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機体リスト
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに

共收録 23 台の機体。
  • ガンダムTR-1[ヘイズル]

    • Height18.1 m
    • Weight41.5 t
    • Pilotウェス・マーフィー, オードリー・エイプリル

    型式番号:RX-121

    宇宙世紀0084年にティターンズがMSの最新技術を評価するため、コンペイトウ工廠にて製作した実験機。決戦兵器「ガンダム・インレ」の開発を目標とした「TR計画」の試作1号機であり、インレの中核となる拡張性に優れたMSの試作機でもある。

    ジム・クゥエル(またはアーリー・ヘイズル)の改修機だが、「ガンダム」として型式登録され、その名に相応しい能力を持っている(名実ともにガンダムになったのはヘイズル改以降とする資料もある)。

    本機は一年戦争の伝説的名機であるガンダムを模した頭部を装着することによる敵味方(特にジオン残党軍)への心理的影響、さらにはその存在自体が戦局に与える効果の検証という役割も課せられている。その在り方から「ガンダムの定義」を問う存在とも言われる。

    ベース機のクゥエルは信頼性と互換性の高さから選出された。結果、開発期間の大幅な短縮にも繋がり、各部に換装された強化パーツによって当時の新型MSに匹敵する高性能機として完成した。ベース機に対して高性能である反面、機体特性や操作性が大きく異なっており、その機体性能を遺憾なく発揮するためには高度な操作技術を要する。また、オプションパーツを装着・換装することにより、様々なミッションに対応可能である。

    頭部ユニットはデュアルセンサーとV字型のマルチブレードアンテナを装備した、いわゆるガンダムヘッドに換装されている。特にセンサー能力の向上が図られ、頭頂部には強襲形態時の視界を確保するため、全周に渡ってセンサーが設置されている。それらのスペースの関係から頭部60mmバルカン砲は廃止されているが、ガンダムMk-IIと同型のバルカンポッドを装備可能である。

    胸部は胴体とバックパックを繋ぐ形で、補助アクチュエーター・ユニットに換装されている。これは肩関節の動きを補助するもので、これにより肩関節の強度は大幅に増大することとなった。この部分はジム・クゥエルでは複合インテーク・ダクトが設けられていたため、排気性能はやや低下している。内側は多目的スペースとなっており、使用目的に応じて換装が可能である。

    脚部は熱核ロケットエンジンを内蔵した強化パーツに換装されている。一般的なMSでは後部にのみスラスターが設置される場合が多いが、本機は高い推力を有するため、逆噴射による制動用のニー(膝)・スラスターが前部にも設置されている。脚部左右にはプロペラントが内蔵されている。また、オプション兵装時などの重量増加に対応するため、足首関節部のアクチュエーターが強化された。それらを保護する目的で、アンクル・ジョイントは大型化している。

    新たに換装されたバックパックには可動式ブースターポッドが接続されている。アームにより接続されているため、可動することでAMBACユニットとしてもベクタード・スラスターとしても機能する。次世代を見据えたハイブリッドタイプの試作熱核融合炉が搭載されており、熱核ジェット・エンジン兼ジェネレーターとしても機能する。大気圏内では熱核ジェットエンジンの前面シャッターが開き、エアインテークとなる。下部のハッチにはサブスラスターを内蔵する。上部にはマウント・ラッチが設置されており、シールド・ブースターの接続が可能となっている。リアアーマーは推進力向上のため、ガンダムNT-1のチョバムアーマーを改良したものに換装されている。

  • ガンダムTR-1[ヘイズル改]

    • Height18.1 m
    • Weight63 t
    • Pilotウェス・マーフィー, オードリー・エイプリル, エリアルド・ハンター, ティターンズ一般兵

    型式番号:RX-121-1

    ジオン残党軍駆る改造MS「シュトゥッツァー・シリーズ」との交戦で甚大な損傷を被ったヘイズルを、母艦アスワンに保管されていた予備部品とコンペイトウ配備のジム・クゥエルのパーツを用いて修復、強化した機体。形式・見た目・中身などすべての面で「ガンダム」に生まれ変わっている。

    これまでの実働データと開発ノウハウからのフィードバックを受け、各パーツ間のマッチングが練り直されている。部材の再構成によって機体は改修前より軽量化され、約10%のスラスター出力強化によって総合的な機動性、運動性はさらに向上している。インターフェイス面も大幅に刷新され、コクピットには全天周モニター、リニアシートが本格的に導入された。オペレーションシステムもバージョンアップが成され、操作性も反応速度も格段に向上した。

    胸部コクピットブロックと腰部センターアーマーは、初代ヘイズルとの数少ない外見的差異となっている。腰部センターアーマーは前方にスライドし、そこに様々なオプション兵装の評価試験のための多目的ラッチが増設される。ヘイズルのオプション兵装は初期プランの実験をほぼ完了していたが、この改修によって実験プランは大幅に見直され、それまで以上の様々な形態をとることが可能となっている。武装はヘイズルに準ずるが、各種オプション兵装の追加により、これまで以上に多彩な武装を利用することが可能である。なお、シールド・ブースターは損傷時にすべて喪失したため、新規供給されるまでは一般のジム用シールドで代用していた(供給後も任務に応じて使用されるケースも多かった)。

