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機体リスト
新世紀エヴァンゲリオン

共收録 21 台の機体。
  • EVA 初号機

    • Height40 m
    • Weight700 t
    • Pilot碇シンジ

    EVA初号機は、リリスを基に製作された唯一の機体であり、EVAシリーズにおけるテストタイプでもある。搭乗者の命が危険にさらされると、たとえ電力が失われていても、突如としてコアが反応し、搭乗者の意思とは無関係に暴走状態へ移行する。この暴走時には、自ら顎の拘束具を破壊して咆哮するなど、異常な行動を見せる。

    初めての実戦投入は第3使徒との戦闘であり、この際はエントリープラグが未挿入にもかかわらず、落下物からシンジを守るために自発的に動いた。その後の初シンクロ時には、プラグスーツを着用していない状態で41.3%という高いシンクロ率を記録し、重傷を負いながらも暴走して使徒を殲滅した。その後も度々暴走や高出力の戦闘を行い、第14使徒との戦闘ではゼルエルを捕食してS2機関を取り込み、無限の稼働時間を獲得するに至った。

    物語が進行するにつれて、シンジとの精神的な繋がりが強まる一方で、他のパイロットでは起動できなくなり、レイやダミープラグを用いた起動も不可能になる。また、暴走時にはシンクロ率が400%を超え、腕の再生や使徒のA.T.フィールドを無効化するなど、常識を超えた戦闘能力を見せた。

    劇場版では無人の状態で起動し、硬化ベークライトを破壊してシンジを迎え入れる。最終的にサードインパクトの引き金となるが、シンジの選択により補完は拒否され、初号機はリリスから分離されて人類補完計画は終結し、その後宇宙へと消えていった。

    なお、ゼルエル戦での捕食シーンでは「餓鬼」のイメージが演出に取り入れられているという裏話があり、声は林原めぐみの音声を加工して使用されている。

  • EVA 弐号機

    • Height40 m
    • Weight700 t
    • Pilot惣流・アスカ・ラングレー

    アダムを基に製作されたエヴァンゲリオンで、量産を前提として開発された、いわば先行量産機である。アスカの言葉を借りれば「本物のエヴァンゲリオン」とも言える機体である。

    フルパワー時には頭部の拘束具が部分的に展開し、素体にある4つの目が露わになる。

    この機体はNERVドイツ第3支部で組み立てられ、第8話においてNERV日本本部へ移送中、第6使徒ガギエルの襲撃を受けたため、アスカの判断で起動し、初戦で勝利を収めた。その後は他の2体と共に使徒殲滅任務に参加していたが、第13使徒バルディエル戦では一瞬の躊躇を突かれて敗北。第14使徒ゼルエルとの戦闘では攻撃が全く通用せず、両腕と頭部を切断されて大破した。この連敗と、どちらの使徒も初号機が撃破したことにより、アスカのプライドに傷がつき、シンクロ率の低下を招いた。

    その後修理されたものの、第15使徒アラエル戦ではアスカが精神的ダメージを受けてさらにシンクロ率が低下し、第16使徒アルミサエル戦では起動すらできなくなった。最終的にアスカが廃人同然の状態になる中、フィフスチルドレンであり第17使徒である渚カヲルの力によって無人で起動。彼に従ってセントラルドグマへ侵入したが、追跡してきた初号機と交戦し、首筋と頭部にプログ・ナイフを突き刺されて活動を停止させられた。

    劇場版第25話では、アスカを保護するためエントリープラグに収容され、ジオフロント内の地底湖底に配置される。そこで戦略自衛隊の爆雷攻撃を受けたことで、アスカは死の恐怖から生への執着を取り戻す。それに弐号機内の母の魂が反応し、母の存在を感じたアスカは復活。戦略自衛隊を一掃するが、アンビリカルケーブルが切断されてしまう。その後、S2機関を搭載した量産型EVAシリーズ9機との戦いで、内部電源3分30秒の間にほぼ全機を撃破するも、コピー版ロンギヌスの槍による攻撃で頭部を貫かれ、同時に活動限界に達してしまう。動けなくなった弐号機は再起動した量産機たちに内臓を食い尽くされ、アスカの「殺してやる…!」という強い意志が暴走(覚醒)を引き起こしかけるも、最終的には8本の槍によって串刺しにされ、完全に沈黙した。

