Follow Us

バウンド・ドック

バウンド・ドック

型式番号:NRX-055

地球連邦軍が、ニュータイプ研究所の協力のもとに開発した試作可変MA。もともとは、ニュータイプ研究所本部が旧ジオン公国軍のグラブロやジオングを参考に開発を進めていた機体である。のちにティターンズの主導により、バスク・オム大佐によって編成されたニュータイプ部隊(実質的には強化人間部隊)へ供給すべく、オークランド研究所を主管としてサイコミュ関連の技術協力をオーガスタ研究所やムラサメ研究所がおこなっているほか、設計にはガブスレイの開発に参画した技術陣が招聘されている。

基本的には格闘戦に特化した機体であり、MS形態では右手に、MA形態では1対の強力なクローをもち、ガブスレイのように高速で移動しながらの格闘が可能となっている。また、MA形態には外殻、MS形態時には腰部スカートとなる厚い装甲により、攻防一体の万能機としての活躍が期待され、曲面で構成されていることから耐弾性の向上や慣性モーメントの低減も実現している。ドラム・フレームが採用されたアッシマーと異なり、本格的にムーバブルフレームが採用された可変MAであり、変形はほかの可変MS・MAと同様、マグネットコーティングによって非常にスムーズにおこなわれる。スラスターの分散配置を切り捨て、MS・MA両形態の推力をメイン・スラスターでまかなう構造となっており、特にMA形態の加速性は圧倒的とされ、コロニー内部や重力下での飛行も可能である。なお、本機は地上・空中・宇宙戦に対応する全領域機として設計されている。

コックピット・ハッチはMS形態では胸部中央、MA形態では機体下面(MS形態では股間部に当たる)に設置されているが、コックピットの位置は不明。

ニュータイプ(もしくは強化人間)の思考をダイレクトに伝えることを目的に、サイコミュ・システムを機体制御の根幹に据えた結果、高い機体追従性を獲得し、実験機ながら実戦に耐えうる性能を発揮している。オーガスタ研究所によって設置・調整がおこなわれた、サイコガンダムと同様のサイコミュ・システムを搭載しているが、精神的な負担を軽減するため、最新型のプロセッサ技術によって容積を数分の1に縮小しつつ処理速度を2倍以上に引き上げた改良型を採用。これにより、本機のMS形態はサイコガンダムよりも小型となっているが、通常のMSよりは大型であり、その機体サイズからくる鈍重さを大出力で補うという非効率な解決方法を採っている。本機のサイコミュは比較的パイロットへの負担が少なく設定されており、ニュータイプ能力が低いパイロットでも稼働が可能となっている。そのため、ビットやファンネルといった誘導兵器は稼働できないものの、思考コントロールが可能な操縦システムは、ニュータイプ能力があれば凡庸なパイロットでもエース級に引き上げる効果をもつ。一方で、パイロットの意識を本機が発するサイコ・ウェーブで拘束し、戦闘衝動を発生させる機能も備えており、高い戦闘力が発揮できる反面パイロットの精神的負担は大きくなる。また、サイコガンダム(2号機)と同様のサイコ・コントロール・システムを搭載し、機外からの遠隔操縦が可能となっており、その機能は改善されたといわれるもののこれを含む本機の全性能を発揮させるためには、強力なニュータイプ能力と強化人間クラスの強靭な肉体が必要とされる。システム上の問題はいくつか見られるが、本機自体は当時の連邦軍のサイコミュ技術の粋を集めた機体である。

また、本機は急遽サイコガンダムMk-IIのサポート機としても充当されている。サイコガンダムMk-IIのサイコミュはパイロットへの負担がかなり大きく、精神を破壊しかねないものであることから、本機に比較的精神の安定した強化人間が搭乗し、サイコガンダムMk-IIのパイロットの精神状態を制御する方法が採られ、テストでは数時間の間トラブルもなく正常に機能している。

実験機であるものの、カラーリングと型式番号の末尾が異なる3機が製造され、後発機のデータ収集に活用されている。

 

関連機体