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機体リスト
機動戦士ガンダム MS IGLOO

共收録 6 台の機体。
  • ヅダ

    • Height17.3 m
    • Weight61 t
    • Pilotジャン・リュック・デュバル

    型式番号:EMS-10

    ジオン公国の兵器メーカー、ツィマット社によって開発されたモビルスーツで、EMS-04を原型としている。EMS-04は制式採用からは外れたものの、その後も開発が続けられ、エンジンを「土星エンジン」へ換装するなどの改良が施され、U.C.0079年10月にEMS-10 ヅダとして完成した。

    高性能な新型モビルスーツとして大々的に宣伝されたが、EMS-04から続く機体強度の問題は完全には解決されておらず、劣勢にあったジオン公国の対地球連邦プロパガンダとして利用された側面もある。

    それでも、製造された4機のEMS-10 ヅダは、機体強度の許容範囲内における機動性ではザクIIを上回る性能を発揮した。

  • ビグ・ラング

    • Height138 m
    • Weight12000 t
    • Pilotオリヴァー・マイ

    型式番号:MA-05Ad

    本機の開発はU.C.0079年12月に始まり、ア・バオア・クー攻防戦の直前に完成した。制御ユニットにはビグロ後期型の6号機が使用されており、放棄されていた複数の計画の中から1週間で実用可能な案を選定し、Adユニットとして急造された。

    本機は「機動前線橋頭保」に分類される機体であり、大推力を活かして一撃離脱戦法を得意としていたビグロに、大質量のコンテナを接続した構造となっている。しかしこの接続により、ビグロ本来の機動性は大きく損なわれる結果となった。

  • ヒルドルブ

    • Height13.3 m
    • Weight220 t
    • Pilotデメジエール・ソンネン

    型式番号:YMT-05

    本機は、戦車とモビルスーツ(MS)の利点を融合させ、地球侵攻作戦の中核戦力として試作された超弩級戦闘車両である。地上用モビルアーマーとは区別され、「モビルタンク」というカテゴリーに分類されている。

    ジオン公国が軍事力による地球制圧を国家戦略に掲げる中で、大気圏内用兵器としてマゼラアタックなどのAFVを開発する流れの中、巨大な要塞やビッグ・トレー級陸戦艇のような目標を破壊するための超弩級戦車として、宇宙世紀0072年に開発が始まった。

    当初は核融合炉と大砲を搭載した巨大戦車として構想されていたが、宇宙世紀0074年にザクIがロールアウトすると、汎用性に乏しい本機の価値が問われるようになり、開発計画は見直しを迫られることとなった。以降、モビルスーツのような上半身構造や、MS兵器に対応可能なマニピュレーターの搭載などが進められ、宇宙世紀0077年に完成を迎えた。

    その設計にはMS開発の影響が色濃く反映されており、モノアイやショベル・アームユニットの採用、さらにはザクIIのマニピュレーターを流用してMS用火器の使用も可能に。巨体ながら搭乗員1名での操縦が可能であり、「モビル形態」と呼ばれる半MS形態へ変形することで、高所からの視認や射撃、ある程度の近接戦にも対応できるようになった。ただし、この形態では車高が高くなるため、被弾リスクも増加する。

    主砲である30cm砲は、宇宙戦艦から転用されたもので、最大射程は32〜35km、有視界戦闘でも20kmの射程を誇る。各種砲弾の使い分けも可能で、地上制圧用兵器として高い威力を有していたが、砲身位置が高くなるモビル形態では、横向きに砲撃した際に反動で車体が傾くという問題もあった。

    こうした野心的な設計が多く盛り込まれた本機であったが、地球侵攻を前にジオン軍の地上戦術の見直しが行われ、宇宙世紀0077年の運用試験段階で計画は中止され、正式採用や量産には至らなかった。コスト面でマゼラアタックに大きく劣っていたことも不採用の大きな要因とされており、地上制圧にはMSとマゼラアタックの連携運用で十分と判断された。

    また、本機のような巨体に無限軌道(キャタピラ)を採用したことも、大きなデメリットとなった。運用可能な路面や橋梁が限られ、砂漠や平原以外では運用が困難であり、専用の大型運搬車両も存在しなかったため、故障時には回収もできない「動かない荷物」となる可能性が高かった。

    最終的には、ガウやマゼラアタックと同様、ジオン公国が理論先行で開発した地上兵器の一つとして終わった。唯一製造された試作機は、戦局打開の名目で宇宙世紀0079年5月9日に実戦投入されたが、試験終了後に現地へそのまま残され、事実上の廃棄とされている。

  • 陸戦強襲型ガンタンク

    • Height13.7 m
    • Pilotアリーヌ・ネイズン, ミロス・カルッピ, ドロバ・クズワヨ

    型式番号:RTX-440

    OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』に登場する機体で、メカニックデザインは山根公利。型式番号は「RTX-440(アールティーエックスよんよんまる)」と読む。

    この機体は、ジオン公国による地球侵攻作戦において、連邦軍の主力戦車である61式戦車がザクに歯が立たない状況を受けて、新たな地上戦力の必要性から復活した兵器開発計画の一つとして誕生したもの。ガンタンクのプロトタイプではないRTX-44をベースに、ザクとの戦闘データを反映した改修が加えられている。

    開発の段階ではコア・ブロック・システムの導入も検討されており、そのためコックピットの内部構造はコア・ファイターやジム系MSと共通点が見られる。頭部にあたる部分はセンサー・ユニットとなっており、側面にはスモークディスチャージャーを装備している。