    テレビシリーズでは山下いくとがデザインを担当し、劇場版では本田雄による再デザインが施されているため、外観に若干の違いがある。これは第17使徒との戦いで受けた損傷の修復による変化とされている。

    漫画版では、アルミサエル戦で渚カヲルがこの機体に搭乗(アスカはアラエル戦直後に精神崩壊)。零号機と同様にアルミサエルの浸食を受けるが、カヲルの力で同化を免れる。この戦闘では、物理融合したアルミサエルにより左足を切断されている。

    デザインの着想はPCエンジン版のシューティングゲーム『超兄貴』に登場する「エル&トポ」から得られたものであり、デザイナーは「EVAには常にダイバーのようなイメージを持っている」と語っている。

  • EVA 3号機

    • Height40 m
    • Weight700 t
    • Pilot鈴原トウジ

    アダムを基に製作された機体で、米国NERV第1支部で開発された。頭部以外のデザインは弐号機と同一であり、頭部は角がないことを除けば初号機に似ている。プラモデルの説明書にあるラフスケッチでは、初号機の後頭部にある部分と似た構造も描かれている。

    この機体は米国支部から日本本部へ移送中、積乱雲に潜んでいたとされる第13使徒バルディエルに寄生される。その後、松代で起動実験中に使徒として覚醒し、第3新東京市へ向けて行動を開始。零号機と弐号機を行動不能に追い込むが、ダミープラグにより暴走した初号機との戦闘の末、原形をとどめないほどに破壊される。最後には、搭乗者であるトウジが閉じ込められたエントリープラグが、初号機によって握り潰される。

    トウジのその後については媒体によって異なり、テレビシリーズでは左脚を切断する重傷を負うにとどまるが、漫画版では死亡する。これは、テレビシリーズのプロデューサーである大月俊倫が「どんな内容でも構わないが、子供が死ぬようなアニメは見たくない」という要望を出していたことに由来している。

    なお、大月は放送から2年が経過した1997年になっても3号機の登場シーンを視聴しておらず、その存在も把握していなかった。新宿で行われた打ち上げの際、バンダイから発売されたプラモデルシリーズに見慣れない「黒いエヴァンゲリオン(=3号機)」があることに気付き、「誰が許可したんだ、こんなもの」「なんで、こんなのあるんだ」「メーカーが勝手にこんなん作りおって」と激怒したという逸話もある。

    ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』では、特定の条件を満たすことでトウジが3号機のパイロットとして登場し、使徒に寄生されず最後まで運用されることもある。また、シナリオによっては開始時点から3号機のパイロットである場合もある。NINTENDO64版ではゲームモードによって使用が可能。スーパーロボット大戦シリーズでも登場し、イベントによってはバルディエルを浄化して正式運用されることもある。なお、シリーズ初登場である『スーパーロボット大戦F完結編』では、敵キャラクターとして登場している。

    プラモデル(LMHGシリーズ)では、使徒に侵食される前の3号機と、侵食後の第13使徒バルディエル版の両方が発売されており、腕パーツや一部パーツを除いて共通の仕様となっている。

  • EVA 零号機改

    • Height40 m
    • Weight700 t
    • Pilot綾波レイ
  • EVA 零号機

    • Pilot綾波レイ

    最初に製作されたプロトタイプであり、当初は肩部ウェポンラックなどの装備は搭載されていなかった。起動実験中に暴走事故を起こし凍結されたが、第5話で凍結が解除され、第6話のヤシマ作戦で初号機を庇って荷粒子砲の攻撃を受け、大破する。その後の修復で弐号機と同じ形状の装甲板や肩部ウェポンラックが装着され、機体色も青に変更される改装が施され、第11話の第9使徒マトリエル戦から再び実戦に投入された。

