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機体リスト
機動戦士ガンダムF90

共收録 27 台の機体。
  • ガンダムF90

    • Height14.8 m
    • Weight17.8 t
    • Pilotユーリー・ミノフスキー, デフ・スタリオン, ベルフ・スクレット, ナナ・タチバナ, ミノル・スズキ

    型式番号:F9 / F90 (F-90)

    宇宙世紀0102年、連邦軍の諮問機関であるサナリィは連邦政府にMSの小型化を提言、0105年11月に依頼を受けたアナハイム・エレクトロニクス (AE) 社が小型MSの開発に着手し、宇宙世紀0109年にその第1号であるヘビーガンがロールアウトする(ここまでの経緯の詳細はヘビーガンを参照)。ヘビーガン試作1号機の性能に不満を持ったサナリィは、連邦議会の承認を経てMSの自主開発を開始する。この小型MS開発計画は『F計画』と呼ばれる。

    ヘビーガンの運用実績に一応の満足を得た連邦軍は、0111年に"ATMS (Advance Tactical Mobile Suit)" と呼ばれる次期主力MS開発計画においてさらなる高性能機の開発を要求する。その内容は「性能を落とすことなく調達容易な小型MSを作成せよ」というものであった。これに応じて提出された数社の開発提案の中から選ばれたのが、AE社のMSA-120と、サナリィの本機(当初の型式番号はF9)である。

    サナリィの技術担当重役であるジョブ・ジョンのもとに結成された開発チームに、AE社や木星支社から招聘した技術者グループを加え、チーフ・デザイナーにアルマイア・グッゲンバイガーを据えたメンバーによって開発がおこなわれ、同年9月に1号機がロールアウトする。

    10月にコンペティションがおこなわれ、1次審査の設計データをもとにしたコンピューター・シミュレーションでは、最大出力と対弾性ではMSA-120が勝るものの、運用コストや機動戦力比などではF9が上回り、総合性能でも高ポイントを獲得。そして2次審査のテストベッド同士による模擬戦においては、機動性の上回るF9が圧勝して審査官に大きな感銘を与え、選定される。なお、このときに当時完成していたミッションパックを使用しなかったのは、MS同士のドッグファイトにおいてはあらゆるデッドウェイトをそぎ落とした素体状態のF9こそが至高であるという戦術思想によるものであるといわれており、のちにこの思想を突き詰めたQタイプが完成している。

    F9の採用によって約40年に渡るAE社のMS開発の独占は崩れる。しかし、性能的には満足いくものであるものの、主力MSとしてはいくつか不都合な点が散見されることから、連邦軍は実績のないサナリィの機体の量産は時期尚早と判断し、F9の改修およびデータ収集と評価試験の続行を命じる。これを受け、製作された2機の実験機はF9シリーズの0号機という意味でF90と呼ばれることとなる。

    頭部はツイン・アイにV字アンテナなど、ガンダム・タイプの意匠を受け継いでおり、塗装もガンダム・タイプを踏襲したトリコロールを基調に塗り分けられている(2号機は時期により異なる)。

     

  • ガンダムF90アサルトタイプ

    • Height14.8 m
    • Weight80.3 t
    • Pilotデフ・スタリオン, ベルフ・スクレット

    型式番号:F90A

    長距離侵攻仕様。企画当初にデザインされたもののひとつ。

    長時間の移動および戦闘を想定し、敵陣深くに侵攻して重要拠点にピンポイント攻撃を加える。バックパックにミノフスキー・クラフトを応用した大推力の増加機動ユニットを装備し、航続距離延長のため腕部に各6トン、脚部に各17トンのプロペラント・タンクを装備して大量の推進剤を貯える。これにより、長時間の作戦行動や戦闘が可能となっている。安定飛行のために両肩は固定され、AMBAC機動は下肢のみでおこなう。また、大気圏内での姿勢制御は機動ユニットの主翼でおこなう。浮力自体はミノフスキー・クラフトで得ているため、翼面積は小さく済んでおり、短時間の飛行も可能。速度面ではF91を凌駕するとされるものの、防御力で不安を残している。

    主兵装は要塞破壊用の携行式のメガ・ビーム・バズーカで、不使用時は臀部ウェポンラックにマウントする。また、機動ユニットにはマシン・キャノンとビーム・キャノンを左右1門ずつ装備する。

     

  • ガンダムF90ボンバードタイプ

    • Height14.8 m
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90B

    重爆撃仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された。制式名称はガンダムF90ボンバードタイプ(型式番号:F90B)。

