンダリウム合金を開発し、採用していたようである。また、本機の変形シークェンスはきわめて単純で機構の整備維持が容易なものであり、シロッコが技術や性能に惑溺することなく実用性を考慮していたことが窺える。ただし、本機の頭部と胴体は一体化しており、完全な人型ではない。カラーリングは濃淡パープルを基調とする。

     

  • サイコガンダム

    • Height40 m
    • Weight388.6 t
    • Pilotフォウ・ムラサメ

    型式番号:MRX-009

    地球連邦軍のニュータイプ研究所のひとつであるムラサメ研究所が開発した9番目の試作機。型式番号の "M" はムラサメ研究所をあらわす。

    一年戦争後、ニュータイプが搭乗したMSに関する調査団が結成され、アムロ・レイが搭乗したガンダムタイプにサイコミュの搭載が検討されたことが、開発の起点とされる。機体はMRX-002を皮切りに、ティターンズからガンダムMk-IIの提供を受け、プロトタイプサイコガンダムの開発を経てU.C.0087年6月にロールアウト。しかし、人工ニュータイプである強化人間のニュータイプ能力の低さによってサイコミュ・システムは大型化したうえ、脳波伝導フィールド形成のための変形機構や、ミノフスキー・クラフトの採用により、その全長は40メートルにも達した。もっともなぜかガンダムタイプの外観は保たれている。これについては、軍の意向からガンダムタイプとして開発することで予算を捻出したともされる。

    形状はRX-78に似ているが、設計思想はMSN-02 ジオングがもとになっている。また、頭部にコックピットがあり、分離して小型MAとしての運用も可能。

    火器管制や機体制御すべてをサイコミュで制御する方式をとっており、パターンデータを登録することによって外部からの遠隔操作も可能である。その戦闘プログラミングは専任パイロットであるフォウ・ムラサメ専用となっている。本機は可変MSではなく可変MAに分類される。モビルフォートレス (MF) とも呼ばれるMA形態に変形可能で、その巨体を飛行させるためにミノフスキー・クラフトを装備している。むしろ、この形態はおもにミノフスキー・クラフトを稼働させるためのものであり、腕部などのエネルギー・ユニットを組み替えると同時に、ボディ・ユニット内部のキューブ・グリッド・エミッターを機体外に露出してミノフスキー粒子の立方格子を生成する。また同形態では、成層圏を飛行することも可能。一方、ガルダ級の輸送機であっても格納できないため、MF状態で牽引して運用される。

    機体は試作1号機と試作2号機が存在しており、ホンコンシティの戦闘に投入されたほか、改修機がキリマンジャロ基地での戦いに投入され、大破している。1号機ではパイロットの感応波を検知した結果、機体がコクピット内の制御を逸脱した動作を行ったことから、2号機においてはサイコ・コントロールシステムを実装し、専用のヘッドセットを利用することで機体外制御を仕様に盛り込んでいる。

     

  • サイコガンダムMk-II

    • Height40.74 m
    • Weight283.9 t
    • Pilotロザミア・バダム

    型式番号:MRX-010

    開発はムラサメ研究所が担当。サイコガンダムの実験データをベースに、再度宇宙用に開発された機体。基本的な設計はサイコガンダムから引き継ぎつつも、武装と駆動系には改良が加えられている。ミノフスキー・クラフトをシールドへ移設することによって必要とされるサブ・ジェネレーターは本体から分離し、機体出力はサイコガンダムの2/3に軽減されている。

    完成時には、サイコガンダムを凌駕する機動性と火力を有する地球圏最強の機動兵器になると予想されるが、グリプス戦役終盤での初の実戦参加時には、さまざまな要因から十分な性能は発揮できずに終わる(「劇中での活躍」を参照)。

    その後、中破した本機はネオ・ジオンによって秘密裏に回収され、ドーベン・ウルフなどの機体設計の参考とされた。地球降下作戦の際に占領した元ティターンズのキリマンジャロ基地に運び込まれてオーバーホールされ、同時に同基地でティターンズの強化人間のデータも調査された結果、サイコミュの連動における問題点のチェックなどが急ピッチで進められる。