    この改装後の形態は、商品化などの際には零号機(改)と呼ばれ、第1話のオープニング映像にも登場している。肩部ウェポンラックにはブースターが装備されているが、これは高所からの衝撃を吸収するためのもので、飛行能力は備えていない。第23話では第16使徒アルミサエルに物理的に浸食され、最終的に自爆して第3新東京市ごと完全に破壊された。

    製造元については、第22話で赤木ナオコが「アダムより人が造りしもの」として、脊椎と頭部、腕部のみのプロトタイプを紹介したことや、劇場版第25話でキール・ローレンツが「唯一、リリスの分身たるEVA初号機」と語っていることから、零号機はアダム由来であるとする説と、実際にはアダムと呼ばれていた存在がリリスであったことからリリス由来とする説が存在する。

    コアに関しては、公式設定資料では明確にされていない。ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』では、コアに魂が入っておらず、レイがシンクロするのに時間がかかったのはそのためだとされている。一方、PSP版では「レイに母親がいないこと」や「コアのシステムが未完成であったこと」が理由とされ、魂の有無については触れられていない。

    なお、頭部と脊椎のみの失敗作がNERV本部地下のターミナルドグマに大量に廃棄されている。改装前の山吹色の機体色は、海軍の飛行実験機や新幹線「ドクターイエロー」など、試作機や試験用車両によく用いられる色であることに由来している。

  • EVA 4号機

    • Pilot--

    第17話でその存在が言及されるが、登場はしていない。アダムから製作された機体であり、米国NERV第2支部での試験中にS2機関が暴走し、周囲の関連研究施設とともに消滅した。

    テレビシリーズでは名前が登場するのみで外観の描写はなかったが、プラモデル化にあたって外見設定が施された。形状は3号機と同一で、カラーリングはシルバーとなっている。

  • EVA 量産機(5号機 - 13号機)

    • PilotDummy System

    アダムを基に製作された、通称「EVAシリーズ」と呼ばれる9体の量産型エヴァンゲリオン。カヲルをベースにしたダミープラグによって稼働し、S2機関を搭載しているため活動時間に制限がない。背部には収納可能な翼を内蔵しており、自力での飛行も可能である。携行武器は両刃の剣で、これはロンギヌスの槍のレプリカを変形させたものであり、必要に応じて本来の形態に戻る。

    内部電源を必要としない構造とロンギヌスの槍の携行により、プログレッシブ・ナイフのような武器の必要性が低く、ウェポンラックは装備されていないのが特徴である。

    無機質なウナギのような眼のない頭部が特徴的であり、エントリープラグ挿入口をはじめ、全体的なデザインも他のEVAとは大きく異なる。これは、初号機から4号機までを山下いくとがデザインしたのに対し、量産型機は本田雄がデザインしたことによる。彼らは再起動や捕食、再生といった行動パターンを持ち、初号機の暴走状態に酷似している。

    劇場版第25話では、ジオフロント内の戦略自衛隊を壊滅させた弐号機を迎撃するため、輸送機から投下されて交戦。弐号機に一時は圧倒されるが、活動限界間際に9号機が放ったロンギヌスの槍で弐号機の頭部を貫通。その後、全機が再起動・再生し、弐号機を捕食し、上空からロンギヌスの槍を突き刺して葬る。第26話では、リリスと同化したレイからのアンチA.T.フィールドの影響でリリスと融合し、頭部に歪んだレイの顔が表れる。さらに初号機を依代としてサードインパクトを誘発、自らのコアにロンギヌスの槍を突き刺し、S2機関を共鳴・展開させて地球上のA.T.フィールドを消滅させ、人類をL.C.L.へ還元するが、最終的に初号機によって槍は全て破壊され、量産機も石化し、地上へ降下して活動を停止する。

