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機体リスト
機動戦士ムーンガンダム

共收録 25 台の機体。
  • ムーンガンダム

    • Height21.7 m
    • Pilotユッタ・カーシム

    型式番号:AMS-123X-X

    バルギル(ガンダム・ヘッド搭載型)に、ムーン・ムーンへ漂着したG-ドアーズの頭部とサイコミュ・ユニット「サイコプレート」を組み込んだ改修機。パイロットはムーン・ムーン出身の少年、ユッタ・カーシム。

    本機の最大の特徴は、背面に装備された三日月型の装備「サイコプレート」。このプレートには、研究段階にあったサイコフレームが組み込まれており、パイロットの感応波を機体操作に反映する受信装置として機能するだけでなく、オールレンジ攻撃用の兵装としても自在に運用可能である。

    全体で16枚のうち8枚は戦闘によって破損しており、残された8枚が欠けた月のようなシルエットを形成し、機体の外観にも独特な印象を与えている。

    当初はバルギルとG-ドアーズ、それぞれのオリジナル機体色を保っていたが、リュースの意向によって地球連邦軍への心理的影響を狙い、第23話にて赤・白・青のトリコロールカラーに塗り替えられた。

    また、後頭部に見られるアンテナらしき構造や、縦に走る緑のラインなど、従来のガンダムとは一線を画す特徴的なデザインが施されている。

    運用当初は、ゲム・カモフのように偽装的な使い方も想定されており、第24話では所属を偽るためにこの機体が活用されている。

  • バルギル

    • Height20.9 m
    • Weight57.6 t
    • Pilotアゴス・ラガート

    型式番号:AMS-123X

    ネオ・ジオン再蜂起を見据えて開発された、指揮官用の次世代ニュータイプ専用機。ムーンガンダムの原型機にあたり、ヤクト・ドーガと同時期に設計されたことで、のちのサザビーへとつながるプロトタイプとも見なされている。パイロットは、偽装貨物船「アタラント3」に所属するニュータイプ研究所出身の強化人間、アゴス・ラガート。

    機体色はパープルで、全体的にサザビーを細身かつ直線的にしたようなシルエットをしている。

    ジェネレーターはギラ・ドーガの約1.5倍に強化されており、装甲にはガンダリウム合金を採用。多数のスラスターを機体各所に配置しつつ、軽量化を図ることで高い機動性能を実現し、他の実験機を凌駕する運動性能を誇る。

    ただし、サイコミュ・システムについてはサイコ・フレームを搭載したヤクト・ドーガに及ばず、安定性の面で問題を抱えていたことから、試作段階では「失敗作」との評価も受けていた。なお、アタラント3所属機では次世代サイコミュ技術が取り外されており、操縦席やファンネルは従来型のサイコミュ式に換装されている。

  • サイコ・ガンダムMk-IV G-ドアーズ

    • Height19.3 m
    • Weight57.4 t
    • Pilot--

    型式番号:MRX-013-3

    ティターンズ残党が保有していたサイコガンダムMk-IVのうちの3号機で、本作冒頭においてアムロ・レイのリック・ディジェとの戦闘で撃破される。その後、残骸となった頭部とサイコプレートは、ムーン・ムーンで発生する騒乱のきっかけとなる。

    頭部は破壊された後もサイコミュ・システムが機能しており、後にバルギルと接続された際、同機のサイコミュを上書きして制御を乗っ取る力を示す。

    サイコプレートの正体は、シャアが偽名でティターンズに提供した技術「サイコフレーム」であり、機体のサイコミュ能力の強化、攻撃、防御を一手に担う高機能ユニットとなっている。さらに、通常であればニュータイプ同士にしか発生しない「共鳴」現象を、特別な能力を持たない人間にも引き起こすという異質な性質を持っている。

  • ジムIIIパワードFA〈ブルドック〉

    • Height18.8 m
    • Weight77.1 t
    • Pilotウバルド・モリーナ

    型式番号:RGM-86RF・FA

    FSWS計画の流れを汲む、重装甲・重火力を目的とした強化パーツを装着したジムIIIの形態で、「FA」は「フルアーマー」の略称。このデザインは形部一平によって手がけられている。

    本装備は「ラー・ギルス」の最終兵器として位置づけられており、これを装着したウバルド機は、その重厚な外観から「ブルドック」の愛称で呼ばれている。なお、FAユニット自体はすべてのジムIIIに対応する汎用装備となっている。