    コックピットは頭部に存在し、後頭部内側に分離脱出用のスラスターを3基有する。搭乗者不在であっても、半自律式プログラムで起動が可能。

     

  • パラス・アテネ

    • Height27.4 m
    • Weight91.5 t
    • Pilotレコア・ロンド

    型式番号:PMX-001

    パプテマス・シロッコが設計・試作し、ジュピトリス艦内で2番目に開発した超重攻撃型MS。ボリノーク・サマーン、ジ・Oの3機で「チーム」として運用する構想のもとに、それぞれの機能を分化した設計がなされている。本機はおもに火力を重視した設計となっており、編隊から突出して対艦攻撃をおこなうことも想定されている。しかし、大量の武装を運用するために基礎フレームは大型化し、運動性や機動性の低下を招き、MS同士の近接戦闘には向いていない。なお、フル装備の状態は「フル・アーマー」とも呼ばれる。

    当初はシロッコの2番目の専用機として開発されるが、ジ・Oが完成したあとはそちらに乗り換えている。

  • ボリノーク・サマーン

    • Height19.9 m
    • Weight56.2 t
    • Pilotサラ・ザビアロフ

    型式番号:PMX-002

    パラス・アテネと同じくジュピトリス製の機体で、バックパックの大推力高機動スラスターや安定度の高い脚部からシロッコの趣向が垣間見える。重MSに分類されることもある。

    索敵・哨戒・情報収集を目的とした試作機であり、その能力に優れる。頭部にさまざまなセンサー機器類を内蔵するレドーム、左前腕部にレーザー・センサーを装備している。また、機体全体に帯磁シールドがほどこされており、高度なステルス性を発揮する。搭載されているコンピューター・システムは大型システム並みの情報処理能力をもっており、センサーからの情報をリアルタイムで解析し、ジ・Oやパラス・アテネにレーザー通信で送信する。また、前線の情報を司令部に常時送信し、的確な戦況判断を可能にするのも本機の主任務である。機体自体の性能に特筆すべき点はないが、これはセンサー系のノイズを軽減するために機体の出力を制限しているからである。武装は、自衛用に近接戦闘用のものを装備する。

     

  • ジ・O

    • Height28.4 m
    • Weight86.3 t
    • Pilotパプテマス・シロッコ

    型式番号:PMX-003

    シロッコがエゥーゴやアクシズとの最終決戦に臨むべく、巨大輸送船ジュピトリスの工廠にて設計・開発したPMXシリーズMSの4番目の機体。重MSに位置付けられる。

    シロッコ自身の専用機として開発されたワンオフのMSであり、管制システムには独自開発の機器「バイオセンサー」が導入されている。これはZガンダムなどに搭載されたアナハイム・エレクトロニクス (AE) 社製のバイオセンサーと同名であるが、開発経緯はまったく異なっており、似て非なるものとされる。

    ビット兵器に代表される遠隔誘導端末の制御機能を有してはいないが、感応波の増幅並びに追従性能向上に対する効果は大きく、機体制御の補佐システムとして優秀な性能を有している。なお、シロッコがコックピット内でもノーマルスーツを着用しないのは、本機のインターフェイスを完全に稼働させるためである。

    頭頂部にはマルチプルライトプロジェクターを装備する。『劇場版 機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛』では、ミノフスキー粒子の影響を受けずに十字状の可視光線を照射している。

    機体背部には加速用のスラスターを持ち、モビルアーマー (MA) を凌駕する推力をもたらす。さらに全身の装甲上には50基もの姿勢制御用スラスターが配されており、機体の運動性は高い。各スラスターはあらゆるベクトルに対応しており、MSよりもMAに近い特性を持つ。本機のボディユニットは、これらのスラスターとプロペラントタンクの集合体で構成されている。

    本機はMS1機を凌駕する大出力のジェネレーターと強固な装甲を持ち、空間戦闘用に特化されているうえ、脚部や各部の装甲は一般的なMSのそれとは構造が大きく異なり、スラスターとカウンターウェイトの機能を統合した複合的な機動ユニットとして設計されている。脚部モジュールは1G環境における歩行脚としての機能も有するが、スラスターや装甲の特性からランディングギアとしての意味合いが強い。