    見た目に違いはないが、脚本や絵コンテではそれぞれ機体番号で区別されている。製造地は5号機と6号機がドイツ、8号機が中国となっている。

    弐号機によって破壊された順序は以下の通り:9号機(頭部を潰され背骨を折られる)、11号機(プログ・ナイフで頭部を突き刺される)、7号機(右手を切断され首をへし折られる)、6号機(両刃の剣で袈裟懸けに斬られる)、12号機(腹部から上下に両断される)、8号機(左足を切断される)、10号機(ニードルガンで頭部を貫かれる)、5号機(喉を握り潰され13号機と共に胸を貫かれる)、13号機(5号機越しにコアを掴まれる)。

    漫画版ではSTAGE:81から登場し、劇場版と同様に弐号機と交戦。戦闘力は劇場版を上回り、弐号機を劣勢に追い込み、最終的には3体が生き残る。また、再生能力も強化されており、与えられたダメージを短時間で回復している。最終話では、再生された世界にも石化した量産機が存在しており、その正体や存在理由は誰にも分かっていないとされている。

    量産型のプラモデルは2種類存在し、通常版は頭部パーツが2種類交換可能で武器は両刃の剣、最終戦仕様版は口の開閉ギミックがあり、武器がロンギヌスの槍(コピー)となっている。

  • サキエル

    テレビ版の第壱話と第弐話に第3使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承に登場する「水」を司る天使であり、木曜日の守護天使とされる「サキエル」に由来している。

    セカンドインパクト以後、約15年ぶりに出現した使徒で、人型の姿をしており、四肢は細長く、首の部分が存在しない。頭部は仮面のような無機質な形状をしており、大腿部には魚の鰓のような器官がある。出現直前の水中航行時には、呼吸するような動きも見せていた。

    武装としては、右腕から射出される光のパイルと呼ばれる光線状の槍による長距離攻撃を行う。また、N2地雷によってダメージを受けた際には、体内から新たな顔を出現させ、2つ目の顔から強力な光線を放つことができる。その光線はジオフロント上部の特殊装甲を貫通し、天井に格納されたビルを落下させ、本部上空にまで達する威力を持つ。

    第三新東京市に侵攻した際、EVA初号機との戦闘が展開され、初号機の初陣となった。戦闘では初号機の左腕をへし折り、右目を光のパイルで貫いて活動を停止させたが、暴走して再起動した初号機によりA.T.フィールドを破られ、両腕をもぎ取られて動きを封じられた。その後、連続攻撃でコアに亀裂を入れられ、最後は初号機を巻き込みながら自爆した。

  • シャムシエル

    テレビ版第参話に第4使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「昼」を司る天使「シャムシエル」に由来している。

    外見はイカに近く、筒状の胴体に鞭のような腕部を持ち、頭部と思われる部分には蛇の目のような模様がある。胴体には甲殻類のような多数の脚が見えるが、足と呼べる構造はなく、移動手段は主に飛行となっている(直立状態でもわずかに前進は可能)。

    攻撃は主に触手を高周波ブレードのように使用して行われる。海から現れてEVA初号機と交戦し、触手による攻撃やアンビリカルケーブルの切断により初号機を追い詰めたが、最終的には初号機のプログレッシブ・ナイフによる直接攻撃でコアを破壊され、活動を停止。殲滅された。

    ただし、コア以外の部位はほぼ無傷だったため、NERVによって使徒のサンプルとして回収された。

  • ラミエル

    テレビ版第伍話・第六話に登場する第5使徒。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「雷」を司り、復活を待つ魂を管理し、幻視を司る天使「ラミエル」に由来している。

    この使徒は青い正八面体の姿をしており、内部の中心部にコアを有している。強力なA.T.フィールドを展開し、一定距離内に侵入した敵に対しては、長射程かつ高威力の加粒子砲を用いて迎撃を行う。

    出現直後に初号機を中破させた後、機体の下部からシールドマシン(直径17.5メートルの巨大ドリル・ブレード)を伸ばし、NERV本部への侵入を試みた。

    これに対し、日本全国の電力を集めた「ヤシマ作戦」が実行され、初号機と零号機による超長距離狙撃(ポジトロン・スナイパー・ライフル)によってコアを破壊され、撃破された。

  • ガギエル

    テレビ版第八話に第6使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「魚」を司る天使「ガギエル」に由来している。