    対実弾装甲は、ビーム兵器が主流となったグリプス戦役以降、一時的に開発が停滞したものの、対ビーム・コーティング技術の進化により再び注目されるようになった。しかし、戦力比とコスト効率の面から、ジムIIIを2機製造するほうが効果的と判断され、FAユニットの生産数は限られている。

    フルアーマーガンダムの思想を踏襲しつつも、本装備は「防御」よりも「押し負けない強さ」に主眼を置いており、各所にエネルギーパックやプロペラントタンクを追加することで高出力と高機動性を実現。コックピットハッチには増加装甲を装備していないが、周囲装甲の角度を工夫することで直撃を回避できる設計がなされており、結果的に脱出率の向上が図られている。

    頭部にはセンサーを跳弾から守るためのマスクが追加され、背部上段にあったサーベル・ラックは、Eパックやプロペラント・タンク、スラスターによる複合装備に換装されている。

    武装は、右前腕に装着されたシールド兼用のダブル・ビーム・ライフル、背部のビームサーベルに代わって左腕に固定されたダブル・ビーム・サーベル、背部右側のビーム・キャノン、左肩上段・両胸上段・両膝に内蔵された多数のミサイル、さらに両腰には3連装のグレネードが装備されている。

  • リック・ディジェ

    • Height24 m
    • Weight56.7 t
    • Pilotアムロ・レイ

    型式番号:MSK-008R

    宇宙世紀0092年を舞台とする漫画『機動戦士ムーンガンダム』に登場する機体で、メカニックデザインは形部一平が担当。

    本機は、地球連邦軍外郭部隊「ロンド・ベル」に編入された当初のアムロ・レイの搭乗機。ジェガンがまだ配備されていなかったため、ジムIIIではアムロの操縦技量を十分に活かせないと判断され、特別に用意された機体である。ただし、アムロを警戒する連邦内の政治的配慮から、最新鋭のガンダムタイプの提供は避けられ、カラバ時代に彼が搭乗していたディジェを改修する案が採用された。

    機体カラーは、アムロがかつてカラバ第18TFAS所属時に使用したΖプラスA1型の試作仕様機を意識し、朱色とグレーのツートンカラーに塗装されている。改修では、宇宙戦を重視した調整が施されており、リック・ディアス由来の背部バインダーやスラスターの換装、放熱フィンの材質変更などが行われている。コックピット構造も変更されており、従来の側頭部からの乗降方式ではなく、頭部を後方へスライドさせて胸部上面のハッチから乗り込む方式が採用されている。

    武装は、基本的に従来のディジェと同様だが、追加装備として左肩に4発のグレネードを懸架可能なシールド、そしてグリプス戦役時代に使用された高出力対艦ビーム砲「ハイパー・メガ・ランチャー」を装備。また、コックピット構造の変更に伴い、後頭部にはバルカン用の大型弾倉が取り付けられている。

    なお、ルオ商会に所属する同型機はダークグレーを基調としたカラーリングとなっており、頭部のフェイスマスクはより従来のディジェに近い形状をしている。

  • リック・ディジェ改

    • Height23 m
    • Weight70 t
    • Pilotアムロ・レイ

    型式番号:MSK-008R

    G-ドアーズとの戦闘で受けた損傷を修復する際に、同時に改修が施された機体。補修に必要な予算や純正パーツが不足していたため、一部の装甲や駆動系にはジェダのパーツが流用されている。機体色は白とグレーに塗り替えられ、「ガンダムらしさ」がより際立つ外観となった。

    失われた両肩のシールド付きショルダーアーマーは、ジェダと同規格のものに換装されており、その影響で被弾率は20%上昇したものの、腕部の反応速度はおよそ15%向上している。また、ラー・ザイムへの配備が決定するまでの間にも、現地での様々な改修が施され続けていた。

    武装面では、低下した防御力を補うためにジムIII用の大型シールドを追加装備。この装備は、アムロがガンダムに搭乗していた頃から馴染み深いものであり、敵機への投擲といった防御以外の用途でも有効に活用されている。

  • シータプラス

    • Height21.5 m
    • Weight70.4 t
    • Pilotサフィラ・ガードナー

    型式番号:MSZ-010A1

    θプロジェクトによって開発された各系列機の要素を統合し、プロジェクトの集大成として再設計されたモビルスーツ。パイロットは、ラサ司令部の意向で地球連邦軍外郭部隊「ロンド・ベル」に配属された女性士官、サフィラ・ガードナー中尉が務める。

    本機はムーバブルフレーム構造を活かした換装機構を採用しており、ZZ-GRを上回る性能と整備性を兼ね備えると同時に、多様な任務への対応を可能とする高い汎用性を実現。系列機譲りの高火力も健在で、単機で一個中隊に匹敵する戦力を発揮する。

