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Web版には登場しない「対空衝角艦」とは、「飛空騎4式装備、空対空突撃仕様飛空船」の略称であり、銀鳳騎士団が鹵獲したクリストバルの座乗していた旗艦飛空船を大改装したものです。この艦には、内蔵式多連装投鎗器(ベスピアリ)が搭載されており、128基全門斉射(アニメ版では124基、全門より少ない斉射数)時の全弾誘導をエルのみが成功させています。全門の同時搭載は不可能ですが、戦闘中に再装填が可能です。また、船首部には装甲強化と衝角の増設が施され、対飛竜戦艦用として改造されています。
さらに、船橋から各種船内機器へのリモートコントロールシステムが追加され、集中管理と省人化が達成されています。帆はエアブレーキとして残されつつも、推進器は起風装置(ブローエンジン)から全魔導噴流推進器(マギウスジェットスラスタ)に変更されました。船上にはツェンドリンブル2騎や、イカルガが一時的に魔力源として使用されています。アニメ版でオラシオはこの推進器を「可変型ジェットスラスター」と呼び、起風装置は撤去され、船尾の魔導噴流推進器は遠隔操作で制御されます。その結果、騎士像(フィギュアヘッド)が撤去され、船体は剣のように鋭く尖ったデザインとなりました。アニメ版最終話では、同型船が5隻就役しているシーンが描かれていますが、これはアニメオリジナルの設定で、文庫版にはその描写はありません。
戦乱終結後、対空衝角艦は武装解除され、輸送船として改装されました。エムリスを含む銀鳳騎士団首脳部や鹵獲物を積んでフレメヴィーラ王国に帰還しました。この際、船長はダーヴィドが務めました。その後の詳細は不明ですが、文庫版の設定によると、「Knight's & Magic Side Story03 ドワーフたちの憩いの時」で、対空衝角艦は大西域戦争時に銀鳳騎士団が建造した最初の飛空船で、後に対空衝角艦を基にしてイズモが建造され、その後失われたとされています。また、10章・浮遊大陸騒乱編では、同型艦がさらに2隻建造されていることが明らかにされています。