    敵拠点への集中的な爆撃・砲撃をおこなう。機体各所の多彩な火器群が特徴で、一斉射により単機で速やかに敵拠点を破壊できるほどの圧倒的な破壊力を誇る。

    バックパックは2門のキャノンを装備した専用のものに換装、射角を自由に変えられ、前方だけでなく上方の敵にも対応可能。両前腕部甲に5連装のグレネード・ランチャー、両肩と両脚に大型ミサイルを装填可能な3連装のミサイル・コンテナ(三角柱型のコンテナ3基を接続)を装備する。これらによって機体重量は大幅に増加しているが、バックパックに設置された可動式のバーニアにより、機動性・運動性の低下を最小限に抑えている。

     

  • ガンダムF90デストロイドタイプ

    • Height14.8 m
    • Weight21.3 t
    • Pilotデフ・スタリオン, ベルフ・スクレット

    型式番号:F90D

    接近戦仕様。企画当初にデザインされたもののひとつ。「デストロイタイプ (F90 DESTROY)」とする資料もある。

    敵主力に対する面制圧を目的とする。通常は主要目標の制圧後、各武装を排除して格闘戦に移行し敵を掃討する。武装は接近戦用の速射性の高いものが選ばれており、肩部に4連グレネード・ラック、腕部に5連ロケット弾パック、腰部前面にMSクラッカー、左腰にメガ・ガトリングガン(モーター・ガトリング砲とも、基部は臀部ウェポンラックにマウント)を装備。バックパックにはシールドをマウントし、後方からの攻撃を防御する。

    機動性向上のため、脚部にはアポジモーターを追加したブースター・パック(ブースト・パックや機動ユニットとも)を装備し、一撃離脱戦法を得意とする。旧ジオン公国軍のザクIIを思わせる、と評されることもある。

     

  • ガンダムF90エレクトロニックタイプ

    • Height14.8 m
    • Weight20.8 t
    • Pilotパッツィ・アンゲリカ, ディル・ライダー

    型式番号:F90E

    電子戦仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、正式な詳細が設定された。

    索敵・電子戦に特化した仕様。友軍の主力部隊に先行し敵軍の情報収集をおこなうタイプで、背部の大型レドームにより、高い情報収集能力を有する。両肩と腰部前面にはそれぞれ形状の異なる電子戦用レーダーを装備し、電波阻害(電子妨害)用のジャミング・ライフルを携行する。直接戦闘には不向き。

     

  • ガンダムF90ファイトタイプ

    • Height14.8 m
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90F

    格闘戦仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された。制式名称はガンダムF90ファイトタイプ(型式番号:F90F)。

    腕部と腰部を中心に近接格闘特化の武装を装備。両前腕部甲に装備される腕部格闘装備は、使用時に拳を覆うように展開し、先端のビーム発生器から3本のニードル状のビーム刃を発生させることで、敵機の装甲を突き刺すような攻撃が可能。腰部左右にはフレキシブルなマウントラッチを追加、先端の簡易マニピュレーター(サブアーム)でビーム・サーベルを保持することで腕部格闘装備展開時にもサーベルを使用可能で、複数の敵に対応できる。

    バックパックには推力偏向パドル2基と姿勢制御スラスター3基を装備した専用のユニットを装着、スピードを維持しながら急な方向転換がおこなえるため運動性は大幅に向上し、格闘用としての総合性能が高められている。

     

  • ガンダムF90ホバータイプ

    • Height14.8 m
    • Weight21.2 t
    • Pilotベルフ・スクレット

    型式番号:F90H

    高速陸戦仕様。ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場する予定でデザインされたが、実際には登場しなかった。『ガンダムマガジン』掲載のコミカライズ版では、地上での戦闘時に1コマのみ登場している。

    地上戦能力を強化するため、かつての局地戦用MSの傑作機であるドムシリーズの特性を取り入れている。高速でのホバー走行による一撃離脱戦法を身上とする。ホバー・システムは脚部、腰部側面、臀部にユニットを装備。バックパックに収納された追加反応炉によって稼働し、1G重力下の平地で最大時速480キロメートルを記録する。ただし、小型MSであるため従来より推進剤搭載量は減少し、ホバー走行は4時間前後が限界である。

    主兵装は両肩の4連ミサイル・ポッドで、大型のミサイルを装填可能。ほかに右腕に2連グレネード・パック、左腕にシールドをマウント、携行武装は取り回しのよい専用のビーム・ピストルが用意されている。

     