    本機最大の特徴は、戦況に応じて二つの形態に変形できる点にある。通常形態は全高が高く、220ミリキャノン砲の射角と視界を確保するのに適しているが、重心が高く機動性にはやや欠ける。一方、突撃砲形態では、上半身を前方にスライドさせて前傾姿勢をとり、サブ・クローラーで支えることで重心を下げ、機動性と防御性を向上させる。この形態は主に接近戦に持ち込むための移動形態と位置づけられている。通常形態では上半身の旋回も可能。

    武装面では、右腕に4連装、左腕に火炎放射器と30ミリ機関砲を組み合わせた2連装の複合火器「ボップ・ガン」を装備。火炎放射器用の燃料タンクは車体後部左右に1基ずつ設置され、使用後には爆発ボルトで排除できる。

    さらに、履帯の外側には追加武装の搭載も可能で、実戦時には右側に陸戦型ジム用のMLRS(多連装ロケット・システム)と重地雷4基、左側には56連装ロケット・ランチャーを装備している。これら多数の武装を制御するため、火器管制システムの運用には高い技術が求められ、実戦参加時には開発に関わった技術士官がパイロットとして任命された。

  • ゼーゴック

    • Height13.2 m
    • Weight212 t
    • Pilotヴェルナー・ホルバイン, ヒデト・ワシヤ

    型式番号:MSM-07Di

    モビルダイバーシステム(MDS: Mobile Diver System)は、衛星軌道上から大気圏へ突入し、地上・海上・空中の敵に対して奇襲攻撃を行うことを目的とした特殊兵装である。本システムは、管制・機動ユニットと大量兵器輸送用コンテナ(LWC: Logistics Weapon Container)によって構成されている。

    当初は専用の機体が用意される予定だったが、計画の前倒しにより、戦線を離れ活躍の場を失っていたズゴックが流用されることとなった。ズゴックは水中および大気圏内で運用可能な熱核ハイブリッド・エンジンを搭載しており、各部が耐圧ジョイントで接続されていることから、管制・機動ユニットとしての改修が比較的容易だった。また、既存機体の流用であるため、作戦終了後に廃棄しやすいという利点もあった。

    ズゴックの上半身部分(ズゴック・ユニットと呼称)には、大推力のダイブ・マヌーバー・ユニットと、LWC接続用のパイロン、ブースターおよびプロペラント・タンクが取り付けられている。右腕はセンサー・ユニットに換装されており、武装は左腕に搭載されたメガ粒子砲のみとなっている。

    作戦では、MDSは衛星軌道から降下し、武装を使用後にLWCを切り離して投棄。その後、ガウ級攻撃空母に収容されてパイロットが回収され、本体はそのまま破棄される。パイロットのみが宇宙へ帰還する流れとなっている。

    コックピットは通常のズゴックと異なり、統合整備計画に準じた仕様に換装され、複座型に改修されている。後部座席は簡易的なものでモニターのみを備えているとされる一方で、火器管制も可能とされている。

    当初は実証試験機として2機の製作が予定されていたが、最終的には7機が追加で製造された。

  • オッゴ

    • Height7.8 m
    • Weight57.8 t
    • Pilotエルヴィン・キャディラック, フリードリッヒ・カッテル, フランツ・プラント, ジオン公国軍一般兵

    型式番号:MP-02A

    一年戦争末期、ジオン公国軍の戦局悪化に伴い、技術本部の主導で「決戦兵器」として緊急開発された駆逐モビルポッド。疲弊した国力でも量産可能な機体を目指し、複数の企業のプロジェクトを統合、既存の生産ラインやザク用の部品を流用する設計となっており、正規な手続きを経ずにそのまま量産が開始された。

    本機の開発には、既存兵器のリサイクルが多用されており、ザク・マシンガンなど既存の装備や、戦線縮小により不要となった地上用ザクII(J型)のジェネレーターを活用している。プロトタイプは宇宙世紀0079年11月に完成し、その外見から連邦兵士には「ジオンのゴミ箱」や「ドラム缶の化け物」と呼ばれることもあった。

    宇宙戦用に設計されたが、冷却機能を持たない地上用ジェネレーターを使っているため、ロケットエンジンを常にアイドリングさせて冷却システムや作業アームを作動させる設計思想となっている。メインカメラはモノアイ式で、旋回式の頭部に直接取り付けられている。

    胴体両側のシリンダー内部には、大推力用と巡航・アイドリング用の2種類の推進剤が搭載されており、本体の大部分がプロペラントとなっていることから、比較的長時間の稼働が可能。作業用アームは下部に折り畳まれて収納されており、武器の把持や格闘、物資の運搬も可能。

    武装は、固定化されたザク・マシンガンやザク・バズーカなどをドラムフレームのアタッチメントに搭載。さらにロケット弾やシュツルム・ファウストなど、MS用の火器を装備することもできる。ただし、ビーム兵器は非対応。ドラムフレームを回転させることで、本体の向きを変えずに背後の敵に対応することもできる。柔軟な装備運用と運動性能により、計算上は連邦のボールを上回る戦闘力を持つとされた。

    機体色は明るいカーキで、胴体左側のシリンダー前部には3桁の番号が描かれており、前2桁が小隊番号、最後の1桁が小隊内での機体番号を示す(例:「021」は第2小隊1番機)。大戦末期に少数が実戦投入されたが、生産数は明らかにされていない。