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機体リスト
機動戦士ガンダム アグレッサー

共收録 9 台の機体。
  • ペイルライダー

    • Height18 m
    • Weight43.7 t
    • Pilotクロエ・クローチェ

    型式番号:RX-80PR

    「ペイルライダー計画」は、連邦軍のレビル派高官であるグレイヴによって極秘裏に推進された計画で、RX-80をベースに開発された高性能MS「ペイルライダー」がその中心機体となっています。この機体は、EXAMシステムを基に開発された特殊システム「HADES」を搭載し、『ヨハネの黙示録』に登場する「死を司る第四の騎士」にちなみ「ペイルライダー」と名付けられました。機体はペイル・ブルーを基調とした塗装が特徴です。

    ペイルライダーの頭部は、ガンダムタイプとジムタイプの中間的な外観を持ち、ツインアイにゴーグルを装着しています。また、機体各所にアタッチメントを備え、拡張性に優れ、さまざまなオプション兵器が使用可能です。バックパックはガンダム4号機・5号機と同様のもので、空間戦仕様ではプロペラント・タンクとスラスターを追加し、稼働時間の向上が図られています。脚部スラスターはジム・スナイパーIIのものを基に高出力化され、さらに側面には増加スラスター・ユニットが装備されています。

    HADESシステムが発動すると、機体各部の排気口が強制排気で赤熱化し、各部センサーも赤く発光します。これはEXAMシステムを模倣した機械的な機能で、EXAMのようなサイコミュシステムではなく、膨大な戦闘データをもとに敵の行動を予測し、場合によってはリミッター解除や操縦介入を行う半自律型のOSです。

    「ペイルライダー計画」は、HADESシステムに適応させるためにパイロットに肉体改造を施す非人道的な研究も含まれていたとされています。HADES自体はサイコミュを必要としないシステムとして完成しており、サイコミュ受信機の搭載はあるものの、実際に機能するかは疑問視されています。

  • ホワイトライダー

    • Pilot--

    型式番号:RX-80WR

    ペイルライダー・キャバルリーは、ペイルライダー計画の試作1号機であり、漫画『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』第2巻巻末の解説が初出となります。後にゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション Code Fairy』でその外観や詳細が明らかになりました(型式番号:RX-80WR)。

    この機体は、複合型特殊武装「シェキナー」およびHADESの火器管制補助システムの検証を主目的として開発されました。頭部にはHADESの最初期型である火器管制用補助システム"ZEUS"が搭載されていますが、小型化には至らず、王冠を被ったようなデザインになっています。これは、サイコミュ受信機の再現を試みたものの、一部のアンテナ状フレームが装甲に収まりきらなかったためです。試作2号機以降では、小型化されたサイコミュ受信機が搭載されています。

    主兵装である試作型「シェキナー」は、ランドセル下部右側のアームに接続されており、これは高出力ビーム砲のテストが主な目的です。しかし、その高出力ゆえに冷却機構が必要であり、メガ・ビーム・ランチャー形態時には上下部が展開して砲身が伸び、ボウガンのような形状になります。背部には、ジェネレーターを直接冷却するための展開式の大型放熱板が搭載されていますが、これは出力が高すぎて他のビーム兵器を使用不能にすることが確認されており、量産検討機では出力が抑えられています。

    この機体は、ペイルライダーの完成によって役目を終え、ブラックドッグ隊によって北米反抗作戦で運用されました。カラーリングは白とライト・グレーを基調に、一部が黄色で塗り分けられています。

  • レッドライダー

    • Height18 m
    • Pilotチェイス・スカルガード, クルーガー

    型式番号:RX-80RR

    ペイルライダー計画の試作2号機は、ペイルライダー開発のためのデータ収集とフィードバックを目的とした実験機です。この機体によって、ペイルライダーの基本仕様がほぼ決定しました。試作2号機とペイルライダーの相違点としては、腕部ビーム・ガンや股間部スラスターが装備されていない点が挙げられます(ただし、スペック表には腕部ビーム・ガンが記載されています)。両肩部や膝部、コックピット・ハッチにはジム・ストライカーと同型のウェラブル・アーマーが装備されており、塗装は赤と白を基調としています。赤いバイザーを持つことから、ジオン公国軍兵士からは「赤帽子」と呼ばれています。