    外見は深海魚に似ており、クジラのような大きな口を持つ。その頭頂部には、第3使徒サキエルと同様の顔が付いているのが特徴。

    加持によって運ばれていたアダムのサンプルを狙い、EVA弐号機(B型装備)を輸送中の艦隊を襲撃。起動した弐号機と交戦し、水中に引きずり込んで噛みついたが、弐号機によって口内を強引にこじ開けられ、その内部にいた戦艦イリノイおよびケンタッキーの2隻から至近距離での同時射撃を受け、殲滅された。第3新東京市への侵攻には至らなかった。

    これまでの使徒とは異なり、アダムそのものを狙った唯一の使徒である(それ以前の使徒たちは、実際には「アダム」とされていたリリスを狙っていた)。

  • イスラフェル

    テレビ版第九話に第7使徒として登場する。名前は、イスラームにおいて「音楽」を司る天使「イスラーフィール」に由来し、全使徒の中で唯一、イスラームの天使にちなんだ名を持つ。

    二足で直立歩行し、弓のように湾曲した腕を持つのが特徴。頭部は存在せず、胸部に赤と青で彩られた太極図のような顔を持ち、その下部にコアが配置されている。攻撃手段としては鋭い爪や、顔から発射する光線を使用する。また、歩行や浮遊によって移動可能であり、さらに同型の2体に分裂する能力を持つ。片方が傷ついても、もう一体が無事であれば即座にダメージを回復するという特性がある。

    初登場時は1体のみで襲来し、弐号機によって真っ二つに切断されたが、自身の分裂能力によって2体に分かれ、初号機と弐号機を活動停止に追い込んだ。その後の再出現では、初号機と弐号機によるコアへの同時攻撃(ユニゾン攻撃)を受け、撃破された。

  • サンダルフォン

    テレビ版第拾話に第8使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「胎児」を司り、天使の牢獄とされる第五天マホンを支配する天使「サンダルフォン」に由来している。

    この使徒は浅間山の火口で蛹の状態で発見された。蛹のときは人間に似た形状をしており、指も5本あるように見えるが、羽化後はアノマロカリスとカレイを組み合わせたような外見へと変化する。マグマの中を自由に泳ぎ、さらにその中で口を開けることもできる。

    発見当初は蛹のような状態だったため、A-17(使徒捕獲作戦)の対象とされ、捕獲を試みる計画が立てられた。しかし作戦実行中に羽化が始まり、作戦は中断される。その後、捕獲作戦に出撃していた高熱・高圧環境に対応したD型装備の弐号機によって、熱膨張を利用した攻撃により撃破された。

  • マトリエル

    テレビ版第拾壱話に第9使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「雨」を司る天使「マルティエル」に由来している。

    この使徒はザトウムシに似た形態をしており、体表には複数の目のような模様を持つのが特徴である。

    停電中のNERV本部を襲撃し、地面に面した「目」から強力な溶解液を流し込むことで内部への侵入を図った。しかし、手動で出撃したEVA初号機、弐号機、零号機の3機による連携攻撃によって撃破された。

  • サハクィエル

    テレビ版第拾弐話に第10使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「空」を司る天使「サハクィエル」に由来している。

    この使徒は橙色で、中央に巨大な目を持ち、羽を広げた蝶のような外見をしており、登場した使徒の中でも最大級のサイズを誇る。自身の一部を切り離し、それをA.T.フィールドとともに質量爆弾として地上に落下させるほか、本体そのものをも爆弾として落下させる能力を持っている。

    出現当初は、自身の一部を連続的に投下し、着弾点の誤差を修正しながら落下の精度を高めていき、最終的には本体もろとも地上に落下を開始する。しかし、EVA初号機、弐号機、零号機の3機による連携によって本体の落下を受け止められ、最終的にはコアにプログレッシブ・ナイフを突き立てられて撃破された。

  • イロウル

    テレビ版第拾参話に第11使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「恐怖」を司る天使「イロウエル」に由来している。