    本機の改修に先立って改装されたヘイズル2号機にRX-121-2の型式番号が付与されたことに伴い、本機の型式番号もRX-121からRX-121-1へと移行されることとなった。

    なお、改修期間がわずか数日という異例の短期間であったために機体の塗装が間に合わず、一定期間は大部分の装甲の地色を晒したライトグレーの状態で運用されていた。後のグリプス戦役勃発に合わせて実戦配備が決定すると、本格的なティターンズ正規カラーへと塗り変えられている。エリアルドとマーフィーがギャプランTR-5に乗り換えた後は劇中で描写されていないため、最終的な機体状況ならびに所在は不明である。

  • ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]

    • Height18.1 m
    • Weight78.6 t
    • Pilotエリアルド・ハンター, オードリー・エイプリル

    型式番号:RX-121-2A

    グリプス戦役勃発後T3部隊の本格的実戦部隊への再編成に合わせ、ヘイズル2号機をヘイズル改と同等の強化パーツへと換装し、さらにサブ・アーム・ユニットや別途テスト中であった新規ユニットを追加した姿。その機動性、汎用性、運用効率とあらゆる要素、機能を高次元に融合させた本機は、新世代の機動兵器としての理想系の1つを体現した集大成というべき存在と言える。一部の装備は改良され、バーザムに採用された。

  • ンダムTR-1[ヘイズル2号機]

    • Height18.1 m
    • Weight65.4 t
    • Pilotエリアルド・ハンター, オードリー・エイプリル

    型式番号:RX-121-2

    元々本機は母艦アスワンにストックされたヘイズルの補修、交換用パーツを組み立てて造り上げられた予備機で、頭部前面をデュアル・アイ・センサー式のガンダムフェイスに変更している以外は普通のジム・クゥエルとまったく同一の機体だった。後にティターンズ・テスト・チーム(以下、T3部隊)パイロット、エリアルド・ハンター中尉の搭乗機ジム改高機動型の中破を機に、新たに彼の乗機として改修が施された。これに伴い、軍のデータベースに再登録がおこなわれ、RX-121-2の型式番号が与えられた。

    改修点はまず頭頂部全面を1号機と同一の多面形センサーに換装。なお、後頭部はジム・クゥエルそのものであるため、左後部のロッドアンテナはそのまま残されている。肩部にも1号機と同じ補助アクチュエーター・ユニットが増設された。背部には、かねてより試験予定であった試作型バックパック「トライ・ブースター・ユニット」が装着されている。

    トライ・ブースターはシールド・ブースター以外のもう一つの機動力強化オプションの一つとして設計された強襲戦用ユニットで、バックパックの左右に配置された2基の可動式ユニバーサル・スラスター・ポッドと、後部の大容量プロペラントタンクを兼ねたテール状シュツルム・ブースターで構成される、高機動型装備である。ユニバーサル・ポッドはバックパックと接続される可動フレームによって自在に推力方向を変化させることが可能で、ポッド自体の質量移動を活かしたAMBACシステムとしての機能も有する。その鋭角的かつトリッキーな挙動は、模擬戦、実戦を問わず良好な性能を示したが、同時に数々の欠点も表面化させていた。特にシュツルム・ブースターは、その長大さゆえユニット重心と機体重心が大きくかけ離れてしまっており、特に横移動の際に発生する余剰モーメントの存在が問題視された。また、本来この装備は1号機でのテストを目的に調整されていたため、ほとんど急造同然の2号機との相性は良いとはいえず、操縦難度の高いピーキーな機体となってしまった。これらの事情もあり、稼働データの収集、解析をもってトライ・ブースターのテストは終了したが、ポッド可動フレームのノウハウなど得られたデータの多くは装甲やその他構造物と独立したより自由度の高い躯体の研究開発に大きく寄与し、後のムーバブルフレームの原初の一つとなる。

    武装やその他オプションは1号機とほぼ共用で、同様に胴体前面に増加装甲を装着することでフルアーマー形態となることも可能である。ただし、マルチ・コネクター・ポッドの試験が開始されるまでシールド・ブースターの使用は想定しておらず、補助アクチュエーター多目的スペース内には保持用ロールバーではなくオプションのグレネードランチャーを標準装備する。携行装備には一般のジムタイプに広く普及している曲面形シールドとジム・ライフルが多く用いられている。

  • ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ]

    • Pilot--

    型式番号:RX-121-2 / RX-121-2P

    [ヘイズル]に[プリムローズ]を装備した仕様の呼称で、胴体部はほぼ[プリムローズ]へと換装されるため区別される。追加装備がさらに充実し、戦況に応じて多彩なオプションを使い分けることが可能となっている。肩アーマーは[プリムローズ]とともに開発されたスラスターのない小型のものに換装、ウェポン・ラッチが増設されている(スラスター・ユニットはオプションで装着可能)。また、股間部サブ・アーム・ユニットを標準装備する。

