Follow Us

ファントム

ファントム

型式番号:EMS-TC02

サーカスで2番目に認可の下りた機体。機体色は緑。正式な機体名は「ファントム」だが、フォントにより愛称として「ファントムガンダム」の名を与えられる。『ゴースト』の主人公機といえる存在でもあるため、書籍などでも「ファントムガンダム」として紹介されることが多い。後にクロスボーン・ガンダムX-0の補給用パーツを使って、後述の「ゴーストガンダム」に改修される。

フォントによると「まったく別々の技術で作られた機体のデータを組み合わせて作られた機体」である。その実態は、影のカリストがサナリィ襲撃時に入手したミノフスキー・ドライブ実験機である「F99レコードブレイカー」のデータと、木星製ガンダムである「アマクサ」のデータを掛け合わせて造られた「惑星間高速移動試験機」である。木星圏から地球への航行を目標に、いざというときは連邦に対する単独でのテロ攻撃も視野に入れた、木星の切り札として完成が望まれていた。

ミノフスキー・ドライブを搭載しているが、木星の技術ではMSサイズでのシステムは完全に再現できず、余剰エネルギーである「光の翼」の噴出が想定以上に不安定になってしまったため、全身に小型の光の翼の吹き出し口を増設(内圧軽減を兼ねたサブスラスターとなっている)し、強力なIフィールド発生装置を組み込む事で、無理やり光の翼を抑え込むという手段が取られた。しかし、不安定な光の翼とIフィールドがぶつかり合いさらに不安定になり、機体各所から展開する光の翼はまるで炎のように揺らめいて見える(通称「ファントムライト」)。木星製のMSでありながらツインアイ状のフェイスをしているのも、自身の発生するビーム粒子からカメラを傷付けないための配慮であり、カバーの下は通常のモノアイである。また、放熱問題が未解決であり、2段階のフェイスオープンによる強制排熱機構を搭載しても完全には放熱しきれず、ミノフスキー・ドライブのフル稼働は精々15分程度と予想されていた。応急処置として、全体を強制冷却するカートリッジが背部にセットされているが、これを用いてもさらに15分延長できる程度である。

上記のような開発経緯のため、この機体には本来の機体制御用のバイオ・コンピューターと、Iフィールド発生装置増設の際に組み込まれた木星製OSの二つの操作系統が混在している。しかし、上層部が開発を急がせたことによりバイオコンピューターの解析が不十分なままロールアウト、バイオコンピューターの立ち上げはできなかった(8カケのつりばし形のプログラムのピン配線が必要だが、最初期の理論のため木星側の技術者に知る者がいなかった)。最悪、木星OSだけでも通常起動はできると考えられていたが、実際は2種のOSの折り合いが悪かったため起動すらできず、封印されていた。

主武装は、腰部スラスター内に格納されているビーム・サーベル「フレイム・ソード」。刀身はファントムライト同様、Iフィールドによって炎のように揺らいでいる。ビーム・シールドのビームをIフィールドによって「流す」ことにより、その防御力を完全に無効化して攻撃するという、かつてのクロスボーン・ガンダムと同様の戦法を採ることができる。また、ビームを発振させずにデバイス部分を加熱させることでヒート・ソードとしても運用することができる。蛇の足による奪取後は、バタフライバスターBが新たに装備された。これは蛇の足の戦力不足を補うために、ブラックロー運送に製造を発注していたもので、X-0が使用しているバタフライバスターの設計コンセプトを元に最新技術でリニューアルしており、元のそれより12%ほど出力が上昇している。

先述の通り、本来の惑星間航行機としては失敗作であり、ミノフスキー・ドライブ搭載機としても同時代のV2ガンダムと比べると50%ほどの完成度である。しかし、ミノフスキー・ドライブ搭載機であることに変わりはなく、同世代の他MSと比べても高い機動性を有している。また、全身のIフィールド発生装置により纏っているIフィールドは"嵐"と形容されるほどで、ファントムライト発動中は近接武器、遠距離武器問わずビーム兵器に対して圧倒的防御力を誇る。その防御力はビーム・サーベルを掻き消し、ヴェスバーのビームをも拡散させ防ぐほど。このため、先述のフレイム・ソードと合わせて攻防共にビーム兵器に対して圧倒的アドバンテージを持ち、結果的に「対ビーム兵器特化機体」とでもいうべき機体となっている。

関連機体