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ミダス

ミダス

型式番号:EZM-S01

キゾ中将が極秘に自身専用に開発した高性能MS。機体名は『ギリシア神話』に登場する「ミダース王」に由来する。『ゴースト』作中ではザンスカールと木星帝国が技術的に交流があったとされているため、その設計はザンスカール系MSと木星系MSの折衷案に近く、2系統のMS技術の収斂進化によって誕生したMSと言える。全身を金色の耐ビーム・コーティングに塗装し、ジェネレーター出力は(二基搭載のザンネック以外で)ザンスカール製MSのトップを誇る。この値を越えるのは、連邦・リガ・ミリティア機を視野に入れてもV2ガンダムのみという、高出力である。

ミダス専用武装の「帝王の錫杖(カイザー・スタッフ)」は、瞬時に変形することで射撃戦と接近戦の両方に対応する。両形態ともビーム発生基部を高速回転させる、「サーカス」所属のデスフィズのビーム・ファングやガラハドのチェーンソー・ライフルと同系統の発想が見られるが、機体の高性能ジェネレーターからエネルギーを直接供給しており、一撃辺りの威力は他の一般的なMSの武装より格段に強力である(この方式のため、他の機体が装備しても使用はままならない)。このため劇中では、クロスボーン・ガンダムX-0フルクロスが使う武装「クジャク」でさえ貫けなかったアインラッド外輪を破壊して見せている。両手の指先から発するビーム・クローも、「帝王の錫杖」同様に本体からエネルギーが供給される方式であるため、一般的なビーム・シールドでは防げないほどに高圧な装備である。防御面ではやはり「クジャク」の至近距離斉射を防ぐほど強固なマント状のビーム・シールドを備え、機動力においてもスラスター噴射のみで(完成度が低いとは言え)ミノフスキー・ドライブ搭載機であるファントムすら凌駕すると、隙のない性能を見せる。

そして、このMSの真価といえるのが、MSを強制停止させる頭部から放つ光「ミダス・タッチ・フラッシュ」である。これは新兵器開発部隊「ゴールデンエッグス」が古いMSの研究をする中で、MSの基礎OSに存在したある種の“バグ”を偶然発見したことに端を発する。これは、一定の光の明滅パターンがMSの視覚センサーから侵入し、運動プログラムに機能停止の指令を受けたと誤認させるものである(この効果は複雑な駆動制御プログラムを備えるMSに限定され、戦艦や戦闘機には影響はない)。いわば一種のコンピューター・ウイルスであり、U.C.153年時点では有効なワクチン・ソフトはまだ存在しない。使用すれば自機も感染するため、木星系とザンスカール系の2系統の視覚センサーを高速で切り替えることでウイルスを無効化している。この兵器の名前の由来も、ミダース王の触れるもの全てを黄金に変える能力「Midas Touch」に由来する。戦場をたった一機のための“狩猟場”に一瞬で変えてしまえるこの機能の実現が、キゾ中将の野望を実行へ移させるに至る要因の一つとなったとされる。

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