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ハシュマル

ハシュマル

火星のクリュセ地方で開発がすすめられていたハーフメタル鉱山の採掘場から発掘された謎の大型人工物。周囲からはモビルワーカーのような機械も同時に掘り出され、発見当初はその正体が誰にも判断できなかった。だが、巨大な鳥のような形状をしたこの人工物こそが、厄祭戦において人類が戦った敵であり、世界人口の約四分の一もの命を奪った「モビルアーマー」だった。
モビルアーマーとは、人間を殺戮するために進化を遂げた自立型の無人兵器で、その主動力にはエイハブ・リアクターを搭載している。表面装甲はナノラミネートアーマーによって強固に守られているため、破壊するのは容易ではない。随伴の小型機「プルーマ」を大量に従えた運用スタイルが基本のため、たった一機を撃墜するにも、大規模な戦力を人類は用意する必要があった。火星で見つかったこの機体の個体名は「ハシュマル」であることが後に判明する。厄祭戦の当時はこのようなモビルアーマーが無数に存在していた。

モビルアーマーと人類の大戦が勃発する以前、機械の自動化は人々の豊かさの象徴の一つであり、やがては戦争の自動化も各勢力の間で積極的に推し進められたと言われている。だが、効率を突き詰めるあまり、その中で開発されたモビルアーマーは、過剰な殺戮兵器へと進化を遂げ、人類の手に余る存在となった。結果として、人々はモビルアーマーに対抗するため、モビルスーツ開発に乗り出し、無人兵器の廃絶と、機械化技術を禁忌とする風潮をギャラルホルン体制のもとで作り上げることになる。

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