  • ガンダムF90キープタイプ

    • Height14.8 m
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90K

    持久戦仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された。制式名称はガンダムF90キープタイプ(型式番号:F90K)。

    拠点や母艦の防衛に特化しており、攻撃力より防御力の向上を優先している。左前腕部に超大型の試作型メガ・ビーム・シールドを装備、臀部の左右2基のジェネレーターからケーブルで直接出力を得ることで機体を覆うほどのビーム・バリアを形成し、敵MS・MAのビームや実弾攻撃を無効化する。また、両肩にIフィールド・ジェネレーターを3基ずつ装備し、ビームを機体からそらすことで防御可能。反面、攻撃力は僚機に頼ることから、小隊運用を前提にした装備とされる。バックパックにはスラスター1基を追加する。

    本オプションの試作型メガ・ビーム・シールドを経て、後年にV2ガンダムの兵装であるメガ・ビーム・シールドが開発されている。

     

  • ガンダムF90マリンタイプ

    • Height14.8 m
    • Weight22.5 t
    • Pilotパッツィ・アンゲリカ

    型式番号:F90M

    水中戦仕様。ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場する予定でデザインされたが、実際には登場しなかった。

    アクア・ジム以来の水陸両用MS開発計画によって誕生する。水中という特殊環境で運用するため、ミッションパックの中でも大掛かりなユニットが用意される。4基の可動式ルーバー付きの大型ハイドロジェットをバックパックに装備し、水中を高速移動するとともに立体的な機動が可能となっている。最大の潜行速度は90ノット、潜行深度は400メートル。右肩にサーチ・ライト、左肩にシュノーケル・カメラを装備し、探査や索敵にも対応している。

    武装は両前腕部の対MS用ミサイルを装填する3連装マリン・ロケットパック、1発で致命傷を与えるという両脚部の対艦用魚雷ホーミング・ピドー(ホーミング・トーピドー)、左腰に格闘用のヒート・コンバットナイフ、そして6連装アロー・シューターを携行する。

     

  • ガンダムF90オフィサータイプ

    • Height14.8 m
    • Weight9.8 t
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90O

    指揮官仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された(型式番号:F90O)。

    指揮官・士官用に開発される。部隊を統率する指揮官という役割に応じ、バックパックにバルカン・ポッド2基(バルカン砲4基)と大型ブレード・アンテナ2基で構成される複合ユニットを増設。これにより、牽制能力と通信能力が向上し、いち早く戦況を分析して部隊の作戦行動に役立てることが可能となっている。バックパックのビーム・サーベル2基は左腰のラックに移設される。

    武装はほかに強化型ビーム・ライフルを携行し、連射性を重視した通常モードと破壊力を重視した高出力モード(砲身が延伸する)に自在に切り替えが可能で、後方支援や前線での戦闘などあらゆる戦況に対応できる。

     

  • ガンダムF90プランジタイプ

    • Height14.8 m
    • Weight32.5 t
    • Pilotベルフ・スクレット

    型式番号:F90P

    大気圏突入仕様。ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』用にデザインされたもののひとつ。

    単独での大気圏突入のための装備。Ζガンダムのウェイブライダー同様に装備を展開・変形してリフティングボディを形成するが、材質の向上とウィング形状の設計変更により小面積で問題なくなったため簡易な変形となっており、リ・ガズィに近いとされる。バックパックは専用のものに換装され、変形時には頭部にかぶさるようにして機首を形成する。マグネットコーティング技術の応用により、変形の所要時間は2秒。また、突入時の高熱にも耐えるウィングはシールドとしても使用可能。

    武装強化のための装備ではないため、オプション自体の武装は護身用程度にとどまり、左肩の可動式の小口径ビーム・キャノン1門と、右肩の中距離用バルカン砲2門のみである。ただしマニピュレーターは使用可能であるため、ビーム・ライフルやサーベルなどは携行可能であり、機体本来の戦闘能力は維持されている。宇宙空間では両腕のウィングを固定せずにモビルアーマー的な運用も可能で、大推力を利用しての高速機動戦闘をおこなえる。追加装備として、主翼にミサイル懸架用のハードポイントを設置するよう改良が進んでおり(検討で終わったともいわれる)、これにより宇宙戦闘機的な運用も可能となる。

     

