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機体リスト
太陽の牙ダグラム

共收録 11 台の機体。
  • ダグラム

    • Height20.12 m
    • Weight9.63 t
    • Pilotクリン・カシム

    デロイアのゲリラグループが極秘裏に開発した、史上初めてXネブラの電磁波の影響に対応したCBアーマー。生存性を高めるためジェネレーターを2基搭載、反応速度、走行速度も従来型に比べ破格なものであり、跳躍能力も15から20メートルに達するとされている。連邦軍実戦評価では、ダグラム1機の戦力はラウンドフェイサーの5機から6機分に相当するという。

    対リニアガン装甲を備え、防御力も強い。また、整備性やユニット単位まで可能な分解・組み立ての容易さはラウンドフェイサー以上で、総合的に実戦向き、あるいはゲリラ戦向きの機体と言える。防水シールドを完備し水中戦闘や、T10B/C用ハンググライダーを使用した滑空飛行ができる。殴る、蹴るといった打撃技のほか、柔道の「一本背負い」「内股」を使ったこともあるなど、武器を使わぬ徒手空拳での格闘も操縦士次第で可能。

    欠点は双発である分エネルギー消費が大きく、従来のCBアーマーに比べて連続稼働時間が短いことと、他の二脚型CBアーマーと同様に接地圧が高いため、砂地など軟弱地盤での歩行安定性に問題がある。劇中では、ハックルがクリンに「操縦が若干難しく乗り手を選ぶ」と説明する台詞がある。

    設計図は紙媒体でのみ存在しており、開発工場が連邦軍に襲撃された際に機密保持のため急遽焼却処分され、完成していた1号機も接収されている。また、ボナール市の工場で量産が計画されていたが、これも連邦軍に発見され挫折を余儀なくされる。この時、同地で同様に計画されていたダグラムの火力・装甲強化プランも破棄されている。同地で開発されていたターボザックはJ・ロック隊によって運び出され、難を逃れる。

    デロイア星独立勢力の象徴たる本機であるが、精密パーツの70%は地球製である。これに肉付けする『デュアルマガジン』(丸善)連載「ダグラムメカニズムワールド」での後付設定として、開発にはアイアンフット社がリスクを承知で携わり、ダグラムの稼動データを参考にヘイスティが開発された、というものがある。なお、本来の量産機は番組終了後、設定上「DM(ダム)」と名付けられ、大河原邦男がイラストを描きおろした。戦後、デロイア政府軍の機体として再開発されたという設定も付加されている。

    機体デザインは大河原邦男だが、前腕部に固定されるリニアガンのみ他所でデザインされていた。機体色はダークブルーとシルバー。

  • ヤクト ダグラム

    • Pilotクリン・カシム

    戦闘行動時間の短いダグラムの欠点を補うため、外付け動力「ターボザック」が別の工場で開発されている。これはJ・ロック隊により専用トレーラーと共に、スパ市に到着した太陽の牙に届けられ、ダグラムの背面に装着される。これにより燃料搭載量が増加して作戦行動可能な時間も伸び、またアームリニアガンの連続発射や、更に左側面に装備された大型砲「リニアカノン」の使用も可能となり、戦闘力が飛躍的に向上した。これはリニアガンの5倍から6倍の威力がありバラフ軍刑務所の正門を一撃で貫通している。また、熱波弾だけでなく実体弾として炸裂弾等も発射できる。唯一のデメリットは出力増と航続時間延長に特化し増加推進機などの重量がアップに対してのフォローがなく跳躍力が低下することで、崖の上の敵を相手に苦戦する場面もある。

    さらにドガ市攻略戦後、「クリンへのプレゼント」と称して、チコがどこからか拾ってきた9連装ミサイルポッドを増設し、対CBアーマー戦能力が一層強化される。プラモデルでは「ヤクト(Jagd=ドイツ語で「狩猟」転じて「駆逐」を意味する)タイプ」と名付けられているが、劇中では一度もそうは呼ばれていない。なお、第1話および最終話に使われた「朽ち果てたダグラム」の静止画では、マルチディスチャージャーがミサイルポッド側に装備されたままだが、プラモデル化の際無理があることが判明し、マルチディスチャージャーと交換する仕様に変更された。マルチディスチャージャーからは通常はスモーク弾を発射し、ダグラムガム付属のプラモデルの説明書でも、当該部品は「スモーク弾筒」と記述されていた。ただし、第1話のみ小型のロケット弾を発射している。これはソルティックH8に命中したが、眼つぶし以上の効果はない。