    コンペイトウ技術本部では、本形態を次世代[ヘイズル]のベーシック・モデルとして位置付けており、ガンダムTR-6用オプション・パーツなどにもすべて対応している。「次世代量産型試作機」とも呼ばれるほか、「次世代量産機(コンセプト・イメージ)」としてバーザムと対比されることもある。

    『A.O.Z Re-Boot』では、[ヘイズル]の高評価を受けた次世代量産機化計画のもとに開発され、正式な次世代主力機となる予定のガンダムTR-6の完成まで、およびバーザムが量産されるまでの繋ぎとして、また「機種統合計画」におけるジム系のアップデート機として少数が量産されたとしている。また、鹵獲された本機を参考にネモ・カノンが開発されたことが相関図で示されている。

  • ハイザック先行量産型

    • Pilotカール・マツバラ, ウェス・マーフィー

    型式番号:YRMS-106

    ジオン軍残党の壊滅とエゥーゴの活動を阻止するためティターンズでは組織の拡大が行われることとなり、それに伴い更なるMSの配備を余儀なくされた。そのため既に導入がほぼ決定していた地球連邦軍に続き、ティターンズでも正式採用に向けた評価試験を行うこととなった。しかし、かつての敵ジオンの主力機ザクの意匠を残したハイザックはパイロットには不評であった。また、ティターンズはAE社を完全に信用してはいなかったため、コクピットは全天周モニターではない旧システムのコックピットを採用している。

    本機は先行量産型ということもあり後に正式採用されたタイプとは各部が微妙に異なる。カラーリングは紺色と黒を基調に一部黄色を配している。肩口から前腕部に繋がる動力パイプは露出していないが、大腿部から脚部スラスターユニットに繋がった動力パイプは露出している。脚部スラスターユニットは補助推進システムとしての位置づけであり、目的に応じて着脱可能となっている。量産型にみられる脚部およびバックパックの偏向板は設置されていない。また、バックパックの放熱板は下方に向けられて設置されている。

    T3部隊においてはビームライフルの実戦データの収集が行われた。すでに出力不足の問題が明らかになっていたことから、ガンダムTR-1[ヘイズル]と同タイプのEパックを装備したプロトタイプがテストされ、そのためのEパックホルダーを前腕部ラッチに装備する。

    テスト結果を基に若干の改良を施し、本機はハイザックとして正式採用されることとなった。

  • バイザックTR-2[ビグウィグ]

    • Pilotカール・マツバラ

    型式番号:YRMS-106+BL-85X

    ハイザック先行量産型とビームキャノン・ユニットBL-85Xを組み合わせた機体。YRMS-106とBL-85Xが合わさった形でTR-2の型式が与えられた。

    T3部隊がテストした機体である。MSが携帯可能な長射程のビームキャノンとそれを輸送する推進器やオペレーションシステムなど組み合わせた機体である。

    大型火砲を運用し、巨大な機体を運用するシステム全体の実用試験のために開発された機体で、コアのハイザックは右肩部シールドと左肩アーマーのスパイクがオミットされている。ジェネレーターとしてハイザックのものが一部胸部パーツごと背面ユニットに使用されているため、“バイ” ザック(BY-ZACK)の名称で呼称される。

    移動ビーム砲台としての機能を追求したことから機動性が犠牲になっており、随伴機による防衛が必要となる。また、コアのジェネレーターとビームキャノンが右胸部で直結されているため、緊急時には胸部パーツを破損しなければ切り離しができないという欠点を抱えている。この機体のデータを基に、ハイザック用の強化型ビームキャノン「メガランチャー」が開発された。ビームキャノン部を折りたたみ、移動形態への移行も可能となっている。

  • プロトタイプ・アッシマーTR-3[キハール]宇宙用

    • Pilotウェス・マーフィー

    型式番号:NRX-044(R)

    外観的にアッシマーと共通するのは頭部くらいであり(アンテナはアッシマーより大型)、試作機であるため被装甲化が十分ではなく、胴体や腕部はフレームがむき出しになっている。宇宙用であることから脚部は廃され、下半身にはプロペラントタンクとスラスターを組み合わせたシュツルム・ブースターが3基装備されている。また、背部には槍のようなテール・スタビライザーが水平に伸びている。MA形態も円盤型ではなく、姿勢制御のため羽のようなスタビライザーが多数設置されている(MS形態ではシールドとして機能するため、横方向の防御力は非常に高い)。シュツルム・ブースターのみを展開した中間形態をとることも可能。機首左側にはレドーム(MS形態では2つに折り畳まれて後頭部に収納される)、機体下面にはランディング・ギアを兼ねる隠し腕(サブアーム)を装備する。武装のビーム・ライフルはアッシマーに近い形状だが、エネルギーはEパック(2基装備)と機体本体からの2ウェイ式となっている。機体色はアッシマーを踏襲したダーク・イエローを基調とする。

    本機によってドラム・フレームの柔軟性や剛性の試験がおこなわれ、その結果得られたデータをもとにガンダムTR-6[ウーンドウォート]の換装システムの中核となるフレーム構造が構築されている。