    HADESシステムのデータ収集や、リミッター解除時のパイロットへの負荷検証が主な目的で、リミッター強制解除を一時的に制御する試作システム"AREUS(アレス)"が搭載されています。AREUS発動時には運動性能が150%向上しますが、パイロットには死に至る危険性があるほどの負荷がかかります。パイロットが失神または心肺停止した場合には、電気ショックによる蘇生プログラム"Rymm・Va(リム・バ)"が起動します。また、この機体には音声対話型コンピューターが搭載されており、会話によってAREUSの発動や機体調整が可能です。

    武装としては、汎用90ミリマシンガンやヒート剣と一体型の試作型100ミリマシンガンがあり、この100ミリマシンガンは技術部のエルザが設計したもので、銃身の上下に伸縮式のヒート剣を装備しています。これらは射出も可能です。防御兵装としてはショート・シールドのほか、ジャブローで受領した専用の攻防一体兵装「ツヴァイ・ハンダー」を装備しています。

  • ブラックライダー

    • Pilot--

    「プロジェクトペイルライダー」における開発系譜図で「ペイルライダー計画試作3号機」として初登場し、『バトルオペレーション Code Fairy』でその名称や外観が明らかになった本機(型式番号:RX-80BR)は、すでにレッドライダーによってHADESのデータ収集が完了していたため、ペイルライダーとは直接関係のない特殊装備の実験機として位置付けられています。

    搭載された「THEMIS」は、のちのペイルライダー・キャバルリーに搭載される簡易HADESの試作版です。このシステムにより、格闘戦性能が一時的に強化されますが、ホワイトライダー同様、再発動は不可能です。頭部には特徴的なセンサー・ユニットが搭載されており、胸部の廃熱ダクトは小型化されています。

    背部には、天秤のような形状の高度な電子戦用試作戦術ユニット「steelyard」を装備しており、さらに試験的な光学迷彩システム(アクティブ・カモ)を搭載しているため、ステルス性能が高くなっています。しかし、ビーム兵器は装備されておらず、近接戦闘に特化しています。両腰にヒート・ダガー、左前腕部にスタン・アンカー(ヒート・ロッドのような武器)を装備し、射撃兵装としては陸戦用ジムのレール・キャノンを携行しています。さらに、右前腕部にはグレネード・ランチャー、フラッシュ・グレネード、ビーム攪乱幕弾も装備されています。

    特殊装備のデータ収集が完了した後、ホワイトライダーとともにブラックドッグ隊に配備されました。機体のカラーリングは黒を基調としており、ソール部など一部が赤で塗られています。

  • ペイルライダー・キャバルリー

    • Pilotトラヴィス・カークランド

    漫画版『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』に登場するペイルライダー計画の集大成である量産検討機「ペイルライダー・キャバルリー」(型式番号:RX-80PR-2)は、量産化を目指して再設計された高性能MSです。「キャバルリー(騎士団)」の名が示す通り、量産化を前提とした安定性とコストダウンのために余剰な装備が排除されつつも、依然として高い性能を誇ります。

    機体の頭部には額にV字アンテナが追加され、ツイン・アイのゴーグルが廃され、ガンダムタイプに近いデザインとなっています。塗装は白・青・赤のトリコロールカラーを採用しています。HADESシステムは一般兵士向けにデチューンされており、リミッターが設けられているものの、発動時には戦局を変えるほどの力を発揮します。ただし、その発動にはパイロットに大きな負担がかかり、暴走の危険性も残されています。

    主兵装は複合型特殊武装「シェキナー」で、ジャイアント・ガトリング、メガ・ビーム・ランチャー、マイクロ・ミサイル・ランチャーが一体化しており、装備時の重量を抑えています。試作型シェキナーよりもビームの出力が抑えられているため、火力不足を補うためにミサイルランチャーが増設されています。さらに、頭部バルカン砲、ビームサーベル(兼ビームジャベリン)×2、ハイパービームライフル、シールドが標準装備となっています。また、原型機にはない増加装甲が胸部、肩部、腰部、膝部、足首に施されています。