    この他にもリニアカノンを連装化した対空戦闘型、陸上行動強化型、水中行動強化型などのバリエーションが計画されている。劇中でキャノンを取り外し、ラウンドフェイサー同様ハンググライダーも使用している。『コミックボンボン』版では、リニアカノンを取り外したターボザックで水中移動も行っている。

  • ソルティックH8ラウンドフェイサー

    • Height10.02 m
    • Weight20.965 t
    • Pilot--

    メドール州のソルティック社が開発し、連邦軍に量産・制式採用された最初の二足歩行型CBアーマーの完成型。ラウンドフェイサー(丸顔)の名の由来は、ヘリコプターのそれを踏襲し視界を向上させるための球面型頭部キャノピーから。主人公クリンたちがパルミナ大陸に渡るまでは「ラウンドフェイサー」と呼ばれず、メーカー名である「ソルティック」と呼称された。第46話「術策と機略」でハックルにより初めてこの名で呼ばれて以降は、「ラウンドフェイサー」と呼ばれることが多くなった。

    ハンドリニアガンまたはマグランチャー・ミサイルポッド・チェーンガンを装備。起動はIDカードにより行われ、前述の多彩な武装に加え、旧式機の操縦さえ知っていれば動かすことができる操縦系統など、かなり汎用性の高い兵器に仕上がっている。しかし防水性が不十分で、全身水に浸かると故障してしまう。また、SV-J212-22型以降は、緊急時の脱出に用いられる射出座席を備える(形式については後付け設定)。

    胴部、手足などいくつかのパーツに分解して専用コンテナに収納可能。組み立て用の専用整備台も用意され、後方からの効率の良い輸送を考慮された設計になっている。また、前線への緊急展開用の専用輸送トレーラーや輸送ヘリ、さらには特殊作戦用のハンググライダーまで開発され、陸戦戦力の中核をなす存在となり、Xネブラ対応型ブロックヘッドなど後継機が登場し主力化した後も、戦争全般に渡って地球連邦軍の主力兵器として使用され続けた。一部の機体は、デロイア兵反乱によって解放軍に捕獲・使用され、また独立後の治安軍でも使用されるほど、大変息の長いCBアーマーでもある。機体色はグリーンとシルバー。

    二脚型CBアーマーはセミモノコック構造を採用しているため、装甲も構造材の一部をなしている。このため無闇に装甲を取り除くと自重を支えきれず、またフレームと一体化している装甲は取り外せない。ジャッキー・ザルツェフ少佐は、「上半身も全て装甲を取り除けば、軽くなり自重を支えきれる」と判断。元に戻せないことを承知の上で分解で外せない箇所は溶断を用い、頭部と足底以外の殆どの装甲を撤去、迷彩柄の防水布を着用し、左腕に大型シールドを装備した軽量型に改造し、対ダグラム戦に投入している。この機体は小説版では24部隊によって運用されている。

  • サバロフAG9 “ニコラエフ”

    • Height9.36 m
    • Weight15.692 t
    • Pilot--

    ラウンドフェイサーより以前に開発された、第二世代最初のCBアーマー。二足歩行型だがマニピュレーターが無い。従来の「四つ足の戦車」から「二本足の攻撃ヘリ」にコンセプトが移ったような外見。腰部にあるミサイルポッド以外の火器は全て胴体固定式で、腰から上を全周旋回させて攻撃する。

    サバロフ社はソルティック社の技術を産業スパイを使って盗用することで本機を開発した。二足歩行の移動砲台というコンセプトで作られたのだが、完成した機体の性能はお世辞にも良好とは言えなかった。そのため一度は採用が却下されたものの、サバロフ社のごり押しで限定的に量産されたという経緯を持つ。歩行能力も劣悪であるためホバーを併用する必要があり戦闘運動にはジャンプを多用、跳躍力こそ高いものの、そのジャンプもまた重武装によるトップヘビーでバランスを崩すことが多い。機動性こそそこそこあるものの、それとてデメリットである装甲の薄さからきたおまけ効用に等しい。

    こうした諸問題を抱えていたため、納品された機体も長い間死蔵の状態だった。制式採用に当たって本機は「暴徒鎮圧及び対空用」と発表されたが、これは「使い道が見当たりそうもないため、何とかこなせそうな任務を与えた」名目上の物に過ぎない。

  • ソルティックH8RF “コーチマSpl.”