  • プロトタイプ・アッシマーTR-3[キハール]大気圏内用

    • Pilotウェス・マーフィー

    型式番号:NRX-044

    おもに重力下での変形機構の耐久性のテストや、「飛行可能な可変MA」という新たなカテゴリーの兵器の戦術・運用方法を確立するための実験に使用される。下半身は試作段階の新型熱核エンジンを搭載した脚部歩行ユニットに換装され(踵のノズルを取り外してシュツルム・ブースターを装着することで宇宙でも運用可能)、アッシマーと同じ腕部装甲やバックパックが追加されたことで外観はアッシマーに近づいているが、すでにテストがおこなわれているアッシマーの開発データをもとに、さまざまな改良や強化パーツが追加されている。垂直上昇用の補助推進器として腰部に「スカート・ユニット」を装備、側面には固定翼が装着され飛行時の安定した姿勢制御に貢献している。脛部にはTRシリーズ共通のジェネレーターを内蔵した試作強化ユニットを装着、胸部にも装甲が追加され、左側にはドムと同じスプレッド・ビームが装備されている。ビーム・ライフルは銃身後部のカバーを展開してビーム刃を発生し鎌や斧として使用可能で、ガブスレイなどのフェダーイン・ライフルのプロトタイプ的な武装となっている。機体色は上半身がダーク・イエロー、下半身がブルー・グレーを基調とする。

    ガンダムTR-6[インレ]の護衛機のテストにも供され、ガンダムTR-1[ヘイズル改]のイカロス・ユニットやロゼット強化陸戦形態を経て、ガンダムTR-6[キハールII]として完成している。

  • TR-4[ダンディライアン]

    • Pilotカール・マツバラ

    型式番号:RX-107

    大気圏突入モジュール用に開発された機体。「ロゼットTR-4[ダンディライアン]」とも呼ばれる。大気圏突入形態からMA形態、そしてMS形態と状況に合わせて3形態への形状変化が可能となっている。

    背部スペースにMSや折りたたんだロングブレードライフルなどの武装を格納することが可能である。戦況に応じてダンディライアンのパーツを排除してロゼットに戻ることや、大気圏突入形態のまま背部に搭載したMSを固定してサブフライトシステムとしての運用も可能。主な武装として、脚部クロー(MA時)やロングビームライフル(MS時)などがある。

    後のバウンド・ドックやガンダムTR-6[ダンディライアンII]に実験データが反映されている。

  • ORX-005 ギャプランTR-5[ファイバー]

    • Pilotウェス・マーフィー

    型式番号:ORX-005

    「弾道軌道による敵拠点への超音速侵攻」をコンセプトとして開発され、ギャプランの改修機ギャプランTR-5をコアユニットとしてセンサー・弾頭ユニット、機首ユニット、耐熱フィールドユニット、スラスターユニットと2つの複合バインダーユニットから構成される。旧世紀に開発された大陸間弾道ミサイル(ICBM)に類似した運用コンセプトを持っており、MA形態で地上から打ち上げられ、一度大気圏を離脱後、大気圏に再突入し地球の引力を利用することで敵が迎撃不能な速度まで加速して敵軍の拠点を強襲する。打ち上げ時には機首に大気整流カバーを装着し、巨大なロケットブースターを用いる。再突入までは無防備で特に打ち上げ時が最も速度が遅いため、迎撃のおそれがある。そのため本体のシールドブースターも併用して加速し、短時間で大気圏を離脱する。

    ICBMと異なり、敵地に進入後、可変MAの利点を活かすことによりピンポイント攻撃が可能である。その際、敵拠点の迎撃システムから機体を守るためにスラスターを兼ねたバインダーにはIフィールドジェネレーターと拡散ビーム砲といった能動的な防御装備が内蔵されている。また、単独による強襲だけでなく、2機のMSを搭載し敵地にて展開することで小隊規模での拠点制圧も可能となっている。

    高い防御力と加速性を得た引き換えとして、MAをも超える巨大な機体となってしまい、戦艦のMSデッキには入ることができない。そのため宇宙での輸送の際には船外にワイヤーで牽引されて整備などが行われる。またその性質上、万が一敵拠点の制圧に失敗した場合は出撃地点まで自力で帰還することが出来ず、仮に成功したとしても専用の大がかりな回収部隊が必要となることに変わりはなく、実際に運用するには非効率的で、ほとんど特攻兵器とならざるを得ないという欠点も抱えている。

    機首ユニットはコアユニットのセンターアーマーに装着される。各種センサーが搭載され、十字状のモノアイレールを有する。また、侵攻作戦で目標を破壊するための爆弾を2基装備する。

    機体下部の耐熱フィールドユニットは大気圏再突入用の冷却システムであり、5基のノズルから冷気を排出し、機体を冷却することで摩擦熱から保護する。搭載する2機のMSをも冷却する必要があり、高出力のものとなっている。