    物語の中で、この機体はグレイヴが座乗するペガサス級強襲揚陸艦「フォレスタル」に随伴するアンティータム級補助空母に搭載されますが、スレイヴ・レイスによって奪取され、トラヴィス・カークランド中尉が搭乗してフォレスタル撃沈を試みます。しかし、ビグ・ザムの砲撃をHADESによって回避した際、トラヴィスは脳震盪を起こします。その後、エドワード・リーによってシールドにスレイヴ・レイスの部隊章が描かれます。

    ア・バオア・クー攻防戦では、マルコシアス隊を全滅させたペイルライダーとの交戦で行動不能となり、最終的にフォレスタルのブリッジへの接近を経て、バルカン砲でグレイヴの暗殺を遂げます。その後、この機体の去就は不明です。

    ゲーム版には登場せず、展開も異なることから、この実機の存在については一部資料で疑問視されています。

  • ペイルライダー・デュラハン

    • Pilotフィル・デール

    漫画版『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』に登場する「デュラハン」(型式番号:RX-80PR-3)は、WEB企画『アナハイム・ラボラトリー・ログ』第2話でその名称と型式番号が明かされました。作中では単に「デュラハン」と呼ばれ、一年戦争終結後に組み立て途中で放棄されていた「キャバルリー」を元に復元された機体です。

    この機体にはHADESが搭載されていないため、首なし騎士「デュラハン」のコードネームが付けられましたが、それ以外はキャバルリーとの大きな違いはありません(ただし、キャバルリーに施されていた増加装甲は装備されていません)。また、専用武装であるシェキナーも失われており、ジーライン・アサルトアーマーのヒート・ランスやジム・ガードカスタムのガーディアン・シールドなど、他の機体の特殊装備を使用しています。さらに、ハイパー・バズーカといった汎用兵装も装備されています。機体の塗装はブルー・グレーとクリーム・イエローを基調としています。

    操縦者はHADESの被験体で生き残ったフィル・デールであり、宇宙世紀0080年6月5日に地球に降下するコムサイにペイルライダー(グライスナー機)が搭載されていることを偶然発見し、HADES奪還のために追撃します。マリアナ諸島での戦闘では、ペイルライダーと激しく交戦し、組み敷かれて共に湖に沈み、最終的にはペイルライダーのバックパックの爆発によってデュラハンは大破します。この機体はゲーム版には登場していません。

  • ペイルライダーD II

    • Height18 m
    • Weight43.7 t
    • Pilotロビソン・シュライカー, クロコッタ・ムアサド, レト・シーア

    型式番号:RX-80PR-4

    『アナハイム・ラボラトリー・ログ』第2話に登場するペイルライダー・デュラハンの兄弟機は、宇宙世紀0084年にオーガスタ研究所で近代化改修が施された後継機です。ティターンズが次期主力機としてジム・クゥエルに代わる機体を検討していた段階で、データ収集を目的に運用されており、濃紺を基調としたティターンズ・カラーで塗装されています。

    この機体は、ジム・スナイパーIIをベースとしており、デュラハンのファーストロット損失後に新たにセカンドロットとして用意されました。HADESは搭載されていないままですが、リニア・シートの導入、センサー類やアビオニクスの刷新、スラスターの強化などにより性能が向上しています。頭部はV字アンテナが廃され、初代ペイルライダーに近いゴーグル付きのカメラ・アイを持ち、シェキナーや増加装甲も備え、中距離戦闘に対応できるようになっています。

    宇宙世紀0084年9月、アレキサンドリア級重巡洋艦アル・ギザ所属の第7小隊に配備され、ジオン残党軍と交戦。ガルバルディα1機を撃破するものの、青い高機動型ガルバルディαに両腕を切断され、戦闘不能となります。

    漫画『機動戦士ガンダム ウェアヴォルフ』では、0087年にティターンズ所属のペガサス級強襲揚陸艦「ヘカーテ」に3機が搭載され、ロビソン・シュライカー大尉とクロコッタ・ムアサド少尉が搭乗。ロビソンがウェアヴォルフを奪取した際、補欠パイロットのレト・シーア少尉が本機に急遽搭乗し、整備士から受け取ったビーム・ジャベリンでウェアヴォルフのコックピット・ハッチを破壊し、ロビソンは戦死します。戦闘で損壊した頭部はバーザムのものに換装され、その後も運用されました。