    バックパックにはθ系列中で最大推力を持つメインスラスターを搭載し、機体は前進翼型のGフォートレス形態に変形可能。この形態ではウェイブライダー級の高機動性能を発揮し、宇宙・大気圏内を問わず優れた運動性能を見せる。

    頭部カメラ・アイはジム系列機のようなゴーグル型を採用しているが、顎を引いた状態ではゴーグルの左右がつながった上部が隠れるため、外見上はツインアイのように見える描写も見られる。

    作中ではシュランゲ隊との戦闘でこれを撃退するものの、戦闘による損傷の影響で一時的に放棄される。その後、ムーン・ムーンの離反者たちによってジャンクパーツを流用し、機体の修復が試みられることとなる。

  • ジムIII・パワード

    • Height18.6 m
    • Weight64.6 t
    • Pilotウバルド・モリーナ

    型式番号:RGM-86RF

    地球連邦軍外郭部隊「ロンド・ベル」所属のクラップ級巡洋艦「ラー・ギルス」に配備された、ベテランパイロット用に改造された特別仕様の機体。パイロットはラー・ギルスMS部隊の隊長であるウバルド・モリーナが務め、「P(パパ)001」のコールサインで呼ばれている。

    この機体は無重力空間での白兵戦を主眼に調整されており、頭部には複合センサーを内蔵した耐弾仕様のバイザーユニットを装備。胴体部には耐ビームコーティングが施された増加装甲、両肩には強化型のショルダースラスターを搭載している。これらのカスタマイズにより上半身のボリュームが大きくなったことから、「パワード」の名称が与えられた。

    機体のカラーリングは、初代ジムをイメージしたグレーと赤のツートンカラー。モリーナの部下である4人のパイロットが搭乗するジムIIIはこの配色を基調としつつ、左肩部が各パイロットごとのパーソナルカラーで塗り分けられている。

  • ラー・ギルス

    • Pilotラウロ・バチーク

    地球連邦軍外郭部隊ロンド・ベルに所属するクラップ級巡洋艦。艦体はグレーと白のツートンカラーで塗装されており、ジムIII・パワードやシータプラスといったモビルスーツを搭載している。多様な戦力を運用する母艦として、ロンド・ベルの作戦行動を支える重要な艦艇のひとつである。

  • ジェダ

    • Height21.8 m
    • Weight50.8 t
    • Pilotジョー・セイ, オルヤン・ブロムクフィト

    型式番号:RGM-88X

    第一次ネオ・ジオン抗争時にアナハイム・エレクトロニクス社が中心となって企画され、開発も連邦軍からの委託により同社が担当した機体。当初はジムIIIの成功を踏まえ、バックパックをはじめ各部にガンダムMk-IIのパーツや技術を取り入れた試作機(RGM-88X)が6機製造された。

    しかし、連邦軍の予算削減によってさらなるコストダウンが求められ、計画途中からはこの機体をベースとしたマイナーバージョンの製造に切り替えられることとなった。

    試作された6機のうち、1機はテスト中に大破し、2機は解体処分された。残りの3機はロンド・ベル隊に試験的に配備されている。

    主な武装には、ガンダムMk-IIのXBR-M87Dと同等の性能を持つ複合センサー搭載型ビーム・ライフル、そしてMk-IIのスライド伸縮式シールドを発展させた、先端に打突用の硬質素材を採用した新型シールドが装備されている。

  • リガズィード

    • Height24.5 m
    • Weight60.7 t
    • Pilotサフィラ・ガードナー

    型式番号:RGZ-91X

    リ・ガズィの制式採用モデルを選定する過程で生まれた試作機のひとつ。のちに正式採用された量産型と比べて高コストだったため制式化は見送られたが、設計に携わったアムロ・レイの強い希望により、1機のみが試作された。アムロはこの機体をリ・ガズィの理想形(アイディアル)と位置付け、それにちなみ「リガズィード(Re-GZID)」と命名している。

    本機は、辺境コロニー「ムーン・ムーン」周辺で発生したロンド・ベルとネオ・ジオン過激派(ザビ派)との戦闘において、搭乗機を失ったサフィラ・ガードナー中尉に託される。

    他のリ・ガズィ系列機と同様にBWS(バック・ウェポン・システム)の着脱機構を備えており、装備の換装によって完全可変型にも半可変型にも切り替えが可能。サフィラが搭乗した際には、ウェイブシューターに変形可能なフライングアーマーユニットが装着されていた。機体各部にはジェガンのパーツが、またフライングアーマーの一部にはΖガンダムのオリジナルパーツも使用されている。