    武装面ではビーム・ライフルおよびビーム・ソードを携行するのみであり、グリプス戦役末期のMSとしては比較的簡素な仕様となっている。これらの武装をより有効に活用すべく、通常の腕以外に独立したサブ・マニピュレーター(隠し腕)を腰部フロントスカートに内蔵する。通常のマニピュレーターと同様のエネルギーサプライシステムを持ち、武装の携行とビーム・ソードのドライブが可能。

    機体名は神の意思を表す。

     

  • 百式改

    • Height19.2 m
    • Weight39.2 t
    • Pilotシャア・アズナブル

    型式番号:MSR-100S / MSR-00100S
    MSR-100
    MSN-100S

    時代の推移に併せて現行のMSを強化するという、エゥーゴの新たなMS開発計画のひとつ。百式はその名称が示すとおり数十年は現役に耐えうるMSであり、再設計は比較的容易であったという。軽量化と推力増強に主眼が置かれ、腕部装甲を大幅に省略しているが、プロペラントを増量したために全備重量はむしろ増えている。しかし、Ζガンダムのロングテール・バーニア・スタビライザーを発展させた増加モーメント型高移動バーニア・スタビライザー(高機動デバイス)を2基装備したバックパックを採用しており、運動性・機動性の向上が見込まれている。また、バックパックには後方警戒用センサーが内蔵され、センサー機能を拡大している。フレームには量産向けの改良がほどこされ、脚部アクチュエーターのサスペンション機構も改修されている。

    頭部のバルカン砲に代わってパルス・レーザー砲が採用されており、後部にそのユニットが配置されているため後頭部が後方に延伸されているのが特徴である。また、同時開発中の各種兵装に併せて、両肩上面にハードポイントが設けられている。前腕部にはΖガンダム同様、多目的ランチャー・ユニット(おもにグレネード・ランチャーとして使用)を装備。ビーム・ライフルおよびビーム・サーベルは百式と同じものを使用する。塗装は百式同様金色を基調とし、両肩には「百改」の漢字(「改」はやや小さい)が記されている。

    型式番号は当初の設定ではMSR-100Sであるが、ほかにMSR-00100SやMSN-100Sといったものも見られる。また、フィギュア『ガンダムフィックスフィギュレーション』や、『GGENERATION』シリーズなどのゲームでは量産型百式改と区別するためにMSR-100とされることも多い。なお、MSRナンバーはナガノ博士が外れたあとのチームが開発した機体をあらわすとされる。

  • フルアーマー百式改

    • Height18.5 m
    • Weight39.2 t
    • Pilotエンライト クリフ・フレミング, パトリシア・クランストン(サブ), マーティン・マータフ

    型式番号:FA-100S

    百式改の武装・装甲強化案として提出されたプラン。軽量化が図られた百式改をベースとして全身に増加装甲と武装が追加されている。増加した重量に対して推力の強化が追いついておらず、機動性・運動性が低下していると指摘する媒体もあるが、その一方で高機動型のモビルアーマーであるビグロに対して先回りするといった機動性に優れた描写をされることがある。

    肩口の装甲板の裏側はリフレクター・パネルになっており、前方に倒して胸部にIフィールドを発生させ、コックピット周辺を防御することが可能。バックパックの2門のビーム・キャノンは、この状態で砲身を伸長させて前方に展開する。前腕部甲の炸裂ボルトは、近接戦闘時にショットガンのように榴弾を浴びせるものだが、威力は低くカメラや関節部にしか効果はないとされる。また、増設ユニットの強制排除用の装備を攻撃手段として応用したと記述する資料もある。炸裂ボルトの機構については設定資料による解説がされておらず、各媒体へ登場する際は攻撃時にマニピュレーターを覆うようにユニットが展開したり、裏拳で叩きつけて攻撃するといった描写がされている。胸部中央にはメガ粒子砲が内蔵され、本機が登場する漫画『シークレットフォーミュラー フルアーマー百式改』では、メガ粒子砲を一度発射すると出力が極端に低下して身動きが取れなくなるとテストパイロットが言及するシーンがある。また本機が紹介されて間もない時期に一度「ハイメガキャノン」と表記されたことがあり、その後の媒体においても「ハイ・メガ・キャノン相当」と説明されることがある。腰部側面と大腿部外側にそれぞれ2連装のミサイル・ポッドを装備。携行武装として、大型のロング・メガ・バスターが開発されている。

