- Work機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
- Height17.5 m
- Weight74.5 t
- Pilotバーナード・ワイズマン
型式番号:MS-06FZ
OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』およびアニメ版『機動戦士ガンダムUC』に登場。メカニックデザインは出渕裕。設定画には「MS-06/F《ザク》」の名称が記されており、『0080』の制作発表直後の雑誌では「MS-06F ザク」と紹介され、出渕も当時のインタビューで「リファイン」であると述べている。これは書籍『ENTERTANMENT BIBLE』シリーズでも踏襲されており、リック・ドムIIやゲルググJと異なり名称や型式番号が変更されていないのは、生産数が多くすべて改修機として扱われたためと解説されている。プラモデル発売以降は別の機体と設定されたが、『アウターガンダム』をはじめとする同時期の『サイバーコミックス』などに掲載された漫画では、本機のデザインを通常のザクIIのリファインとして描くことが流行し、『0080』のリリース終了後に同作品のスタッフによって制作された書籍『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』でも同様の手法がとられている。出渕は『0080』のMSのデザインの中でも、ザクは完成されているためアレンジが難しかったと述べており、後年にはこのデザインはさすがにやりすぎだったと述べている。なお、プラモデル発売以降の名称は「ザク改」あるいは「ザクII最終生産型」とされていたが、模型雑誌『ホビージャパン』で「ザクII改」とされ、以降はほぼこれに統一されている。
統合整備計画によって改善された、第2期生産型MSのひとつ。連邦軍MSの登場や、自軍の新型機の開発によりザクII自体の性能が劣り始めており、そのため新型機のデータをフィードバックし、チューンナップがほどこされている。また、F2型の改修結果を踏まえて、装甲形状・材質や機体バランスのさらに徹底した見直しにより、それまでのザクIIとはかなりかけ離れた外観をもつに至っている。もっとも大きな改修点はコックピットで、訓練不足の新兵でも十分に扱えるほど良好だったとされる。ほかに、機体各所のアポジモーターやバックパックのスラスターを増設・大型化しており、総推力は前期型(F型)と比較して70パーセント増となっている。その反面、推進剤の総量は変わっておらず、戦闘最大推力時の限界時間は半分に落ちている。装甲もかなり強化され、武装も一新されており、連邦軍のジムに遅れを取ることはなく、かなりの高性能を実現している。S型やR型に匹敵するジェネレーター出力やスラスター推力をもちながら、F型に匹敵する素直な操作性は、ドムやゲルググに匹敵する運動性能を引き出したとされる。ロールアウトは終戦の1か月前であり、本機がザクの一年戦争における最終生産型となるが、生産数は少ない。宇宙艦隊の一部の部隊(特に学徒兵や新兵からなる急造部隊)が使用したのみで地球上に降りることはなく、実戦参加回数も少ない。
なお、頭部のバリエーションとして「Bタイプ」と呼ばれるフリッツヘルムをかぶったような外観のものもある。これは、現地での修理あるいは改造の際に、パイロットなどの要請を受け入れ、頭部に増加装甲をほどこしたものである。