    機体上面を覆うスラスターユニットには3基のハイブリッド型ジェネレーターを搭載しており、大気圏内ではジェット推進を行う。コアユニットのバックパックと直結する形となっており、巨大な機体を大気圏内で飛行させるため高い推進力を発する。また、機体前面にはコアユニットを保護するための大型の装甲、下面には補助センサーが設置されている。

    本機を最も特徴づける大型の複合防御バインダーはコアユニットの肩部、前腕部およびスラスターユニットの3点支持によりドラムフレームを介して上下に2分されるIフィールドジェネレーターに接続される。このドラムフレームはアッシマーに採用されたものを大型化したものである。さらにIフィールドジェネレーターからバインダーアームを介して大型のバインダーに接続される。上部のバインダーには隠し腕が内蔵され、上下バインダー間に搭載するMSのラッチを保持する。下部のバインダーはプロペラントタンクを兼ねたメインスラスターとなっており、上部のものと比較して巨大なものとなっている。

    また、Iフィールドジェネレーターにエネルギー出力を集中するため、拡散ビーム砲のエネルギー供給用のEパックを大量に搭載する。上下のバインダーとも前半部は共通のユニットとなっており、吸排気口を有し各5門、計20門の拡散ビーム砲を装備する。通常、砲門はカバーで保護されているが、使用時にはカバーを排除して敵の迎撃ミサイルに対して弾幕を張る。バインダーは前方に展開することにより拡散ビーム砲による前面防御が可能である上に、エアブレーキとしても機能すると考えられている。

  • ガンダムTR-6[ウーンドウォート]

    • Pilotエリアルド・ハンター, アリシア・ザビ, ダイアナ, シンシア

    型式番号:RX-124

    ガンダムTR-6のコアとなる素体状態の可変MS。ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]および万能化換装システムの構想を継承し、機種統合計画を反映・ブラッシュアップする形で一から新規設計されている。推力重量比に優れ、高い機動性を用いたヒット&アウェイを得意とする。

    詳細なスペックやサイズは不明だが、身長比較図(アウトラインや省略を含むラフ画稿)ではガンダムTR-1[ヘイズル改](頭頂高18.1メートル)より頭ひとつ分小さい。一方で、ガンダムTR-6のガンプラ化の企画を担当したBANDAI SPIRITSホビー事業部の飯田は「設定上ヘイズル改と同じくらいの身長」であると発言している。

    腰部ドラムフレームを中心に各部を折りたたんで小型のMA形態に変形可能で、同形態では冷却ガス・ユニット(TR-5ファイバーで使用された耐熱フィールド発生装置)を使用して大気圏突入も可能。優れた推力により、単独で大気圏内も飛行できる。大腿部のみMA形態に変形した中間形態をとることもできる。股間部にサブアーム(隠し腕)を1基もっており、本機や本機をコアとしたバリエーションのMA形態において、武器の保持などに活用される。

    MS形態の臀部(MA形態の機首)にはブースト・ポッドを装備。これはヘイズルのブースター・ポッドを発展させたもので、ジェネレーターを内蔵している。冷却ガス・ユニットとバルカンをもつ通常型と、2つのラッチと拡散メガ粒子砲をもつマルチ・コネクター・ポッドの2種類がある。どちらも中空になっているスペースがあり、変形時に頭部と胸部コックピットを覆ったり、プリムローズIIを収納してサブ・コックピットとして用いることができる。

    MS形態の大腿部にもジェネレーターを内蔵しているため肥大化しているが、それ以外はほかのMSに比べて非常に華奢な体躯となっており、足首はランディング・スキッド程度のものがあるだけである。ただし既存のティターンズ製MSの四肢パーツを接続可能であり、本体の手足を折りたたんで接続することで通常のMSに近くなる。胸部には脱出ポッドとしてプリムローズIIを持ち、腕部を含む上半身はヘイズル等に装備可能なサブアームユニットIIになる。

    武装はブースト・ポッド内蔵のものや後述のコンポジット・シールド・ブースターのほか、頭部にバルカン・ポッドを装備している。また設定画にはないが、漫画版でビーム・サーベルの使用が確認されている。ただし、劇中描写では標準装備のものか、敵機から奪ったものかは不明。形状は円筒形の一般的なもので、νガンダムのビームサーベルのように、斬りかかるとき以外はビーム刃が短くなっている。『Re-Boot』でも使用しており、形状は四角柱状で、鹵獲後の追加装備なのかは不明。

    頭部はV字アンテナを有し、ひさしでツインアイが隠れているもののガンダムタイプとなっている。「頬当て」の形状が異なるタイプやツインアイが露出したタイプといったバリエーションもいくつか確認できる。また、彫像型のアンテナ「サイコブレード」を装備した指揮官機仕様もごく少数配備されている。

  • ギャプランTR-5[フライルー]

    • Height25.2 m
    • Weight50.8 t
    • Pilotウェス・マーフィ

    型式番号:ORX-005

    機体各部に微妙な差はあるが、基本的にはギャプランと同様の機体仕様となっている。

    変更点は頭部センサーをヘイズルと同等のガンダムヘッドタイプに、機体各部に姿勢制御スラスターの増設など多々あるが、最大の特徴としてはギャプランの両腕に装備されていたムーバブル・シールド・バインダーがガンダムTR-1[ヘイズル]のシールド・ブースターに換装されたこと。これは強化人間でなくともギャプランを使用できるようにするための改修である。

