バイストン・ウェルは、輪廻する魂の休息と修錬の場。海と陸の間に存在し、生体エネルギー「オーラ力(ちから)」によって支えられている。コモンと呼ばれる種族は中世ヨーロッパ的な封建制国家群を形成し、妖精の姿をしたミ・フェラリオ、その上位種族であるエ・フェラリオ、蛮族ガロウ・ランなどが、それぞれの勢力圏で影響を及ぼし合いながら暮らしている。エ・フェラリオはバイストン・ウェルの天井部分に当たる水の天界「ウォ・ランドン」に棲息しているが、下級妖精のミ・フェラリオは30センチ前後の大きさで背中に2対の翅を持ち、コモンの世界にも現れる。本来、生死以外にバイストン・ウェルと地上界を往来することは不可能だが、エ・フェラリオの力や偶発的な事故などによって開かれる「オーラ・ロード」を通ることで、稀に発生する。
ある日、コモン界の「アの国」の地方領主ドレイク・ルフトは、捕獲したエ・フェラリオのシルキー・マウを脅し、地上人(ちじょうびと=我々の住む地上界の人間)ショット・ウェポンとゼット・ライトをバイストン・ウェルに召喚する。ロボット工学に明るいショットは、バイストン・ウェル固有のオーラ力に着目し、それをエネルギー源とする「オーラマシン」を開発。バイストン・ウェルに初めて「機械」をもたらした。当初はユニコン・ウー(馬に似た動物)に代わる移動手段程度だったが、やがて飛行兵器オーラ・ボム、さらには巨獣の甲殻を外装にまとい、内蔵された人工筋肉を電子制御で駆動する人型兵器「オーラバトラー」へと発展する。
ドレイクはオーラマシンの力を手に入れたことで、バイストン・ウェル全土の掌握を目論む。旧式化したオーラマシンやその技術を他国に輸出し、莫大な資金を得るとともに、強力なオーラ力を持つ地上人を戦士として利用するため、再びシルキー・マウに「オーラ・ロード」を開かせる。そして、試作オーラバトラー・ダンバインのパイロットとして、ショウ・ザマ、トッド・ギネス、トカマク・ロブスキーの3人を召喚した。ショウは異世界に戸惑いながらも、ドレイクの命じるまま「ギブン家」との戦いを重ねていたが、ドレイクの娘でギブン家の長男ニー・ギブンと恋仲のリムル・ルフト、ギブン家に味方する地上人マーベル・フローズンの説得を受け、ドレイクの真意を悟る。ダンバインと共に出奔し、ニーが指揮するオーラシップ「ゼラーナ」に身を寄せる。
各国はオーラマシンの開発競争を激化させ、戦乱は拡大していく。オーラ増幅器によるコモンの騎士の登場や、新たな地上人の召喚を経て、各国は巨大なオーラ・バトル・シップを保有するに至った。フェラリオの長ジャコバ・アオンは、コモンの戦争に業を煮やし、その意志と力で全てのオーラマシンと関係者をバイストン・ウェルから放逐する。これにより、世界各地にオーラマシンが出現し、戦いの舞台は地上界へと移る。
オーラマシンの圧倒的な力をもって地上の支配を目論むドレイクと、彼を阻止しようとするナの国の若き女王シーラ・ラパーナやラウの国のエレ・ハンムの連合軍は、世界各国を巻き込んだ全面戦争へと突き進む。
戦いの果てに、マーベルとトッドは戦死し、ショウも宿敵の黒騎士と刺し違え命を落とす。シーラは、戦火の拡大を防ぐため、全てのオーラ力を解放し、悪しきオーラを浄化。バイストン・ウェル関係者の魂を元いた世界へ送り返し、戦争を終結させる。
ただ独り地上に取り残されたチャムは、海上を漂っていたところをアメリカ軍に救出され、これまでの出来事を「バイストン・ウェルの物語」として語ると、静かに姿を消していった。