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ゼク・ツヴァイ

ゼク・ツヴァイ

型式番号:RMS-142

ゼクシリーズの2番目の機体であり、実戦本位の重MSとして開発された。「ゼク・アインに倍する性能」を謳い、高火力・高機動性を備えた大型MS。グリプス戦役期から第一次ネオ・ジオン抗争期にかけてMSの重火力・多機能化に伴う大型化に至る、恐竜的進化の潮流に乗った機体の一つである。

後背部に接続された大型推進ブロック(バック・パックおよびテール・パック)や増加ブースターにより、従来のMSに比較して前後幅が長大であることなどから、一概に人型とは言えない形態を持つ。

ジオン公国軍は80tクラスまでをMSの実用的限界と考え、それを超える大型機動兵器はモビルアーマー (MA) として計画したが、連邦軍ではRX-78の大戦果による「ガンダム信仰」や、MAの撃破をMSで果たした実績への重視が根強く、MSの大型化・高出力化へのこだわりがあった。ゼク・ツヴァイが人型からの逸脱をみせながらもあくまでもMSとされたのは、これに起因するとされる。

両肩にマニピュレーター付きサブアームが2基ずつ計4基が設置され、武器の支持・操作などメインアームの補助に用いられる。両肩上部のラッチはゼク・アインの倍の計4基に増加したほか、機体各部にハードポイントを備え、ゼク・アインと共通の各種オプション兵装を装備できる。中でも、ゼク・アイン第2種兵装のビーム・スマートガンは標準装備とされ、遠射戦能力も重視している。

ただし、高性能のみを追求するあまり、兵器としての整備や運用面が無視される傾向が見られ、特に本機は機体サイズから連邦軍の標準的巡洋艦であるサラミス改ではエレベーターにも載らず、艦内へ収容不可能となったため、母艦としてアレキサンドリア級重巡洋艦以上が必要となるなど、艦載運用面での致命的な欠点を抱えてしまい、せっかくの高性能も価値が激減する結果になった。メッサーラやバウンド・ドックのような限定された条件下で使用される実験機と異なり、汎用MSを目指した本機にとってこれらは重大な問題であった。また、増加ブースターについてもゲターを用いれば不必要な装備であり(ゲターと違い、使い捨てとの点でも不経済)、MS単体で何でも可能とする思想の弊害を受けた「現場を無視して技術者の興味本位で造られた機体」である観が強く、後継のゼク・ドライは再び汎用性を重視した小型MSに回帰することとなる。

雑誌連載時はいわゆる最終MSの位置づけだったが、単行本版ではゾディ・アックの登場により、準量産型MSに改められた。

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