    この使徒は微生物のような性質を持ち、実体は他の使徒とは異なり、多数のナノマシンによる群体で構成されている。不定形だが、ハッキングの際には集積回路パターンのような形状を形成することがある。自らの弱点となる環境に直面しても、極めて高い速度で自己進化し、群体としての生存を追求する特性を持つ。

    NERV本部のメインコンピュータシステム「MAGI」への侵入を目的とし、シグマユニットD-17の第87蛋白壁搬入時に寄生。その後、プリブノーボックスの模擬体を侵食してシグマユニットを汚染し、レーザー攻撃をA.T.フィールドで防ぎ、さらにオゾンを流し込まれても即座に進化して適応する。最終的にはサブコンピュータから保安部メインバンクを経由してMAGIのクラッキングに成功し、メルキオールとバルタザールを制御下に置き、カスパーも掌握することでNERV本部の自爆コマンドを実行しようとした。

    しかし、リツコによってカスパーから自滅促進プログラムを注入され、その結果、進化の果て=死に至り、自壊した。

    この使徒は、唯一EVAとの直接戦闘を行うことなく殲滅された存在である。また、イロウルの侵入はゲンドウの指示で秘匿され、日本政府と委員会には「探知機による誤報」として報告された。

  • レリエル

    テレビ版第拾六話に第12使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「夜」を司る天使「レリエル」に由来している。

    登場時は空中に浮かぶ白黒のオプ・アート状の模様を持つ球体が本体と思われていたが、実際にはその下に広がる直径680メートル、厚さ3ナノメートルの黒い円盤こそが本体であり、球体はその影像にすぎない。

    この球体(影)は攻撃を受ける際、対象を円盤状の本体へ瞬時に転送する能力を持ち、その際にパターン青の反応を示す。本体の内部は無限の虚数空間、いわゆる「ディラックの海」が広がっており、レリエルは使徒の中でも最強クラスのA.T.フィールドを持つ存在とされることが多い。

    EVA初号機が影へ攻撃を加えたことで虚数空間に取り込まれ、活動停止に追い込まれるが、その後暴走した初号機により内部から引き裂かれ、殲滅された。

    なお、初号機が取り込まれた際、碇シンジが精神世界で出会った幼い姿のシンジについては、使徒が彼を媒介として言語能力を獲得し、コミュニケーションを図ろうとしたものだとされている。

  • バルディエル

    テレビ版第拾八話に第13使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「霰(あられ)」を司る天使「バラキエル」の別称「バルディエル」に由来している。

    この使徒は粘菌のような姿をしており、侵蝕型の性質を持つ。侵蝕した物質の性質を変化させたり、生物に寄生することでその身体能力を強化することが可能。寄生されたEVA3号機は、まるで暴走時の初号機のような俊敏な動きを見せ、腕を自在に伸縮させることで高いリーチを活かした戦闘を行い、地中に潜り込んで奇襲を仕掛ける能力も持っていた。

    この使徒は、長野県松代での起動実験のためにNERVアメリカ支部から日本に空輸されていたEVA3号機のエントリープラグに侵入・寄生。起動実験中に覚醒し、搭乗していたフォースチルドレン・鈴原トウジごと機体を支配した。

    松代で大規模な爆発を引き起こした後、迎撃に出た弐号機と零号機を瞬時に撃破。初号機に対しても攻撃を仕掛け、シンジが中に人が乗っていると知って戦闘を躊躇したために、首を絞めて追い詰めた。

    最終的には、ダミープラグが起動された初号機によって暴走に近い状態で攻撃され、EVA3号機もろとも破壊された。エントリープラグに乗っていたトウジは一命を取り留めたものの、左脚を失う結果となった。

  • ゼルエル

    テレビ版第拾九話に第14使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「力」を司る天使「ゼルエル」に由来している。

    この使徒はずんぐりとした体格を持ち、空中を浮遊しながら行動する。両腕はトイレットペーパーのように折り畳まれた帯状で、これをカッターのように展開して切断攻撃に使用する。髑髏のような顔を持ち、目からは非常に強力な破壊光線を発射可能。その威力は、以前の使徒ラミエルが十数時間かけて掘り進んだジオフロント上部の装甲18層を、一撃で貫通できるほどである。

