ミケーネ帝国の総司令官であり、七大将軍をまとめる存在。ミケーネ本土に居城を構えている。姿は甲冑をまとった武人のようで、胸から腹にかけて改造前の顔が残されている。
武器は腰に携える全長20メートルの大剣で、一振りするだけで強風を巻き起こす力を持つ。また、両目からは高熱の光線を放ち、口からは炎を吐く。マントは鋼鉄製で重く、敵にかぶせて動きを封じることも可能。
元々はアレス王国の鬼将軍だったが、闇の帝王との戦いに敗れた後、その武勇を評価されて戦闘獣として蘇り、忠誠を誓うようになった。古代ミケーネ王国を侵略した頃にはすでに戦闘獣となっており、当時は人間と同じ大きさであったと解釈されている。
正面からの戦いを好む性格であり、情報戦を重視するアルゴス長官ら諜報軍とはそりが合わないが、必要な時には協力を求める柔軟さも持つ。かつて罰を受けたユリシーザーとアンゴラスの赦免を闇の帝王に願い出るなど、温情ある一面も見せている。
物語の中盤では、部下たちの失敗に業を煮やして自ら作戦指揮をとり、ヤヌス侯爵の援護を受けながらグレートマジンガーとの一騎打ちに臨む。あと一歩まで追い詰めるも、油断から弱点である顔を貫かれ戦死。その壮絶な最期には、闇の帝王や七大将軍だけでなく、対立していた者たちや敵までもがその死を悼んだ。
暗黒大将軍の死後、第36話から新たに登場した幹部であり、その正体はミケーネ帝国の科学力によって戦闘獣として蘇ったDr.ヘル。上半身のみの状態で、左目にアイパッチを付けた彼の姿が地獄大元帥の頭部に埋め込まれており、本体から分離することはできない。死の淵から蘇生された恩を感じており、闇の帝王に忠誠を誓っている。
初登場時には、科学要塞研究所のメンバーとモニター越しに会話する場面があるが、Dr.ヘルの存在に対して驚く者はおらず、その後も明確に気づく描写はなかった。
人間味のある描写があった生前とは異なり、復活後は冷酷かつ非情な性格で、ためらうことなく過激な作戦を実行する。暗黒大将軍のような武闘派ではなく、科学者としての知略を駆使して戦闘獣を生み出し、鉄也たちを追い詰めていった。就任直後には「ミスを犯した者は即処刑」と七大将軍を威圧したものの、実際には誰も処刑されていない。
攻撃的な性格で、右手が剣となる「地獄サーベル」、全身から放つ高熱の「白熱ビーム」、頭部の角から放たれる雷の球「球電ショット」、そして超合金ニューZさえも破壊する「超破壊音波砲」という4つの武器を持つが、劇中ではいずれも使用されることはなかった。
物語の中盤では、グレートマジンガーを磔にして鞭で打つ夢を見たり、兜甲児への憎しみからマジンガーZの人形を破壊したりする場面が描かれるが、最後まで直接対決の場はなかった。そのため実力は不明のまま終わるが、続編『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』では彼に似た戦闘機械獣が登場し、マジンガーZを圧倒する戦闘を見せている。
最終話では、集中攻撃を受ける要塞デモニカの中に留まり、その爆発に巻き込まれて戦死した。
なお、永井豪による漫画版では最終決戦でマジンガーZおよびグレート・マジンガーと交戦し、バリヤーマントでミサイル攻撃を無効化し、全身から放つ高熱の「ヘル=ファイアー」で優勢に立つも、最終的にはグレート・マジンガーのサンダー=ブレードによって撃破された。