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ジェガン

ジェガン

型式番号:RGM-89

宇宙世紀0089年に制式採用された地球連邦軍主力量産型MS。開発・生産はアナハイム・エレクトロニクス (AE) 社が担当した。本機は一年戦争期からのジム、ジムII、ジムIIIといった地球出身者が開発したジムシリーズと、エゥーゴ由来でAE社が開発・製造したネモ、ネロ系の技術を融合させた機体であり、連邦製標準MSの後継機となる。

頭部には固定式のメインカメラ、額部には長距離用センサーが採用されており、各部の装甲は必要かつ十分な強度と、運動性を両立させた重量バランスでまとめられている。胸部の排熱ダクトは小型化され、耐弾性が向上している。脚部は運動性向上の目的でフロントスカートが省略され、その代わりとして腿部前面に増加装甲が施されている。これによって関節部が露出する結果となったが、脚部の駆動抵抗の低減と軽量化に寄与している。

バックパックは大型1基と小型2基のメインスラスターに加え、ガンダムMk-IIのように上部左右に可動式バーニアアームを装備している。加速性と機動性はグリプス戦役時の高機動機にも匹敵し、燃料搭載量も増加している。さらには、補給時に基部ごと交換することにより、迅速な戦線復帰を可能としている。コックピットには新型の球状操縦桿「アーム・レイカー」が採用されているが、一部の系列機ではのちに従来のスティック式へ戻されている。

本来は宇宙用に開発された機体であるが、重力下環境にもほぼ無改造で適応し、オプションの増設や換装で局地戦にも柔軟に対応できる。さらに、サブフライトシステム「ベースジャバー」や、リゼルやアンクシャといった可変MSと連携することにより、長距離移動任務にも対応可能となっている。

主要な部品の製造をタキム重工、サムソニ・シム、モンテレー電子、イオタ工業などの企業が担当しており、改良を重ねたMSの設計コンセプトが統合されていることから信頼性は高く、0088年のハマーン・カーンの蜂起に始まる一連の第一次ネオ・ジオン抗争以降は反地球連邦勢力の活動が鎮静化しつつあったことから新型機の開発予算が削減され、基本性能と生産性に優れる本機のマイナーチェンジが繰り返されていく。

0089年から生産開始された機体は「A型」とも呼ばれる。0093年の第二次ネオ・ジオン抗争までに80機程度が生産され、ロンド・ベル隊をはじめ次第に連邦軍全体へ配備されていく。0110年代初頭には、AE社製のヘビーガンやサナリィ製のFシリーズといった15メートル級の第2期MSの生産が開始されるが、配備の遅れからジェガンタイプは0120年代初頭前後まで生産と配備が継続される。しかし、クロスボーン・バンガード (CV) の小型MSにはまったく対抗できず、主力機の世代交代が加速。0120年初頭までの総生産数は、平時が続いたことから系列機を含めて3000機に満たなかったといわれる。

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