『鉄(くろがね)の城』と謳われる搭乗型のスーパーロボット。設計開始から15年の歳月が費やされ、1972年10月10日に完成した。全長18m、重量20t。 兜十蔵博士の手によって、Dr.ヘルの野望を阻むべく別荘の地下で秘密裡に造り上げられていた。装甲は超合金Z、光子力エネルギーによる光子力エンジンで動く。
マジンガーZの出力は通常、多くの文献で65万馬力とされている。また劇中では第32話と第71話の2度「出力をアップした」との発言があるが、具体的数値は語られておらず、最終的な出力は不明。続編『グレートマジンガー』の終盤ではさらに強化され、ボディを超合金ニューZ化した[注釈 87]とする説がファンの間では通説となっているが、TVアニメ版で装甲の換装やパワーアップについて言及されたことは無い(なお、続編の位置付けである『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』におけるマジンガーZの装甲は超合金ニューZになっている)。戦闘能力はアメリカ海軍第7艦隊に匹敵する。
出撃に際しては「マジンゴー」のコールによって光子力研究所敷地内の汚水処理場の水を割ってリフトアップされ(第3話から)、兜甲児の乗るホバーパイルダー、もしくはジェットパイルダーが頭部に合体(パイルダーオン)することでコントロール可能となる。なお、その働きが描かれたことは無いが、頭の冠部分は電磁バリヤーとなっている(第18話)。
アニメーション上の演出として、Zの有する様々な武器をパイロットの甲児が手探りで模索しながら駆使し、折々にパワーアップ改造を施しつつ徐々に強化されていく手法が取られている。その最たるものが第34話より装備されたジェットスクランダーの存在である。当初Zは単独では空を飛べず、空飛ぶ機械獣に翻弄されるケースが多々見られたが、ジェットスクランダーとの合体(スクランダークロス)により飛行能力を得て弱点を克服した(詳細は“ジェットスクランダー”の項で後述)。
アニメ放送開始直後の数話は「手首から先が白く彩色されている(第2話)」「足の形状が角張っている(第4、8話)」「光子力ビームの色(第2、6、9、13話ほか)やブレストファイヤーの放射エフェクトがまちまち(第8、9、15、20話ほか)」といった作画の不統一があった。甲児も当初は技名を叫ばずに無言で武器を繰り出しており、第5話で「ブレストファイヤー」と叫んだのが初めて。また、顎の部分の詳細な設定が無い。
作中で描かれる季節や行事が実際の放映時期とシンクロしていることから、オンエア期間がそのままリアルな戦闘期間と思われ、実に2年近い長期を戦い抜いた。そのためにオーバーホール(綿密なメンテナンス修理)が行われるエピソードも存在する(第54、58、59話)。ついにはDr.ヘルの攻撃を退けたものの、最終回にて甲児のコンディション不良や修理不足も相まって、ミケーネ帝国の戦闘獣の前に歯が立たずに完敗を喫し、大破する(第92話)。その後、ミケーネとの戦いをグレートマジンガーに託すが、終盤になって戦線に復帰して(『グレートマジンガー』第53話)勝利に多大な貢献をすることとなる。