    また、防御力も非常に高く、A.T.フィールドを中和された状態での攻撃にもほとんどダメージを受けない堅牢な外装を持つ。さらに、コアはまぶたのようなシールドで防護可能という特性を持ち、ファンから「最強の使徒」とも評されている。

    ジオフロントへ侵入後、迎撃に出たEVA弐号機を圧倒。両腕と頭部を切断して行動不能にし、続けてEVA零号機によるN2爆弾の直接攻撃も、コアに接触する寸前でシールドを展開して無傷で防ぎ、零号機の頭部を切断してこれも撃破。その後、NERV本部内の第一発令所に突入し、ミサトたちに光線を放とうとした瞬間、EVA初号機によって阻止される。

    初号機の左腕を吹き飛ばした後、ジオフロントまで押し戻され、一方的に殴られ続けた末に顔を引きちぎられそうになるも、その直前で初号機の電源が切れ反撃を開始。初号機の胸部装甲を破壊し、コアへの攻撃を試みるが、シンジの叫びに反応して初号機が覚醒。ゼルエルの片腕を引き千切り、それを初号機の失われた左腕として吸収してしまう。残った腕で応戦するも、初号機の攻撃によってA.T.フィールドごと肉体を引き裂かれ致命傷を負う。最後は光線を放とうとするも頭部を潰され、初号機に捕食された。

    ゼルエルの襲撃は、シンジが再びEVAに乗るきっかけとなった一方で、零号機・弐号機の致命的損壊、NERV本部の半壊、セントラルドグマの露呈など甚大な被害をもたらした。また、アスカがこの使徒に全く太刀打ちできなかったことは彼女の自尊心に深い傷を残し、その後のシンクロ率低下の要因ともなった。

  • アラエル

    テレビ版第弐拾弐話に第15使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「鳥」を司る天使「アラエル」に由来している。

    この使徒は、光り輝く鳥のような外見をしており、レリエルに次いで「人の心」へ精神干渉を行った存在である。

    衛星軌道上から詳細不明の可視光エネルギー波を用いた精神攻撃を仕掛け、アスカが搭乗するEVA弐号機を活動停止に追い込んだ。しかし、最終的にはEVA零号機によって投擲されたロンギヌスの槍によって撃破された。

  • アルミサエル

    テレビ版第弐拾参話に第16使徒として登場する。名前は、ユダヤ・キリスト教の伝承において「子宮」を司る天使「アルミサエル」に由来している。

    この使徒は、DNAに似た二重らせんの円環構造を持ち、プラスミドのような外見をしている。レリエルやアラエルに続いて「人の心」に接近する存在であり、周期的にパターンをオレンジから青へと変化させる。高速移動による体当たりはA.T.フィールドを貫通し、零距離射撃も無効である。

    対象を侵食・融合しようとする性質があり、EVA零号機を侵食した後は、レイを依り代として言語能力を獲得した。その際、彼女の情報を読み取った結果、零号機の拘束具が弾け飛び、倒された使徒の集合体のような巨大な肉塊「天使の塔」が現れる。

    アルミサエルはEVA零号機を完全に取り込もうとしたが、初号機が救援に向かいA.T.フィールドを展開すると、今度は初号機へ向かって突進。初号機は攻撃を回避するも、接触したことで逆にアルミサエルからの侵食が始まってしまう。初号機にプログレッシブ・ナイフで刺されても侵食は止まらず、レイの情報を取り込んだ結果、アルミサエルの先端は彼女の姿へと変化。最終的には、レイが零号機のA.T.フィールドを反転させることで、アルミサエルを零号機の内部に引き込み、自爆によって殲滅された。

    漫画版では、分離能力を有しており、綾波レイの零号機と渚カヲルの弐号機との戦闘において、零号機を侵食、弐号機の左足を破壊。その後、零号機の自爆により撃破された。