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飛竜戦艦(ヴィーヴィル)

飛竜戦艦(ヴィーヴィル)

ジャロウデク王国で建造されたドラゴン型の完全戦闘用飛空船。就役後墜落までドロテオが一貫して騎士像での操縦者兼船長を務めた。古代の魔獣「竜(ドレイク)」を象り、重装甲を施された巨大な船体は幻晶騎士と同様に強化魔法で構造保持された金属内格で構成されており、関節を可動させる事で巨体からは想像できない旋回性を有する。

武装は艦首から放つ主砲の超々大型魔導兵装「火竜撃咆(インシニレイトフレイム)」と、脚部の対艦格闘用の大出力アーム「格闘用竜脚(ドラゴニッククロー)」。それに加え、動力源として船体に埋め込まれたアンキュローサ12機にも多数の魔導兵装が搭載され、通常の法撃だけでなく雷撃系統魔導兵装「雷の鞭(ザファー・ナマ)」で法弾や魔導飛愴をも撃墜する濃密な対空防御網を展開する。船首騎士像も武装している。ただし地上戦闘用幻晶騎士を搭載している記述は作中無く、竜血炉艤装によるエーテル消費量激増を補う為、搭載している地上戦闘用幻晶騎士を降ろして源素供給器を追加艤装する記述もない。

元々は他国への技術流出を想定したオラシオが飛空船を仮想敵とする「空の支配者」として試作し、推進力不足からお蔵入りとなっていた物であったが、イカルガの目撃情報から魔導噴流推進器を、法撃戦仕様幻晶騎士から複数の魔力転換炉を並列接続する動力方式を得た事で実用化に至った。二隻目以降の建造・量産も検討されたが、試作品として建造されたため、量産にあたっては大規模な設計変更が必要であること、併せて長期に渡る建造期間と莫大な建造費・必要資源で、今次戦争には間に合わないと判断され棄却された。

大軍を擁する城塞都市をも単艦で蹂躙する強大な戦闘能力を有するが、騎士像を合わせ13機分の魔力転換炉を以ても魔導噴流推進器を常時稼動させるには魔力出力が足りず、戦闘中も帆を用いる巡航用の推進方式に切り替え魔力回復を待たなければならない。文庫版では最終決戦前の修理で竜血炉を追加艤装し、それを含む全魔力転換炉へ高濃度エーテルを供給する最大化戦闘形態(マキシマイズ)中は魔力不足が解消されたが、浮力源となるエーテルを大量に消費する上魔力転換炉の急速な劣化を招く諸刃の剣でもある。

アニメ版では特殊弾(金属粉と硫黄粉と硝石粉を混合した煙幕)が装備されており、魔導噴流推進器の破壊や機能停止を狙った対イカルガ用兵装として実戦投入され、魔導噴流推進器が不調になったイカルガは墜落した。ただし、同じく魔導噴流推進器に吸い込んだと思われる飛竜戦艦の魔導噴流推進器は推進を続けており、その後イカルガの魔導噴流推進器エアインテークにもフィルターが増設されているので、準備をすれば対処は可能。また、格闘用竜脚の爪先を射出する近接防御ギミック(ドラゴニッククロー)がある。マキシマイズ状態では溢れ出た魔力が飛竜戦艦を拡大したように形取る。竜の頭部に船橋が設けられ、ドロテオはここで指揮を執り、船橋機能喪失後移動する座席で船橋の上部に位置する騎士像内に移動し、戦死までの短期間操縦した。

文庫版・アニメ版では四方楯要塞(シルダ・ネリャック)防衛戦、Web版本編ではロカール諸国連合の西端城砦群付近で、イカルガ・対空衝角艦(ジルバヴェール:文庫版・アニメ版)・ストールセイガー(Web版本編)・ツェンドリンブル等に破れ、墜落粉砕した。

Web版本編では、後にパーヴェルツィーク王国で建造された改良型の二番艦、文庫版では詳細不明な同型艦が登場する。

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