  • ガンダムF90サポートタイプ

    • Height14.8 m
    • Weight25.2 t
    • Pilotデフ・スタリオン, パッツィ・アンゲリカ

    型式番号:F90S

    長距離支援仕様。企画当初にデザインされたもののひとつ。

    かつてのガンキャノンやガンタンクのように、前線で作戦行動をおこなう友軍を後方から支援する。主兵装はバックパックに装備される、従来のMSより長射程のメガ・ビーム・キャノン2門。腕部には腰部側面のエネルギー・タンクとケーブルで直結した4連装ビーム・キャノンと汎用誘導ミサイルを装填する2連装ミサイル・ポッドが一体化した兵器ユニットを手にはめるように装着する。脚部には目標の形態情報を認識して自己誘導するクルージング・ミサイルを1発ずつ装備。腰部前面に長距離用複合照準器を装備し、精密射撃をおこなう際には両肩が固定され、臀部ウェポンラックに装備された2本の支持ジャッキにより機体が保持され射撃の振動を吸収する。以上の装備により支援のみにとどまらず、遠距離攻撃や要塞攻略にも威力を発揮する。

    高い評価を受け、支援用のF7型として分岐し、量産原型機としてF70 キャノンガンダムが開発され、AE社によってF71 Gキャノンとして量産される。

     

  • ガンダムF90Uタイプ

    • Height14.8 m
    • Weight9.8 t
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90U

    大気圏離脱仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された(型式番号:F90U)。

    背部に出力と推力を補う大型のブースター・パックを装備する。バックパックに大型のプロペラントタンクと一体化したブースターを接続するが、バックパックのみでその重量を支えるのは不可能なため、腰部(臀部)・腕部・脚部のハードポイントに接続したフレームも使用してロックする構造となっている。さらに、頭部やコックピットといった最重要機関を保護するため上半身前面を覆う高耐久性のフェアリング・カバーが装着される。大気圏離脱後はこれらのパーツが速やかに本体から分離され(ブースター本体は小型機によって回収される)、すぐに戦闘へと移行できる。

    『F90FF』では、0116年のF90 2号機による試製ミノフスキー・ドライブのテストの際に、F89が「チェイサー装備」として本仕様のブースターをバックパックに接続して随伴している。

     

  • ガンダムF90ヴェスバータイプ

    • Height14.8 m
    • Weight21.5 t
    • Pilotベルフ・スクレット, ナナ・タチバナ

    型式番号:F90V

    新型火器試験仕様。ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』用にデザインされたもののひとつ。

    連邦軍の新型主力MS(のちのF91)に装備する武装のテストベースとして開発され、F91の実質的なプロトタイプでもある。Aタイプの機動力と、Dタイプの火力・防御力をあわせもつとされ、F91と同等の戦闘能力を有するともいわれる。

    新兵器ヴェスバーを稼働させるため、F90本体のジェネレーターを新型のものに換装。その大出力を受け、脚部にスラスターを追加して機動性の向上を図り、さらに次世代MSの標準装備が予定されているビーム・シールドの装備も可能となっている。しかし、このジェネレーターは最大稼働時の放熱処理が問題となっており、解決のため両肩と両脚に放熱フィンを兼ねたスタビライザーが装備されている(そのため、本装備のオプションを混載しても、ヴェスバーとビーム・シールドの同時装備は不可能)。それでも限界稼働時には無理があったともいわれ、機体の状態によってはビーム・シールドを均一に展開できないこともある。武装はほかに、集束率を高めた専用のビーム・ライフルが用意され、右前腕部にはメガ・ガトリングガンを装備する。

    『F90FF』によれば、本仕様のヴェスバーは砲口にぶれがあり、精密射撃に難があるとされる。

     

  • ガンダムF90コールドネスタイプ

    • Height14.8 m
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90C

    寒冷地仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された。

    局地戦に対応するミッションパックのひとつ。肩部、腰部、脚部に防寒・耐寒用のヒーター・ユニットを装着し、発せられる熱によって装甲や関節部への雪の付着や氷結を防ぎ、運動性能の低下を最小限に留める。さらに、肩部ユニットからは上半身を覆うようにマントが下がっており、効率的に熱が行き渡るよう配慮されている。

    足裏にはスキー・ユニットを装着。Hタイプと比較しても大降雪地帯での機動性が大幅に向上し、硬度のある雪原や凍土でもスムーズな移動・滑走が可能となっている。滑走が困難な場所では、ソール部を折り畳むことによりユニットを装着したままでも歩行がおこなえる。

     

  • ガンダムF90ガーズタイプ

    • Height14.8 m
    • Weight8.9 t
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90G