    武装は、頭部60ミリバルカン、胸部90ミリガトリングガン、腕部および腰部のグレネード・ランチャー、ビームサーベル、シールドに加え、長射程のビーム・スマートガン(メガ粒子偏向器と各種センサー内蔵)を装備。さらに両すね前面には円筒状のダミーバルーン射出機を備え、加えてサフィラが使用していたシータプラスのハイパー・メガ・カノンを一部改造のうえで搭載している。

  • ジェダ(アムロ・レイ大尉機)

    • Height21.8 m
    • Weight55.8 t
    • Pilotアムロ・レイ

    アムロ・レイがラー・ギルス救援時の戦闘でリック・ディジェ改を失った後に搭乗する、ジェダの3番機。通常仕様のジェダに比べて紺や黄色が加えられた機体色となっており、全体的により「ガンダム的」な印象を与える外観に仕上がっている。

    頭部右側には指揮官機用のアンテナを装備。胸部には武装の増設ラックを兼ねたプレート状の増加装甲が追加されており、同時にスラスター機能も持たせてある。これにより、アムロ特有の「攻撃を受けに行くように見せかけながら回避する」という戦闘スタイルに対応した、急速な離脱機動や装備切り離しによる反撃が可能となっている。

    さらに、胸部の増設ラックは肩部の増設ラックと組み合わせることで、より大型の装備を搭載する拡張性も想定されていたが、ジェガンの配備が進んだことによりジェダ自体の開発計画は縮小され、これらの追加装備が実際に採用された記録は残されていない。

  • ジェダキャノン〈ジェダブル〉

    • Height22.5 m
    • Pilotウバルド・モリーナ

    型式番号:RGC-90XC

    ジェダをベースに開発された中距離支援用モビルスーツで、MS開発初期から続くキャノンタイプMSの系譜に連なる機体。ジム・キャノンIIやジムIIIパワードFA〈ブルドック〉の設計思想を受け継いでおり、「ジェダブル」という名称は「ジェダキャノン・ブルドック」の略称で、ラー・ギルスMS部隊の隊長であるウバルド・モリーナが、自ら命名したもの。これは彼がかつてジムIIIパワードFAに搭乗していたことにも由来している。

    ジェダ自体には各所にアタッチメント用のハードポイントが設けられており、「キャノンタイプに改造する」というよりは、「キャノン用装備を追加する・装着する」という、フルアーマーに近い発想の拡張がなされている。

    頭部には背部キャノンの放熱からセンサーを守るためのマスクが追加され、胸部ハードポイントには増設装甲、前面スカートには装備バランスを調整するスラスターアーマーが取り付けられている。

    主な武装としては、バックパックのサーベルラックを廃して新たに搭載されたビーム・キャノン2門、キャノンの可動域を確保するために両肩に設置された6連装のショルダーミサイルポッド、そして前腕部左右のショートシールド裏にそれぞれ追加されたハイパー・ビーム・サーベルとダブル・ビーム・ライフルが装備されている。

  • アルス・ジャジャ

    • Height23.55 m
    • Weight82.8 t
    • Pilotオルボ・マルシェフ

    型式番号:AMX-104L

    ミノフスキー粒子が散布された環境下での前哨射撃戦に対応するよう改修された機体で、パイロットはアタラント3所属MS部隊「チームデルタ」の隊長、オルボ・マルシェフが務める。

    頭部にはトサカ状の高感度センサーが追加され、左肩にはEWAC(早期警戒管制)機能を備えたレドームポッドを装備。これにはレーザー、超音波、光学センサーなど複数の観測・偵察機能が搭載されており、従来の白兵戦能力に加えて、狙撃機および指揮官機としての機能も兼ね備えるオールラウンドな仕様となっている。

    専用武装としては、超長射程の狙撃用大型ビーム・ライフルを装備。連続使用には適していないが、レドームポッドと連動した高精度スコープセンサーと、銃身周囲に配置された小型スラスター3基による照準補正機構によって、極めて高い射撃精度を実現している。

    また、左腰に装備されていた鞘付きビーム・サーベルは撤去され、代わりにグレネード・ランチャー3基が設置されている。近接戦用のビームサーベルは、前腕部に細身のものを片腕2基ずつ、合計4基装備しており、継戦能力を高める設計となっている。なお、バリアブル・シールドに設けられていたウェポンラックは撤去されている。

  • ガズアル・グラウ / ガズエル・グラウ

    • Height19 m
    • Weight80.8 t
    • Pilotアンスガル・ゴロン, クラース・バッケル

    型式番号:AMX-117RG(ガズアル・グラウ)、AMX-117LG(ガズエル・グラウ)