    武装はロングブレード・ライフル(分解することでビーム・ピストルになる)。

    マーフィ小隊内では、TR-5本来の愛称である「ファイバー」や、ブレードアンテナが装備された頭部ユニットの形状から「ファイバーガンダム」などの愛称で呼ばれることも多いが、ファイバーから大気圏離脱・再突入用のパーツを外して空間戦闘用装備を施した本形態を明確に区別するため、メカニックマン達からの要望に応えてマーフィが「フライルー」と命名している。

     

  • ガンダムTR-6[ハイゼンスレイII・ラー]

    • Pilotエリアルド・ハンター

    型式番号:RX-124

    素体であるウーンドウォートの派生機で、グリプス戦役に投入されかけたのはこれ。牽制射撃でネモ三機とサラミス級を撃ち落とす化け物であるが、投入時期からして戦場を泥沼化するだけと判断したパイロットたちによって意図的に被撃墜・破棄された。

  • ガンダムTR-6[ヘイズルII]

    • Pilot--

    型式番号:RX-124 / RX-124HZ

    「ガンダムTR-6[ウーンドウォート]ヘイズルII形態 (GUNDAM TR-6 [WONDWART] HAZEL II FORM)」とも呼ばれる。ガンダムTR-1[ヘイズル改]および[ヘイズル・アウスラ]の代替となる形態。四肢を折り畳んだウーンドウォートにヘイズル改の四肢を接続し、ヘイズルと同様のビーム・ライフルとシールドを携行する。

    これとは別に、ウーンドウォートのブースト・ポッドをマルチ・コネクター・ポッドに換装し、コンポジット・シールド・ブースターを左右1基ずつ接続した形態も[ヘイズルII]と呼ばれる。これは、ウーンドウォート自体がヘイズル素体(ヘイズル2号機あるいはアーリー・ヘイズル)の代替機にも位置付けられるからであり、本形態はヘイズル素体の背部にシールド・ブースター2基を装備した高機動形態の代替とも言えるが、ヘイズルの各形態の代替に位置づけられる仕様はすべて[ヘイズルII]と呼称される。キハールIIと同様のビーム・ライフルと小型シールドを携行する。また、MA形態にも変形可能。

    さらに、上記2形態を組み合わせた形態も[ヘイズルII]と呼ばれ、ヘイズル・アウスラの高機動形態の代替とされる。バーザム改と同様のビーム・ライフルとシールドを携行する。ヘイズル・アウスラと同様、胸部へのミサイル・ポッド装備や、バックパックのトライ・ブースター・ユニットへの換装などによって、第1種-第3種装備形態へと変化することが可能である。

    ここに挙げた形態は一例であり、ヘイズルIIはヘイズルと同様に多数のバリエーションが存在する。

  • ガンダムTR-6[ハイザックII]

    • Pilot--

    型式番号:RX-124 / RX-124BZ / ARZ-124HZ2

    「ガンダムTR-6[ウーンドウォート]バイザックII形態 (GUNDAM TR-6 [WONDWART] BY-ZACK II FORM)」とも呼ばれる。公国系量産機の代替後継機形態。「ハイザック2 (HI-ZACK2)」とも表記される。

    ウーンドウォートにハイザックの腕部とマラサイの脚部を接続、背部ブースト・ポッドをマルチ・コネクター・ポッドに換装して両側面にフルドドIIのバインダー(ウィンチ・キャノンは旧型)を装着。アッシマーの大型ビーム・ライフルを携行する。公国系量産機に慣れたパイロット向けであり、ウーンドウォートをデチューンしたとも言えるロースペックな形態だが、一般兵でも扱いやすくなっている。テスト・カラーとレジオン・カラーが確認されている。なお、ハイザックの替わりにゼク・アインの腕部(第3種兵装、右肩シールドにクレイ・バズーカを懸架)を接続した形態(フルドドIIは装着しない、ティターンズ・カラー)も「ハイザックII」と呼ばれる。

    本形態をはじめとする既存機のパーツを装着した形態は、総合性能は低下するものの機能が限定的であるがゆえに一般のパイロットにも操縦しやすく、機種転換も容易であるという利点がある。

  • ガンダムTR-6[ウーンドウォート・ラーII]

    • Pilot--

    型式番号:RX-124 / RX-124+FF-X39A×2 / ARZ-124WD II

    ウーンドウォートがフルドドIIを2機装備した形態。命名規則通りの[ウーンドウォート・ラーII]と呼ばれることもあるが、単に[ウーンドウォート・ラー]と呼ばれる場合がほとんどである。マルチ・アーム・ユニットは肩部のフルドドIIに2対とも装着(内側と後部のラッチを使用)され、内側のものは胸部に、後部のものは翼状に展開される。ウーンドウォート素体が持つ性能を最大限まで引き出せる戦闘形態である。