    警備・護衛仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された(型式番号:F90G)。

    拠点や母艦などの警備や護衛を目的とする。グリップが回転することでソード形態とライフル形態に切り替えが可能な大型のマルチプル・ビーム・ウェポンを携行、右肩に専用のマウントラッチを装備する。左肩は大型シールドで覆われ、上下に可動して側面や上方からの攻撃から本体を防御する。これらの装備により、ミサイルの迎撃だけでなくMSとの格闘戦などフレキシブルな対応が可能となっている。

     

  • ガンダムF90IIインターセプトタイプ

    • Height15.1 m
    • Weight29.6 t
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90II I

    迎撃・追撃戦仕様。F90IIとともにデザインされたもののひとつ。

    F90IIと同時期に開発されたといわれる。左手に携行する単独飛行ユニットであるフライト・シールド、飛行時の加速力を得るため両脚に接続する推力増加ユニット、右手に携行する専用武装のビーム・ランサーで構成される。フライト・シールドはサブフライトシステムにもなり、F90を乗せた状態で宇宙、空中、水上(ホバー)での運用が可能。

    フライト・シールドはF71のパーツを流用したとされるが詳細不明。シールド表面に大型ブースターを搭載する。大気圏内ではシールドに収納されたウィングを展開し、脚部前面の推力増加ユニットとシールドを接続することでウェイブライダー形態となる。大気圏突入も可能で、突入テストはF90IIに装着した状態で行われている(F90でも装着可能とされるが、実際のテストは行われていない)。フライト・シールドの大気圏内移動速度は時速1,800キロメートルを誇る(ホバー移動時は時速700キロメートル前後)。推力増加ユニットにより安定した飛行性能を獲得している。これらの大推力で上昇し、高高度で敵機を迎撃・追撃する。また、前部にマシン・キャノンを2門搭載する。

    ビーム・ランサーはIフィールドによって槍型の大口径ビーム・サーベルを形成するが、チャージには多くの時間を必要とする。しかしランサーの貫通力はすさまじく、要所に命中すれば巡洋艦クラスを一撃で破壊可能。その槍型のビームを射出したり、拡散ビーム・ショットガンとしても使用が可能となっている。

    Iタイプオプションの製造コストはF90本体と同額(ヘビーガン10機分相当)と高価で、航続距離にも課題があり、実験用の装備として割り切られたものだった。Pタイプオプションの発展型ともいわれる。

     

  • ガンダムF90ジャケットタイプ

    • Height14.8 m
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90J

    重装仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された(型式番号:F90J)。

    FSWS計画をベースに開発と実験がおこなわれ、機体各所が火力増強や防御力強化を視野に入れた増加装甲パーツで覆われたフルアーマー仕様となっている。バックパック右側から伸びるビーム・キャノン砲は、通常は砲身が下方を向いて収納されているが、使用時には前方に向けて展開する。バックパック左側にミサイル、右前腕に2連ビーム・ガンを装備。また胸部の速射性能に優れるマシンキャノンは、のちにF91の固定武装としてフィードバックされている。ビーム・サーベル2基は左前腕部のシールドに収納、マニピュレーターで握らずに使用可能となっており、急な接近戦にも容易に対応できる。重量増加の対策として、脚部ユニットに小型ミノフスキー・クラフトを搭載するが、F90本来の高機動性を補うまでは至らず、目立った実験結果を残せなかったようだとされる。

     

  • ガンダムF90IIロングレンジタイプ

    • Height15.1 m
    • Weight27.2 t
    • Pilotナナ・タチバナ

    型式番号:F90L

    長射程仕様。F90IIとともにデザインされたもののひとつ。

    超長距離からの狙撃・攻撃を目的として開発される。特徴的な大出力のロング・ライフルはビームと実弾を選択して発射可能な複合式で、銃身内のライフリングを溶解しないようにビーム誘導式のIフィールドを形成できる技術が完成したことで実用化の目処が立っている。射出されるビームは拡散率を極限まで抑え、射程はサイド内のコロニー間の距離に当たる100キロメートル以上におよぶ。ライフル弾(120ミリ高速徹甲弾)は、弾体の周囲と尾部のバーニア・ペレットを発射後に爆発させることにより、限定された角度内で1回だけ方向転換させることが可能な半誘導式となっている。これは発射前に弾頭の記憶チップに進路を入力する方式で、ビームでは不可能な物陰に隠れた敵をも狙撃できる。左肩に精密射撃用の複合センサー、バックパックにサーモ・スコープと追加スラスター・パックを装備する。

    武装はほかに両腕に2連装の中距離用ミサイル・ランチャーを装備、ビーム・サーベルは右肩に移設される。

     