    第一次ネオ・ジオン抗争において、本来のパイロットを失ったガズアルおよびガズエルを基に改修された機体。かつての親衛隊機としての装飾はすべて撤去され、機体色もグレーに再塗装されたことから、ドイツ語で「灰色」を意味する「グラウ」の愛称で呼ばれるようになる。

    この機体は、ネオ・ジオン初代総帥の警護任務にあたるため、アタラント3に配備されており、パイロットは親衛隊ではなく、アンスガル・ゴロンとクラース・バッケルが務めている。配備後も戦闘を重ねる中で現地改修が進められ、従来とは異なる運用法が模索されていった。

    独自の武装として、肩部のスパイクに代わって六連装の特殊ミサイルポッドが装備されている。このポッドの側面には索敵用のモノアイが搭載されており、ミサイルにはIC制御によって時間差で起動する弾頭が採用されている。

    また、大型ビーム・サーベルは射撃機能を廃する代わりに、2基を連結することで双刀のビーム・ナギナタとして使用可能な構造となっている。

    ロンド・ベルとの小競り合いの最中、同じネオ・ジオン側のシュランゲ隊が暴走した影響で、2機とも中破。最終的に両機の残存パーツを組み合わせる形で、「ガズ・グラウBB」として再構築される。

  • メドゥッサ

    • Height24.1 m
    • Pilotガット, レフィ, マース

    型式番号:AMA-103

    ハンマ・ハンマやラジャスタンの開発データを活用して設計された、準サイコミュ搭載型のモビルアーマー(MA)。連邦系技術を排除したいとするジオン派の意向を受け、純粋なジオン系技術のみで構成され、エースパイロット専用機として開発された。機体は濃淡の赤で塗装された3機が存在し、いずれもシュランゲ隊に配備。搭乗者はガット大尉、レフィ中尉、マース中尉の3名。

    機体は各スラスターの改良に加え、2基のジェネレーターを搭載することで、ビーム兵器の出力不足というハンマ・ハンマの欠点を克服。高機動戦闘時には、ハンマ・ハンマに類似したMS形態へと変形し、火力に優れたMA形態と使い分けることで性能を最大限に発揮する。MS形態は重力下での二足歩行には対応していないものの、ホバリングによる高速移動が可能。

    この機体は高い性能を持つ反面、パイロットに求められる技量も非常に高く、専用のノーマルスーツが用意されている。

    主な武装は以下の通り:

    • 改良型の3連ビーム砲内蔵有線アーム4基

    • 拡散メガ粒子砲とハイパー・メガ粒子砲に切り替え可能な「マルチプルメガ粒子砲」1門

    • 通常のメガ粒子砲1門

    • MS形態の胸部先端およびMA形態の機首先端に搭載されたIフィールド・ジェネレーター2基

    • 機首に内蔵された機雷散布ユニット(スペース・マイン)

    マルチプルメガ粒子砲はチャージに時間がかかり、MA形態でしか使用できないという制約があるが、有線アームによる陽動や逆噴射による離脱を併用することで効果的な運用が可能となっている。有線アームのクローは隕石への取り付きやドッキングベイの強制開放にも使用可能で、コロニー制圧戦に適している。

    Iフィールド・ジェネレーターは高い防御力を提供するが、大量のエネルギーを消費するため、MS形態の正面に瞬間的に展開される設計となっており、複数機による連携によってその防御効果を高めることも可能。

    この機体がハンマ・ハンマ系MSを裏返すような発想でMA形態に変形するというアイデアは、『ムーンガンダム』のストーリーを手がけた福井晴敏による提案から生まれたものである。

  • ダグ・ドール

    • Height21.5 m
    • Weight36.3 t
    • Pilotリュース・クランゲル

    型式番号:AMX-015-4S

    『ムーンガンダム』に登場する主要キャラクター、リュース・クランゲル少佐が搭乗する専用機。物語中では、主人公ユッタ・カーシムを仲間に引き入れようとするリュースの策略に基づき、ムーンガンダムと共闘したり敵対したりといった立場を取り、物語の展開に大きく関与する。

    機体は白を基調に、濃淡グレーの差し色が施された落ち着いた配色。ゲーマルクの系列機に位置づけられてはいるが、重火力とリレー・ファンネル・システムの搭載以外に顕著な共通点はなく、独自性の高いニュータイプ専用機となっている。