    • Height10.09 m
    • Weight21.004 t
    • Pilot--

    エリートパイロットで構成された4機編成のCBアーマー部隊「24部隊(にーよんぶたい、漫画版ではツーバイフォーとも表記)」に配備された、Xネブラ対応の高性能機。 本機は新造ではなく既製のSV-J212-38型を改修して作られた機体である。これは本機が元々、生産台数の多いラウンドフェイサーをT10C並みの性能にアップグレードさせるための近代化改造プランであったためである。実際に改造が実施されたのは10数機であり、内24部隊に支給された4機はチームカラーであるブルーとシルバーで塗装された。

    ターボザックと動力ケーブルで接続されたアームリニアガンが装備され、運動性能も飛躍的に向上しているが、ターボザック自体はダグラムのものとは違い、リニアカノンなどの追加武器は無く、サイズも小さいものである。名前の由来は開発を担当したソルティック社のコーチマ技師にちなんだものだが、これら細かい設定は『デュアルマガジン』誌やプラモデルの解説のみで語られ、劇中で描写されたことは無い。資料によっては「24ソルティック」とも呼ばれている。

  • アビテートT10B “ブロックヘッド”

    • Height11.78 m
    • Weight31.102 t
    • Pilot--

    アビテート社初の二足型CBアーマー。外見は同型の能力評価試験機T10Aを経て誕生した。ダグラムの活動開始後、就役が始まったばかりの新型機。

    愚鈍そうな外見のせいか、「間抜け」「でくの棒」を意味する通称が付けられている。連邦初の対リニアガン装甲を施した重防御を誇るが、高出力により、事前の予想に反し機動性も高い機体に仕上がっている。キャノピーの下の「鼻」にあたる部分に30ミリ連装機関砲塔が付いており、操縦士と砲手がタンデム式に搭乗する複座形。腕部のアーマーライフルは小型のリニアガンであり、ダグラムやラウンドフェイサーのチェーンガンより強力である。『コミックボンボン』版では重CBアーマーとも呼ばれる。駆動系は他社にさきがけて従来のアクチュエータに加えマッスルシリンダーが採用されている。

  • ソルティックH102 “ブッシュマン”

    • Height9.38 m
    • Weight18.951 t
    • Pilot--

    山岳戦用軽量型CBアーマー。運動性が高くXネブラの影響も小さいのが長所だが、それと引き替えに装甲や武装が犠牲になっている。外見もラウンドフェイサーを華奢にしたようなデザインである。

    ジェネレータの供給エネルギーを節約するため、携帯兵装はマグランチャーである。他に、頭部と一体化した6連装ロケット弾ポッドと、格闘戦用として両手の甲についているメリケンサック状のアーマーが装備されているが、いずれも劇中未使用。ラウンドフェイサー同様水中に入ることはできない。横方向の視界が制限されるため、頭部のロケット弾ポッドを嫌うパイロットもいた。機体色はココアブラウンとホワイト。

  • ソルティックH404S “マッケレル”

    • Height8.7 m
    • Weight19.917 t
    • Pilot--

    強襲揚陸を目的とする水陸両用CBアーマー。名前は魚のサバの英名から。配備はH8ラウンドフェイサーよりも後になったが、開発はH8よりも先におこなわれ、H8は本機とAG9ニコラエフの実働データを活用して完成した経緯を持つ。

    ラウンドフェイサーの弱点である防水シールドを備えた全領域型として開発されたが、途中で上陸作戦用に仕様変更されている。旧型の潜水服のようなデザインで、水中用の武装は腹部のミサイルポッドのみ。また、手が脚部のくるぶしにまで届くほど腕が長く手が大きいため、リニアガンやマグランチャーなどの手持ち武器は装備できず、火力的には貧弱で対CBアーマー戦には向かない。

    背部のハイドロジェットエンジンは、水中で目的地へ長距離移動する際に使用、到着後はそのまま排除することもできるが、そうなると往路同様の水中移動は不可能になる為、帰投にはマベリックで空輸するなど別の移動手段が必要になる。CBアーマーは元来汎用性がセールスポイントだが、それらの問題により本機の投入環境や戦術は限定的なものとなり、生産数も少なかった。機体色はローズマダー。

    ソルティック社における社内番号はSV-J216。

  • ソルティックHT128 “ビッグフット”

    • Height11.64 m
    • Weight27.043 t
    • Pilot--

    複座型の寒冷地用2足型CBアーマー。ラウンドフェイサーの後継機として「重装型コンバットアーマー」をコンセプトに開発されたが、当初はラウンドフェイサーを単に重装化しただけという感が否めず、その開発途上における関係者の評価は高いとはいえなかった。また、アビテート社のT10B/Cブロックヘッドでも問題となった複座方式はパイロットの慣熟に時間を多く要する点でやはりマイナス点とみられていた。さらに、先に完成していたアイアンフット社のF4Xヘイスティが連邦と解放軍の両陣営でめざましい活躍を見せたことは、二足歩行型CBアーマー開発のパイオニアを自負するソルティック社開発陣のプライドを著しく傷つけ、開発は一時中断となってしまう。しかし、マッケレルの防水シールド技術を防寒(過冷却による機能低下防止)に応用することで寒冷地用に仕様変更された。このような方便で本機が兎にも角にも日の目を見ることができた背景には、ソルティック社の属するメドール州の発言力の大きさがあるといわれている。