  • ガンダムF90クイックタイプ

    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90Q

    機動力向上仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された(型式番号:F90Q)。

    高機動および敏捷性向上を図るために考案される。脚部、腰部、肩部などのバーニアおよびアポジモーターの増設と、バックパックへの推進器の追加がおこなわれ、評価実験においては優れた機動性を発揮している。うちアポジモーターの増設によって得られたデータは、F91の開発にも大きく貢献したとされる。追加された新機軸の推進器はバインダー・ユニットと呼ばれ、左右2基ずつの装備が標準であるが、ハードポイントを用いて増設したり、状況によって減らしたりすることも可能。また不要となった推進器を射出することで、質量兵器としての効果も発揮するといわれる。

     

     

  • ガンダムF90レコノイタータイプ

    • Height14.8 m
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90R

    情報収集・戦況記録仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された(型式番号:F90R)。

    ミノフスキー粒子散布下での偵察任務に特化した装備。両肩の、光学式カメラ・ユニットを前後左右に備えたステルス・アーマーが上半身を覆うのが大きな特徴である。これは、機体稼働時の発熱をある程度遮断し、敵のセンサーやレーダーによる捕捉を困難にするプレートとして機能するほか、ステルス・アーマー自体が分離・変形して単体の偵察ユニットとしても運用可能。両腕部に装備される光学式カメラガン・ユニットは、先端のカメラガンとユニットがウィンチ式のワイヤーで接続されており、カメラガンのみを射出して広範囲の索敵や情報収集が可能となっている。両脚部には、機雷やダミー・バルーンをセット可能な追加ユニットを装備し、偵察任務における交戦時や撤退時のサポート装備として友軍の戦闘に大きく貢献する。

     

  • ガンダムF90トレーサータイプ

    • Height14.8 m
    • Pilotカナタ・サワメ

    型式番号:F90T

    追撃戦仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された。

    圧倒的な火力と防御力、および爆発的な加速性能を付与するミッションパックで、Aタイプと共通点を有する。両肩に大型のシールドを装着、これはF90用に開発されていたパーツ群を流用したもので、耐ビーム・コーティングが施されている。簡易ムーバブル・フレームと専用アームによってフレキシブルに可動し、両腕の動きを妨げることなく本体を防御する。裏側には2連ビーム・ガンを装備し、火力も増強されている。

    バックパックには中央の大型ブースターと左右のバーニア・ユニットからなる長距離推進器を装着。これはAタイプのプロペラントタンクをベースに急造されたもので、加速力や機動力の向上が図られている。ティターンズ製の可変MSや、記録からは抹消されたGPシリーズが参考にされたともいわれる。

     

  • ガンダムF90 Wタイプ

    • Height14.8 m
    • Pilotデフ・スタリオン

    型式番号:F90W

    軍用機仕様。「F90 A to Z PROJECT」でデザインされ、詳細が設定された(型式番号:F90W)。

    飛行形態への可変機構を付与するミッションパック。両肩のアーマーが跳ね上がり、バックパックから頭部上方に展開するノーズ・パーツとともに機首を形成する。これに連動して、バックパック本体からビーム・キャノンが露出し、飛行形態でも戦闘をおこなうことが可能。背面のウィングには試製ミノフスキー・ドライブが搭載されており、ミノフスキー・ドライブの稼働を示すビームが展開される。腰部前面のフロント・アーマーはパーツが展開してランディング・ギアとなり、前腕部甲にも爪状のランディング・ギアを装着するなど、基本的には飛行形態におけるミノフスキー・ドライブの稼働の検証に特化したタイプである。

    のちに本タイプをもとに、ミノフスキー・ドライブ・ユニットを搭載したF99 レコードブレイカーが開発される。

     

  • ガンダムF90 Nタイプ

    • Weight31.9 t
    • Pilotパッツィ・アンゲリカ, リヴ・アンゲリカ(ディル・ライダー)

    型式番号:F90N

    F90の次期主力機の開発・研究のために開発されたミッションパックのひとつで、サイコミュの搭載によりF90をニュータイプ用MSとして運用するための特殊仕様。ミッションパックは「ハルファイター (HULL FIGHTER)」(「ハル」は「高度化照準 (High Utilize Laying and Lead pursuiting)」の略)とも呼ばれ、それ自体が有人空間戦闘機への可変機構を有しており、F90との分離・合体が可能となっている。Vタイプと同様にサブ・ジェネレーター(0116年モデルは推定1,500kW級)が内蔵されている。また、のちのF91に用いられるMCA構造の装甲材が採用されており、その中にはバイオセンサーやサイコミュも埋め込まれた、すなわち「シンギュラリティ・ワン」として封印されたはずのサイコフレームも含まれている。このサイコフレームは、木星船団で独自開発されたものを譲渡されたといわれる。