    背面には円盤状の大型バックパックを備えており、後頭部にはモノアイ3基とジェネレーターを内蔵。このバックパックが起立して頭部と合体することで、「マシン・ヘッド・モード」と呼ばれる特殊形態に変化する。この状態ではサイコミュの情報伝達および処理能力が約3倍に強化され、パイロットのニュータイプ能力が高くなくとも、多数の端末によるオールレンジ攻撃が可能となる。ただし、脳への負荷が非常に大きいため、3分以上の連続使用は推奨されていない。

    主な武装には、最大で全長58メートルまで伸びるビーム・ブレードを展開可能なロング・ビーム・ライフルがある。また、マシン・ヘッド・モード時には「ダグ・リーダー」と呼ばれる特殊攻撃が使用可能で、20基のファンネルによって形成される磁場空間によって敵を包囲・攻撃する。この装備は、アッザム・リーダーの発展型とされる。

    機体デザインは形部一平が手がけており、彼によるとマシン・ヘッド・モード変形前のデザインモチーフは「ヘッドホンとフードジャケットを着た少年」、変形後は「カネゴンのような怪獣・怪人」を意識しており、明確な二面性が表現されている。

  • 指揮官用ザクIV(イリア・パゾム機)

    • Height22 m
    • Weight98.1 t
    • Pilotイリア・パゾム

    型式番号:AMX-116S

    ネオ・ジオン過激派に所属したイリア・パゾム専用のカスタム機。機体カラーは黒とグレーを基調とし、胴体中央部および左腕全体が赤で塗装された印象的な配色となっている。

    腰背部のスカートアーマーは、スラスターを内蔵し空間での高機動性を発揮する装備「プリンセス装備」に換装されており、このパーツにはファンネル・コンテナとしての機能も備えられている。これにより一般機と比較して機体のボリュームは大幅に増している。

    本機に搭載されたファンネルは専用設計のもので、各ユニットに1門のビーム砲と、12発の小型クラスター・ミサイルを内蔵。計6基がコンテナ内に収納されており、遠隔攻撃による制圧力と柔軟な戦術運用を可能としている。

  • ザクIV

    • Height22 m
    • Weight75.3 t
    • Pilotネオ・ジオン過激派所属兵士

    型式番号:AMX-116

    ハマーン戦争時の次世代主力機選定においてドーベン・ウルフに敗北したザクIIIの課題を見直し、改良を加えた発展型モビルスーツ。従来のザク系と異なり、大量生産を前提とせず、基本性能に重きを置いた高性能機として設計されており、単機で多様な戦況に対応できるバランスタイプとなっている。

    原型機の高出力・重装甲・高汎用性といった特徴は継承しつつ、「テールオプション」と呼ばれる背部ユニットを換装することで、機体本体を改造せずにパイロットや任務に応じた仕様変更が可能。標準仕様の一般機は4基のスラスターを備えたノーマルタイプのリアスカートを装備し、背部中央に2本、左右のふくらはぎに1本ずつ計4本のプロペラント・タンクを搭載。これにより、高い加速性能と長時間の単独航行能力を実現している。

    本機は、シャア・アズナブル率いる新生ネオ・ジオンとは異なる勢力である、リュース・クランゲル少佐率いるネオ・ジオン過激派(ザビ派)の近衛隊に複数配備されている。一般兵用機体はジオン公国軍伝統のグリーンで塗装され、精鋭パイロット用には個別の専用カラーが施されている。

    武装は多彩で、頭部左右に内蔵されたビーム砲2門、右肩に装備された大型シールド(ウェポンラック機能付き)、2連ビーム・サーベルを内蔵した大型ヒート・ホーク、背部左右のラックに装着された小型ビーム・マシンガン2挺、長距離狙撃用のビーム・ライフル、そして両腰に搭載された、エッジ周囲にビーム刃を展開するビーム・ナックルダスター2基がある。これらにより、近接戦から中・長距離戦まで対応可能なオールラウンドな戦闘力を備えている。

  • ギガッザム

    • Height47.3 m
    • Pilotダニー, デル, デューン

    型式番号:AMA-X9

    『機動戦士ムーンガンダム』に登場する、宇宙世紀0092年を舞台とした巨大モビルアーマー(MA)。メカニックデザインは形部一平が担当しており、自ら「ビグ・ザムのような自走砲台としての利用価値を強調したかった」と語っている。背部にはα・アジールを意識したプロペラント・タンクが装備され、さらに福井晴敏による構想を基に、ビグロを意識した変形スタイルも取り入れられている。