  • ガンダムTR-6[キハールII]

    • Pilot--

    型式番号:RX-124 / RX-124KH

    「ガンダムTR-6[ウーンドウォート]キハールII形態 (GUNDAM TR-6 [WONDWART] KEHAAR II FORM)」とも呼ばれる。インレの護衛を目的とした形態。機種統合計画においてはアッシマーやキハール、バイアランといった大気圏内飛行MSの後継機に相当する。

    ウーンドウォートに飛行用強化装備である「キハールIIユニット」を装着。頭部カバーには僚機との通信用の大型アンテナを装備、MA形態では整流カウルの役割を担う。肩部飛行ユニットには熱核ジェットを内蔵、腕部の小型シールドはスプレッド・ビームを搭載する複合装備となっている。胸部の姿勢制御バインダーはMA形態でのAMBAC作動肢と増加装甲を兼ねる。コンポジット・シールド・ブースター1基を装備するが、代わりにガンダムMk-V(ニューディサイズ奪取前)のビーム・ライフルを携行することもある。なお、宇宙空間での運用も可能とする資料もあるが、漫画『ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』では本機で宇宙には行けないとされ、火星の成層圏で熱核ジェットがエンジン・ストールする描写もある。

    母艦となるインレにはコンパクトな円盤状のMA形態で搭載され、出撃後も目的地までこの形態で飛行し、MSを載せてサブフライトシステムとしても機能する。目的地上空では手足を展開した中間形態に変形、人型かつ空中戦も可能なバランスのよい形態とされる。拠点制圧時などでは近接戦闘に適したMS形態に変形、移動は主にホバーでおこなう。キハールIIユニットの塗装は濃紺を基調としたティターンズ制式採用カラーとインレ搭載機の黄色(アッシマーやキハールと共通)、そしてレジオン鹵獲仕様の赤の3種類がある。

  • ガンダムTR-6[アドバンスド・キハールII]

    • Pilot--

    型式番号:RX-124 / RX-124KH/A

    「ガンダムTR-6[ウーンドウォート]アドバンスド・キハールII形態 (GUNDAM TR-6 [WONDWART] ADVANCED KEHAAR II FORM)」とも呼ばれる。クインリィの構成要素のひとつとなる強化形態。

    キハールIIのMS/MA両形態に対応した「アドバンスドユニット」を装着する。両肩にウェポン・カーゴ2基、頭部にハイ・メガ・キャノン、スキッド状に展開するホバリングノズル付きの脚部ユニットを追加。クインリィ形態ではフライルーII・ラーの両側面にMA形態で2機が合体し、武器コンテナ、ブースター、ジェネレーター、AMBAC作動肢などを兼ねた巨大なバインダーとして機能する(無人でも本体側で制御可能)。

  • ガンダムTR-6[ダンディライアンII]

    • Pilot--

    RX-124 / RX-124+NRX-005-2

    「ガンダムTR-6[ウーンドウォート]ダンディライアンII形態 (GUNDAM TR-6 [WONDWART] DANDELION II FORM)」とも呼ばれる。コアMSにTR-4[ダンディライアン]と同様の大気圏突入モジュールを装備した形態。機種統合計画におけるバウンド・ドックの後継機形態であることが示唆されている(両矢印が引かれている)。また、機種統合計画後にガンダムTR-S[ラブスカトル]のコンセプトを引き継いで設計されているため、各部に共通するパーツが多く見受けられる。インレの下半身を形成する。

    ダイダロス・ユニットに搭載されたミノフスキー・クラフトにより、おもに成層圏での活動を主眼とするが、大気圏内外の高速戦闘用の形態でもあり、AMBAC作動肢を兼ねる1対の大型クロー・アームを搭載し一撃離脱の格闘戦にも対応する。MA形態ではコアMSは内蔵されているが、MS形態ではユニット全体が中心から左右に割れ、コアMSとダイダロス・ユニットが姿を現す。コアMS(イラストではウーンドウォート・ラー)は右前腕部にコンポジット・シールド・ブースター、左腕にユニットの機首が変形したシールド(防御用の拡散ビーム砲を搭載)を装備、両肩のフルドドIIのサブ・アームでウィンチ・キャノンを保持している。

  • ガンダムTR-6[ファイバーII]

    • Pilot--

    型式番号:RX-124 / RX-124HS+LRX-007-2

    「ガンダムTR-6[アドバンスド・ウーンドウォート]ファイバーII形態 (GUNDAM TR-6 [ADVANCED WONDWART] FIVER II FORM)」とも呼ばれる。コアMSにTR-5[ファイバー]の運用データをもとに開発された[ファイバーII]ユニットを装着した形態。機種統合計画におけるメッサーラの後継機形態。また、インレの上半身を形成する。