    ハルファイターが機首を分離し、主翼をたたみL字型に変形してF90の胸部から背部にかけて覆いかぶさるようにして合体する(ノーマル・バックパックのハードポイントに接続)。この状態でも、当時開発されたほぼすべてのミッションパックとの同時使用が可能となっている。合体後はどちらのコックピットからでも操縦が可能であるが、本来の能力を発揮するにはOSをTYPE "C.A-III"に切り替える必要があり、この場合の操縦権限はハルファイター側に移行する。

    主兵装はハルファイターでは機首(合体時にはシールドとなるか、バックパック下部に接続される)の下部に装備されているビーム・ライフル。この砲身を囲むように、ビット兵器である「ヒルトファンネル」が6基装備されている。これは単に0100年代のファンネルを小型化しただけでなく、ビーム砲をビーム・サーベルとしても運用可能とすることで、Iフィールドやビーム・シールドの隙間をかいくぐって対象を破壊することが想定されている。この(ダガー・ファンネル)モードのほか、柄を展開して手もち兵装とするビーム・サーベル・モードにもなる。当初はνガンダムのフィン・ファンネルのようなビーム・バリアー形成機能も想定していたとされるが、最終的にはKタイプのメガ・ビーム・シールドで事足りるとして攻撃兵器に一本化されている。ほかに武装は、機首先端部にビーム・キャノン、両肩口にメガ・マシンキャノンを装備する。また、ハルファイターの翼下に任務に応じてミサイル(在来型およびサイコミュ誘導型)やガンポッド、電子装備などを搭載可能である。また本仕様の特性として、ほかのミッションパックとの併用が可能であり、ハルファイターによって性能の底上げもおこなえたようだとされる。

    0112年の実戦初使用時では、パッツィ・アンゲリカが搭乗するF90 2号機がヘルプ・ヘイデンの指示によりリモートでOSを再起動してTYPE "C.A-III"にアップデートし、さらにパッツィの息子のリヴ・アンゲリカが偶然搭乗したハルファイターと合体してNタイプとなる(なお、合体前にリヴはハルファイターで傭兵集団GBGのジムIIIを1機撃破している)。リヴの操縦によってティグリス(オイエル・ランデッガー機)を圧倒するが、サイコミュのリミッターを超えた「力」(ジョブ・ジョン曰く「相性がよすぎた」)にリヴは飲み込まれ増長する。その隙を突いた攻撃にリヴは気を失うが、間一髪のところでパッツィがもとのOSで再起動して操縦を取り戻し、オイエル機を抑え込み勝利する。しかし、目覚めたリヴはまだ終わっていないとファンネルをオイエル機に向ける。パッツィがリヴのコックピットへ向かい説得し、ふたりでコックピットから出ようとする際にティグリス(グリゼルダ・ジア機)の上半身が襲いかかって来たためファンネルで応戦、中破させるもその爆発にパッツィは巻き込まれMIAとなる。激昂したリヴは再びグリゼルダ機にファンネルを向かわせるが、その射線上にあった自分の機体を両断する形になってしまい、上半身が大破。リヴも巻き込まれて死亡したと思われていたが、GBGによって救出されている。

    0115年には、F90 2号機と同様にハルファイターも修復されている。翌0116年には、左右のウィングをVタイプのヴェスバー2門に換装され、「ハルブラスター」とも呼ばれる。

     

  • ガンダムF90II

    • Height15.1 m
    • Weight7.7 t
    • Pilotナナ・タチバナ

    型式番号:F90II

    オールズモビルに強奪されたF90の2号機は大幅な改修(火星独立ジオン軍仕様)を施され、1号機との戦闘で両足や胸部、頭部をはじめ機体の60パーセントを欠損し大破する。サナリィに回収され改めて機体状況を検分され、ジェネレータを含む動力部や制御コンピュータは無傷であることから、2号機の再生計画が立案される。

    修復の際には同時期に基礎設計を終えていたF91より技術的なフィードバックがあり、欠損したパーツを新造されてF90IIとして生まれ変わり、宇宙世紀0121年10月28日にロールアウトする。

