サイド2のザンスカール帝国が戦争を起こしたU.C.0153年。サイド3で、かつてはジオン公国の首都ズム・シティであったムンゾに住むMSマニアの高校生フォント・ボーは、趣味のネットサーフィンで偶然ザンスカール帝国のサイコミュ兵器「エンジェル・ハイロゥ」に関する機密情報を探り当ててしまったために、ザンスカールに追われる身となる。そこでフォントの前に現れたのは、兎のぬいぐるみを持つベルという名の謎の少女と、カーティス・ロスコと名乗る盲目の男、そして既に全機が喪失し現存しないはずのクロスボーン・ガンダムであった。
カーティス・ロスコは、「神の雷計画」の失敗後に帝政が瓦解し共和政に移行していた木星の中で、父クラックスの遺産を受け継ぎテテニスが当主を務める「ユピテル財団」の所有する特殊部隊「蛇の足(セルピエンテ・タコーン)」の隊長であり、ベルはテテニスの一人娘であった。木星共和国本部の意思を離れ「海賊軍」を名乗って活動することを宣言したユピテル財団の活動に身を投じることになったフォント。やがて、宇宙細菌兵器「エンジェル・コール」を巡り、海賊軍・ザンスカール帝国に加え、木星のタカ派独立部隊「サーカス」、リガ・ミリティアらが入り乱れ、複雑な駆け引きや争奪戦が繰り広げられる中で、フォントは従来ニュータイプと称された人々とは異なる、豊富な知識と常人離れした計算力を活かしたMS操縦技術を開花させていく。