- Height24.6 m
- Weight39.7 t
- Pilotリューネ・ゾルダーク
世界初のアーマードモジュール及びヴァルシオンシリーズの1号機であるヴァルシオンの完成後、当初ビアンはそれをリューネ専用機にする予定だったが、彼女はヴァルシオンのデザインを「可愛くない」と気に入ってくれなかった為、わざわざ予定変更してこの機体を開発したという経緯を持つ。ただし、単なるリューネの我侭だけで造られた趣味の機体では決して無く、元々ビアンも特機型故に機動性に難のあったヴァルシオンの欠点を補う為の機体として、機動性を重視したプロジェクトUR2号機の開発を検討しており、それをリューネの専用機も兼ねて開発したというのが正確な経緯と言える。つまり、1号機のヴァルシオンがスーパーロボットタイプであるのに対し、ヴァルシオーネはリアルロボットタイプのヴァルシオンシリーズと言える。
人間の少女がそのまま人型機動兵器用の装甲を纏っているかのような姿が印象的で、往年の『美少女+メカ』モノをそのまんま巨大ロボとしてデザインした風体となっている。しかし、先に開発されたヴァルシオンで得たノウハウを応用・発展させた開発当時における最新の技術が取り入れられており、天才科学者であるビアン博士の技術の集大成となっている。機動性と運動性を追求すべく特機並の大型であったヴァルシオンに対し25m級までのダウンサイジングで設計され、テスラ・ドライブの搭載によって単独飛行も可能(OGシリーズより)。各部の動力伝達には人工筋肉を採用し、あらゆる動作を柔軟に行えるようになった結果、パーソナルトルーパーのヒュッケバインシリーズにも引けを取らない運動性と機動性獲得に成功している。この機能を最大限に生かす為か、操縦システムには「ダイレクト・モーション・リンク」の試作型が使用され、リューネ搭乗時にはシステムに適用する為の専用パイロットスーツを身にまとっており、本機が「ダブルGの実験機」としての側面も持っている事になっている。ちなみに、それらの恩恵により、人間と変わらない動作のみならずフェイス部分の表情までも変化させる事が可能で、女性型の人型機動兵器は数あれど、ここまで徹底して人間に近づけた機体は他に類を見ないだろう。初見の相手から見れば、「サイボーグ化した巨人の女性」にも見える為、その時に受けるであろう衝撃は計り知れない物と言え、これもまたヴァルシオンと同じく、『外見による異星人への心理的効果』を狙ったコンセプトに則り、インパクト重視の外見とした結果であるのかもしれない(尤も、インパクトのニュアンスはかなり異なるが…)。
武装面においては、ヴァルシオンの武装をダウンサイジングさせた物を装備し、ヴァルシオンと同じ必殺武器として「クロスマッシャー」を搭載。更にサイバスターの兵器「サイフラッシュ」をビアンが独自に解析・研究して開発したMAPWである「サイコブラスター」も搭載しており、現在に至ってもこれやサイフラッシュと同じ原理のMAPWが地球人側はおろか異星人側の勢力でも開発された記録は確認されていない事からも、ビアン博士の驚異的な頭脳を証明していると言える。また、このサイコブラスターのシンクロモジュールは、サイバスターの物と互換性があり、旧シリーズでは、故障させてしまったサイフラッシュの修理に利用されている。
尚、機体にはビアンがリューネに宛てた重要メッセージ(DCの拠点とそれに関連するデータ)が記録されており、そのプロテクトを解除するキーワードは時代劇にちなんだものとなっている。娘の時代劇マニアぶりを熟知している父の愛情の表れである。
後に、パイロットのリューネと共に異世界であるラ・ギアスに召喚され春秋戦争を経験した後、魔装機神を開発した神聖ラングラン王国でラ・ギアスの連金学を応用した強化改造が行われ、ヴァルシオーネRとして生まれ変わっている。