    主な改装点としては、完全に失われていた両足のフレームを新開発のものに刷新。制御コンピュータは、構造上のバグを指摘されたニューロ・コンピュータからバイオコンピューターに換装。ジェネレーターもより効率のよいタイプに改められる。このため本機は "F90Dash" とも呼ばれ、F91への叩き台であるともいわれる。

    また、火星独立ジオン軍による改装の際に失われたミッションパックシステムも再導入され、F90のものをそのまま使用できる。塗装もロールアウト・カラーに近いものに戻されている。

     

  • ガンダムF90 2号機

    • Height14.8 m
    • Weight17.8 t
    • Pilotパッツィ・アンゲリカ, ディル・ライダー, ギデオン・ブロンダン, カナタ・サワメ, シド・アンバー

    型式番号:F90-2

    0112年に、第13実験戦団チームBでパッツィ・アンゲリカ少尉をパイロットとしてテストがおこなわれる。この時期の本機の塗装は「ロールアウト・カラー」として、1号機のトリコロールを基本に四肢および腰部側面の青の部分が赤となっている。ラー・カイラム級を母艦として暗礁宙域でEタイプのテストをおこなったあと、チームAのテストで評価されたSタイプの再テストをニューヤークのキャッツキル山岳演習場でおこなうも、アグレッサー部隊が実弾で応戦してきたため、何者かに奪取されたと判断し、同タイプの大火力で殲滅する。Mタイプのテストはジュノー級潜水艦「ランブルフィッシュ」を母艦としてラブラドル海でおこなわれるが、ランデッガー重工製の水中用可変MSカルハリウスの襲撃に遭うも、なんとか退ける。その後、フロンティア・サイドでギデオン・ブロンダン中尉が搭乗するF89とFタイプで模擬戦をおこない勝利する。ア・バオア・クー宙域でのBタイプでの戦闘記録も確認できるが詳細不明。なお、6月4日に一度パッツィの息子のリヴ・アンゲリカが無断で搭乗して出撃しているが、サナリィ上層部には機構チェックのために別のパイロットが搭乗したと報告している。

    2号機がNタイプの開発用にサナリィ本社に回され、チームBは一旦解散してNタイプのミッションパックを主軸とした新チームとして再編成されることが決定し、最後として7月30日に輸送艦「プレニチュード」を母艦として宇宙でKタイプのテストをおこなう。しかし、ランデッカー重工のオイエル・ランデッガーとグリゼルダ・ジアが搭乗するMSティグリスの襲撃を受ける。グリゼルダ機をビーム・シールドで両断するものの、オイエル機には圧倒され窮地におちいる。リヴが偶然搭乗したハルファイターと合体してNタイプとなり勝利するが、最終的には自分を攻撃する形となり2号機の上半身は大破、パッツィはMIAとなる(詳細はNタイプを参照)。

    0115年に2号機は修復され、6月15日にギデオンをパイロットとしてUタイプで連邦軍アデン基地の宇宙港から打ち上げられ、同じく修復され迎えに来たハルファイターと合体してNタイプとなり、武装商人のハイザック部隊を殲滅。以降はNタイプ装備のまま特務部隊「ファステストフォーミュラ (FF)」所属のディル・ライダー准尉(正体は死亡したと思われていたリヴ)が専任パイロットとなり、10月10日にNGタイプ、10月19日にNFタイプ、日付不明だがNBタイプといった複合装備のテストも兼ねて宙賊と戦う。ハルファイターが整備中の際にはディルに替わってギデオンが搭乗しOタイプのテストをおこなうが、その最中に突如MSA-0120の襲撃を受ける。左肩を破壊され追い詰められるが、敵機は無断で出撃したディルのヘビーガン重装攻撃型に矛先を変えたために救われる。

    0116年には試製ミノフスキー・ドライブ装備でテストがおこなわれ、異常振動が発生するも停止信号を受け付けず暴走、チェイサーのF89とともに行方不明となる。その後、月の暗礁宙域で発見され回収、修理を受ける。ディルが3号機のパイロットとなったため、修理完了後はFF隊のカナタ・サワメ少尉がパイロットに選出され、Tタイプでサイド1コロニー「バーラト」の暴動鎮圧の任に就く。隕石迎撃衛星「トリムールティ」の援護に向かう際には最初はKタイプでF91のビーム・ランチャーに似た兵装を携行、その後PVスペシャルで出撃する。3号機とともに暴走するトリムールティを大気圏に突入させて破壊したあと、疑似人格型AIの判断により単機で脱出、月軌道上でパイロット不在で発見される。