    この機体はネオ・ジオン軍のグワーシャ艦隊に所属し、拠点制圧を目的としたニュータイプ対応型MAとして運用される。もともとハマーン戦争末期に複数の大型MAと共に構想されていたが、コア3沖海戦には間に合わず、実戦投入は後年となる。3つの頭部それぞれにコックピットを有し、強化処置を受けた「ジャムルの3D」隊のダニー、デル、デューンの3人が搭乗する。

    このMAは三形態への変形が可能で、以下のモードを持つ:

    • Aモード(格闘形態):二肢を前方へ突き出してアーム・ユニットとし、ビグロを彷彿とさせる高速突撃戦に対応。

    • Bモード(砲撃形態):二肢を垂直に降ろしてレッグ・ユニットとし、Iフィールドとビーム砲によって攻防一体のビグ・ザム型拠点制圧能力を発揮。

    • オールレンジ形態:二肢に内蔵された有線式クロウと、胴体上部から展開されるゴースト・ビットによるジオング風のオールレンジ攻撃が可能。

    主な武装は以下の通り:

    • 各頭部に内蔵されたメガ粒子砲(計3門)

    • 胴体中央に配置された高威力のハイ・メガ粒子砲1門

    • 胴体左右に4基設置されたIフィールド発生器

    • ゴースト・ビット6基(各パイロットで操作を分担)

    • 全身各部に配されたビーム砲(計24門)

    • 膝部に内蔵された4連装ミサイルポッド2基

    • 有線操作で射出されるビーム砲内蔵のファンネルクロウ2基

    • 各クロウの指から展開するビーム・クロウ(計6基)

    高火力・高防御・広域攻撃の三要素を統合した本機は、まさにネオ・ジオンの技術力の結晶といえる存在である。

  • ガザG

    • Height25 m
    • Weight80 t
    • Pilotリナート・リヒトほか

    型式番号:AMX-020

    宇宙世紀0092年を舞台とする漫画『機動戦士ムーンガンダム』に登場するモビルスーツ。作中登場に先駆けて、2020年に発行された書籍『機動戦士ガンダム 新訳MS大全集 U.C.0092-0169編』にて初めて紹介された。メカニックデザインは刑部一平が担当し、「リュース部隊の量産機はガザ系をベースに」というストーリー担当・福井晴敏の要望によって誕生した。

    従来のガザ・シリーズからコックピット構造が改良されており、新人兵士でも直感的に操作できるよう配慮された設計が特徴。MA形態では、重力下でも上部バインダーに僚機を積載することでサブフライトシステムとして機能するほか、爆撃機としての運用も可能。簡易量産型として開発されており、装甲は薄く小型ながらも、同時期の主力機に劣らぬ火力を備えている。

    既存のガザ系生産ラインを活用して製造されているため整備性も高く、需要に応じた増産も容易に行える点が大きな利点。カラーリングは濃淡のグリーンを基調としており、ジオン系MSの伝統を感じさせる外観となっている。

    本機は、シャア・アズナブル率いる新生ネオ・ジオンとは異なる派閥であるネオ・ジオン過激派(ザビ派)に所属するリュース艦隊の主力量産機として配備され、メドゥッサやギガッザムといった大型モビルアーマーと連携しつつ運用されている。

  • ガズ・グラウBB

    • Height19 m
    • Pilotクラース・バッケル

    型式番号:AMX-117LG

    ガズエル・グラウをベースに、ガズアル・グラウのパーツを流用して整備された急造機。左右非対称であった従来の仕様を排除し、左右対称のオリジナルガズタイプのスタイルに再構成されたうえで、グラウ仕様の改造パーツが組み込まれている。名称の「BB」は「ベスト・オブ・ボス」、すなわち「いいとこ取り」の略称とされている。

    パイロットはガズエル・グラウに搭乗していたクラース・バッケルがそのまま引き続き務めており、機体の扱いにおいても高い熟練度を発揮している。

    武装構成は改修前のものを基本的に踏襲しており、左右の肩と腕には六連装ミサイルポッドとショート・シールドをそれぞれ装備。急造機ながらも十分な戦闘力を維持している。

  • アッグジン

    • Height17.7 m
    • Weight145.8 t
    • Pilotアゴス・ラガート, クラース・バッケル, フアン・マハロフ

    型式番号:EMS-13

    一年戦争後期、公国軍では月面での戦闘を想定し、水陸両用機や陸戦用MSを転用した新型機の開発が急ピッチで進められていた。本機もその流れで誕生したとされるが、ガッシャのようなペズン計画には組み込まれていない。アッガイをベースに再設計された機体で、ステルス機能の有無は不明。形状はより球体に近づき、耐圧性と低視認性を意識したデザインとなっており、装甲は厚く、避弾経始にも優れている。腕部はアッガイに似た構造で、脚部は短く設計されている。

