デロイアのゲリラグループが極秘裏に開発した、史上初めてXネブラの電磁波の影響に対応したCBアーマー。生存性を高めるためジェネレーターを2基搭載、反応速度、走行速度も従来型に比べ破格なものであり、跳躍能力も15から20メートルに達するとされている。連邦軍実戦評価では、ダグラム1機の戦力はラウンドフェイサーの5機から6機分に相当するという。
対リニアガン装甲を備え、防御力も強い。また、整備性やユニット単位まで可能な分解・組み立ての容易さはラウンドフェイサー以上で、総合的に実戦向き、あるいはゲリラ戦向きの機体と言える。防水シールドを完備し水中戦闘や、T10B/C用ハンググライダーを使用した滑空飛行ができる。殴る、蹴るといった打撃技のほか、柔道の「一本背負い」「内股」を使ったこともあるなど、武器を使わぬ徒手空拳での格闘も操縦士次第で可能。
欠点は双発である分エネルギー消費が大きく、従来のCBアーマーに比べて連続稼働時間が短いことと、他の二脚型CBアーマーと同様に接地圧が高いため、砂地など軟弱地盤での歩行安定性に問題がある。劇中では、ハックルがクリンに「操縦が若干難しく乗り手を選ぶ」と説明する台詞がある。
設計図は紙媒体でのみ存在しており、開発工場が連邦軍に襲撃された際に機密保持のため急遽焼却処分され、完成していた1号機も接収されている。また、ボナール市の工場で量産が計画されていたが、これも連邦軍に発見され挫折を余儀なくされる。この時、同地で同様に計画されていたダグラムの火力・装甲強化プランも破棄されている。同地で開発されていたターボザックはJ・ロック隊によって運び出され、難を逃れる。
デロイア星独立勢力の象徴たる本機であるが、精密パーツの70%は地球製である。これに肉付けする『デュアルマガジン』(丸善)連載「ダグラムメカニズムワールド」での後付設定として、開発にはアイアンフット社がリスクを承知で携わり、ダグラムの稼動データを参考にヘイスティが開発された、というものがある。なお、本来の量産機は番組終了後、設定上「DM(ダム)」と名付けられ、大河原邦男がイラストを描きおろした。戦後、デロイア政府軍の機体として再開発されたという設定も付加されている。
機体デザインは大河原邦男だが、前腕部に固定されるリニアガンのみ他所でデザインされていた。機体色はダークブルーとシルバー。