    「侵攻・制圧兵器システム (Invasion and subdue weapon system)」というカテゴリーが与えられており、超音速侵攻により敵地へと侵入し、圧倒的な火力と搭載機のキハールIIによる空間制圧能力によって敵地を制圧する。弾道兵器の利点(長射程、迎撃困難)を備えた機動兵器であり、MSを中心ユニットにすることで既存の弾道兵器の欠点である低い命中精度を克服している。単独で危険度の高い任務をおこなうため、複合バインダーによって極限まで防御力が高められている。各パーツはドラムフレームを介して蛇腹状の関節で接続されており、フレキシブルに可動する。

    MA形態で地上から打ち上げられ、弾道軌道で敵勢力圏へ突入して拠点上空に到達後、MS形態に変形して攻略をおこない、同時に搭載機による制圧なども実施する。MS形態では胴体部が反転して展開、ピグウィグ・キャノンIIを保持したコアMSが露出する形となる。MSの柔軟性を活かして目標をピンポイントに攻撃可能であり、損害を最小限に抑えた目的の達成が可能となる。弾道ミサイルと異なり再利用が可能であることも、本形態の有用性を担保している。

  • ガンダムTR-6[フライルーII]

    • Pilot--

    型式番号:RX-124 / RX-124HR/AD

    機体レイアウトがギャプランTR-5[フライルー]と酷似していることから、その代替として名付けられた形態。ギャプランTR-5[アドバンスド・フライルー]と同様のパーツ構成であり、「ガンダムTR-6[ウーンドウォート]アドバンスド・フライルーII形態 (GUNDAM TR-6 [WONDWART] ADVANCED HRAIROO II FORM)」あるいは「ガンダムTR-6[ウーンドウォート]アドバンスド・フライルー形態」とも呼ばれる。「対抗兵器」として、のちのΖプラスやデルタプラスなどΖガンダム系の後継機に対応しており、大気圏突入能力をもつこれらの機体に対して原型機のギャプランと同様に高高度で迎撃すると同時に、それらを凌駕する能力を付与された形態でもある。

    頭部にハイ・メガ粒子砲、そこから後方に伸びる拡張装備用ラッチ上部にウェポン・カーゴ、大腿部にクラッカー・ホルダーを装備。ギャプランIIと同じくアドバンスド・ヘイズルの脚部(レジオン親衛隊による実際の運用時にはバーザムの脚部)を接続するが、腕部の代わりにコンポジット・シールド・ブースターを2基装備し、後部にウィング・ブースターを接続。高機動時の剛性を確保するため拡張装備用ラッチのフレームに半固定される。これにより、変形することなく射撃モードと格闘モードのふたつに変化することが可能となり、これらを使い分けることであらゆる戦局に対応する。頭部はブレード・アンテナを外したものとサイコブレードを装備したものが、塗装はテスト・カラーとレジオン・カラーが確認できる。

  • ガンダムTR-6[インレ]

    • Pilot--

    型式番号:RX-124

    「ガンダムTR-6[ウーンドウォート]インレ形態 (GUNDAM TR-6 [WONDWART] INLE FORM)」とも呼ばれる。TR-6の究極形態で、ファイバーIIとダンディライアンIIが合体した決戦仕様。クィンリィの上位形態でもあり、藤岡はクィンリィとの対比で「大王形態」とも表現している。

    正確なスペックの数値は不明だが、巡航形態の全長は100メートルを超えるとされ、対比図(ラフ画稿)ではMS形態での頭頂高はサイコガンダム(40メートル)やクィン・マンサ(39.2メートル)の倍、全高はα・アジール(108.26メートル)を越えている。

    本形態はMS・MA等の機動兵器の枠を越えた「戦略兵器」に分類され、「単機で敵陣に強行突入して制圧を可能とする弾道兵器」をコンセプトとする。強力すぎる戦力と費用対効果に加え、旧世紀における核兵器の抑止力に近い政治的な影響力をも有するため、戦争の趨勢を決する戦場以外での投入は極めて稀なケースとされる。

    TR計画はインレの開発を目的とする計画だったが、巨大なサイズと複雑なシステムのために単独での開発は困難と判断され、まずTR-1からTR-5の各機に分散してシステムの開発と運用試験を実施。それぞれ各機能や機構の実用性を検証し、得られた兵器システムを具体化することで完成にこぎ着けた。計画には運用母艦となるアスワン改や衛星軌道上の駐機ステーション「SSD(スターシップダウン)」、さらに強化人間専用機としてのサイコミュ搭載(サイコ・インレ)や、外惑星への侵攻を想定した巨大な惑星間航行ブースター(フリス)の開発も含まれていた。

    なお当初インレのコアMSとして予定されていたのはRX-123 ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]であったが、TR-6に計画が移行して開発が複雑化した結果、TR計画の進行が遅延しグリプス戦役への投入自体も叶わなかった。仮にRX-123を正式に量産し、当初の予定通りインレをグリプス戦役に投入できていればティターンズの勝利は確実だった。また、仮に投入がグリプス2攻防戦であったのならエゥーゴの勝利は覆っていたと仮定される。

    2機のコアMSは、それぞれファイバーII側が火器管制、ダンディライアンII側が操縦を担当する。テスト・カラー、ティターンズ・カラーおよびレジオン・カラーが確認できる。