    本機は水中戦を主目的として開発されたが、月面戦にも対応できるよう各種改修が施されている。具体的には、アッガイ2機分の水冷式ジェネレーターを空冷式に変更することで、宇宙空間での運用とビーム兵器の使用が可能となっており、この技術は後にカプールなどネオ・ジオン系MSにも応用されている。ロールアウト時には背部にハイドロ・ジェットを2基装備していたが、のちに宇宙用のスラスター4基が追加され、推力はザクIIF2型に匹敵するレベルまで引き上げられた。質量対推力比は、ガザタイプよりも優れているとされる。なお、コックピットは背面に設けられている。

    武装は多岐にわたり、左右のクロー・アームにはメガ粒子砲と4連装ミサイル・ランチャー(いずれも既存機からの流用)が内蔵されている。さらに胴体には4門の拡散ビーム砲を搭載。これはゴッグからの技術を引き継いだもので、ビームの収束率が安定しない分、接近して4門を一斉射することで高い威力を発揮する。

    宇宙世紀0092年には、ネオ・ジオン過激派の偽装貨物船「アタラント3」に、予備機を含む3機が補充戦力として配備された。しかし、そのずんぐりとした外観は兵士たちに不評であり、「不細工な機体」と評された。だが、補給隊隊長フアン少佐は「ニュータイプが扱えば十分戦力になる」と評価している。

    機体そのもののスペックは決して高くはないが、アゴス・ラガートの卓越した操縦技術により、劇中では高い戦果を挙げる。特に閉所戦闘においては、その小柄で短い四肢を活かして天井や壁を自在に移動し、クローを用いた執拗な近接戦を展開する。アゴス機は、「血まみれになったクマのぬいぐるみ」や「ホラー映画に登場する、見た目はコミカルだが凶悪なキャラクター」のような存在感を持ち、彼の隠された狂気を象徴する機体としても描かれている。

  • サイコバウ

    • Height21.5 m
    • Pilotヤーヒム・ヤロミール, ベトラ・ゼルニケ, ギュネイ・ガス

    型式番号:AMX-107P

    ティターンズ残党によって製造されたサイコ・ガンダムMk-IV G-ドアーズのデータをもとに開発された、強化人間専用のモビルスーツ。パイロットにはニュータイプ研究所から選抜されたヤーヒム・ヤロミール大尉、ペトラ・ゼルニケ准尉、そしてのちにヤクト・ドーガのパイロットとなるギュネイ・ガス准尉が選ばれている。

    隊長機であるヤーヒムの機体は紫に塗装され、頭部にはアンテナ、襟元には専用の装飾が追加されている。その他の2機は、通常のバウと同様の緑系カラーで塗装されている。

    この機体は、G-ドアーズに搭載されていたサイコプレート・システムの実証機であり、理論上ではG-ドアーズの頭部とサイコプレートを組み込んだムーンガンダムに匹敵する性能を持つとされる。サイコプレートは背部中央に8枚が重ねて懸架され、戦闘時にはY字状に展開して機動・攻撃に使用される。

    バウ系列の特徴である分離変形機能も継承されており、分離後は上半身が「サイコバウ・アタッカー」、下半身が「サイコバウ・ナッター」としてそれぞれ機能する。

    なお、サイコプレートを除いた武装は、基本的に従来のバウと同様の構成となっている。

  • サザビー初期試験型(重力下仕様)

    • Height23 m
    • Pilotシャア・アズナブル

    型式番号:MSN-04X2

    漫画『機動戦士ムーンガンダム』に登場する、地球寒冷化作戦を前提としてテストされていたサザビーの試作仕様のひとつ。

    最終的に完成した量産型サザビーとは異なり、この機体ではギラ・ドーガ用のコックピットを複座式に改造したうえで腹部に仮設しており、頭部にはヤクト・ドーガの発展型デザインが採用されている。

    当初はヤクト・ドーガと同出力の、旧世代のジェネレーターが搭載されていたが、シャア・アズナブルの要求には届かず、最終的に特注の大型ジェネレーターに換装された。この高出力ジェネレーターを搭載するためには大きなスペースが必要となり、それに伴い胸部コックピットは頭部へと移設され、脱出ポッドとしての機能も備えるようになったことで、完成型サザビーの仕様に近づいていく。

    武装構成の大部分は完成型と共通しているが、手持ち火器としては長射程かつ高威力の単発攻撃に特化したロング・ライフルが装備されており、精密射撃にも対応できる設計となっている。