    完成した機体は、カタログスペックではT10Cにも勝っていた。ロールアウトした生産型は全てデロイアに運ばれ、その数は78機となっている。名前の由来はアメリカの雪男で、実際に氷雪上での安定性向上のために足底には洗濯板状の滑り止めが施されている。デザイン的にはブロックヘッドの風防部分がラウンドフェイサーのように大きくドーム状になったように見える。機体色はブルーグレー。

    ソルティック社における社内番号はSV-J322。

  • アイアンフットF4X “ヘイスティ”

    • Height8.94 m
    • Weight29.963 t
    • Pilot--

    ラウンドフェイサーに代わる次期主力機を目指して開発された、Xネブラ対応型の高性能CBアーマー。ダグラムのデータをベースに開発されたとも言われ、カラーリングもダグラムに似たダークブルー中心の彩色となっているが、劇中では特に触れられてはいないこともあり真偽は不明。頭部が無く右胸部にトーチカ型のコクピットがあり、重心の低い左右非対称のデザインである。その型番も、二足歩行型ながらアビテート社のガンナータイプと同じく戦車型を意味する「F」ナンバー。

    大型の新型アームリニアガンに合わせる形で機体が設計され、上半身が大きく安定性が悪いため、脚を太短くして重心を下げたといわれる。

    コクピットが右胸部にあるのに対し大型ミサイルポッドは左肩上部に搭載されているため、これが被弾誘爆しても、劇中でラウンドフェイサーが陥ったようなコクピット大破の危険性は減少している。反面、乗員からの直接視界が狭いため、センサーで補っている。また、関節駆動系を全てマッスルシリンダーにしたのも特徴の一つである。上半身のボリュームが大きい外見のため大型の機体に見えるが、他の二足歩行型CBアーマーに比べ全高は4分の3程度の小型の機体で、機体幅はブロックヘッドより狭い。特異な形状のためマベリックでの空輸は不可能で、多脚型CBアーマー同様にボーンフィッシュが用いられる。また、「ヘイスティ(せっかち)」の名の通り、重厚な見かけによらず素早い横移動ができる。

    本機は呼称設定が不安定な存在である。書籍、雑誌といった関連メディアやプラモデル商品のパッケージ等に掲載された設定では「アイアンフット」がメーカー名、「ヘイスティ」が機種の愛称となっている。しかし、劇中の脚本では「今後はこのアイアンフットタイプが主流になっていきます」といったセリフに代表されるように、終始一貫「アイアンフット」が機種名として登場人物たちに呼ばれ続け、「ヘイスティ」という名は結局最後まで作中には登場しない。さらに厳密には、「アイアンフット」(Iron foot:鉄の足)という名も第61話で連邦軍兵士から呼ばれるまでは脚本上では語尾が異なり、「アイアンフッド」(Iron hood:鉄なるもの、鉄のごときもの)という音で発音されていた。

  • アビテートF35C “ブリザードガンナー”

    • Height10.368 m
    • Weight29.65 t
    • Pilot--

    第三世代に相当する機種だが、寒冷地の雪上や氷上での戦闘に特化するため、敢えて古い形式の多脚型で設計された高性能CBアーマー。デザートガンナーの発展型ともいえるマルチ可動四脚式。極限まで小型軽量化がはかられ、CBアーマー史上最小の地上高である。これは雪原での潜伏戦術を想定したためで、砲塔を廃したことで機体の最低地上高を低く抑えることに成功しただけではなく、従来のガンナーシリーズではネックだった安定感の無さも重心を低く、広くした事で克服している。砲塔がないため砲身が左右に振れない点については、機体自体の向きを変えることで対応する為、射角を変えることによる各種射撃にも対応出来る。機体上面の雪を溶かす融雪機能を持つ。第1世代のガンナータイプ3機種が戦車に似通っているのに対し、本機は突撃砲に類似するデザインとなっている。機体色はブルーグリーン。

    アビテート社における社内番号はA-127とされ、これまでの法則からいけばA-C127辺りが妥当であるが、第三世代CBアーマーの頃には省略された可能性も考えられる。