    塗装は本体同様金色を基調とし、左装甲板に「百改」と記されている。当時は大型可変MSが全盛であったため、量産されずに終わる。

     

  • ΖII

    • Height18.3 m
    • Weight31.1 t
    • Pilotケイ・キリシマ, トラヴィス・カークランド

    型式番号:MSZ-008

    Ζガンダムの発展型で、先行して開発されていたメタスの構造を取り入れて変形機構を単純化し、生産性と操縦性を向上させている。

    MA形態は大気圏突入ができず、大気圏内での飛行能力ももたないが、Ζガンダムにちなんで便宜上「ウェイブライダー (WR)」形態と呼ばれることが多い。宇宙戦闘機としては優秀であり、加速性能は当時のMSを凌駕する。

    スペック的に同時期のMSと比較しても遜色なく、コスト・パフォーマンスも高く評価され、量産化に対する問題も少なかったため生産寸前までこぎ着ける。しかし、当時のエゥーゴの財政は逼迫しており、ΖΖガンダムの開発が優先されたため、一時的に廃案となる。しかし、第一次ネオ・ジオン抗争中期にエゥーゴ参謀本部の開戦派によって少数が生産されている。塗装は白・青・赤のトリコロールを基調とするが、ほかのガンダム・タイプより青の部分が多い。

    頭部はΖ系のものとなっているが、ロールアウト当初はカメラアイ間に保護パーツがあり、バルカン砲は装備されていない。マスタッシュ配備機は、カメラアイ間に保護パーツがなくバルカン砲がある頭部に変更されたといわれる。

    その後、宇宙世紀0095年に本機のコンセプトが流用され、可変式量産型MSリゼルとして地球連邦軍で採用されるに至っている。

     

  • フルアーマーガンダムMk-II

    • Height18.5 m
    • Weight53.2 t
    • Pilot--

    型式番号:FA-178

    AE社がMSの自社製強化パーツ開発計画の一環として、Gディフェンサー、Dディフェンサーとともに開発した装備。装甲にガンダリウム合金を用いておらず防御力の脆弱性を指摘されていたガンダムMk-IIにガンダリウム合金製の追加装甲FXA-03を装着し、火力と装甲を強化する案。スラスター増設による推力向上が重量増加をカバーできるほどではなく、早くから機動性の低下を指摘されていた。結局、Gディフェンサーによる強化案(スーパーガンダム)が採用され、本機のプランは実現しなかった。

  • Gundam Mk-IIIガンダムMk-III

    • Height22 m
    • Weight32.1 t
    • Pilot--

    型式番号:MSF-007

    次世代MSの試案として、エゥーゴがティターンズから強奪したガンダムMk-IIを、アナハイム・エレクトロニクス社のフジタ博士が研究した結果、開発された機体である。型式番号の"F"は、フジタ博士の頭文字である。

    ガンダムMk-IIのムーバブルフレームの技術はΖ計画に大きな影響をもたらしたが、欠点として構造上の複雑さと機体強度の低さが挙げられた。それに対し、ムーバブルフレームの単純化による機体構造の強化や関節部の改修により、人体に近い運動性を実現した。これにはガンダリウムγをはじめとするアナハイムの材料工学部門なども総動員され、武装や装甲などは機体自体の構造からほぼ完全に独立しており、非常に稼働効率の高い機体として完成している。逆に、脚部のスラスターやバックパックなどは構造的に完璧なオプションとして設計されており、機体強度の限界までスペックが引き上げられている。これはアナハイムが有していたブロック・ビルドアップと、入手したムーバブルフレームを抜本的に融合させた結果である。そのため、ガンダムMk-IIIはバックパックやリアスカートに設置可能なサイズならば、完全にオーバースペックのユニットを装着しても対応可能なキャパシティを有している。