  • トーリスリッター

    • Height22.8 m
    • Weight56.8 t
    • Pilotクロエ・クローチェ

    型式番号:AMX-018[HADES]

    一年戦争末期にジオン残党が鹵獲したペイルライダーを、ネオ・ジオン軍が改修した機体で、その名称は「死の騎士」を意味するドイツ語「トーデスリッター」に由来します。『サイドストーリーズ』の監督である徳島雅彦によれば、この名称は「非公式設定」であり、ジオン訛りのひどい開発責任者の発音が誤って登録されたものの、ジオン系は語感重視の傾向があるため修正されなかったとされています。

    ペイルライダーは10年間、ジオン残党やネオ・ジオン軍によって改修が続けられ、HADESは解析不能なブラックボックスとなっていました。しかし、パイロットのクロエ・クローチェが健在であったため、HADESを活かす形で改修が進められました。ただし、旧来のセミ・モノコック構造のままでは性能強化が限界に達していたため、ムーバブル・フレーム構造に置き換え、ネオ・ジオンの最新技術を組み込むことで、頭部や胸部パーツなどメインブロック以外は完全に新しく設計されました。さらに、バックパック中央にはサブ・ジェネレーターを搭載しています。

    武装面では、バックパックのスラスター・バインダーにインコムを6基装備し、それぞれにトライブレードが接続されており、インコム射出後にトライブレードを放つといったトリッキーな攻撃が可能です。両肩にはサブ・アームが内蔵され、バックパックに装備されたハイパー・ビーム・サーベルを使用できます。また、ガ・ゾウムのハイパー・ナックルバスターとバウのメガ粒子砲付シールドを携行し、通常型のビーム・サーベルは前腕部に格納されています。

    宇宙世紀0090年、トーデスリッターはシャア・アズナブル大佐率いる新生ネオ・ジオン軍に合流しますが、パイロットのクロエはHADESの影響で心身ともに限界に達していました。ヴィンセントのギラ・ドーガとともに、グレミー・トト派のネオ・ジオン残党を偵察する任務に出る際、HADESが勝手に発動し、グレミー派と交戦します。クィン・マンサとの激しい戦闘の末、HADESは限界に達して自壊し、クロエは脱出カプセルで辛くも生還します。

  • ガンダムピクシー

    • Height19.2 m
    • Weight39.8 t
    • Pilotボルク・クライ, コルテス フレッド・リーバー, ダグ・シュナイド, ドリス・ブラント, リリス・エイデン

    型式番号:RX-78XX

    本機は、一年戦争末期に連邦宇宙軍、陸軍、海軍、空軍の共同による次世代MS開発計画「G-4計画」において開発された機体で、特に陸軍主導で開発されたとされる資料もあります。3機が生産され、そのうちの1号機はベルファスト、3号機はアフリカに配備され、2号機が「死にゆく者たちへの祈り」に登場します。この2号機は、ホワイトベース隊のアムロ・レイに届けられる予定でしたが、輸送任務を担当したアルバトロス輸送中隊がオデッサへ向かう途中、ゴビ砂漠でジオン公国軍のウルフ・ガー隊など複数の部隊からの攻撃を受け、最終的に届けられることはありませんでした。

    本機にはアポジモーターが増設されており、地上での瞬発力はRX-78-2 ガンダムを上回り、当時の地球圏最速とされています。装甲には対実弾兵器用のものが採用されており、「ビーム・ステルス・コート」と呼ばれる特殊なコーティングも施されていますが、その詳細は不明です。また、軽量化のためにコア・ブロック・システムや宇宙空間用スラスターが取り除かれていますが、教育型コンピューターは搭載されています。

    本機は、高速戦闘や地上での機動性に特化しており、装備や設計がガンダムと異なる特徴を持つ新世代のモビルスーツとして期待されていましたが、戦況の悪化によりその潜在能力を十分に発揮することなく終わったとされています。