- Work電脳戦機バーチャロン
型式番号:MBV-09-C
このVRの開発の経緯は意外なところからの要請に始まる。話の出所は、一貫してVR導入に反対していたSTDS(DNA戦略・戦術開発局。商品開発プランの立案からその実行に至るまで、DNAの営業戦略を担う中枢的存在)だった。いざVR同士による戦闘が本格的になると、近接格闘戦も重要な要素となってきた。ましてや、限定戦争は娯楽の一面もあり、近接格闘戦の中継は大人気を博していた。巨大人型ロボットによる近接戦闘は、生身の人間による白兵戦並みの激烈な要素を持ちながらも視覚的残虐さは希薄であった。STDSは、この点にVRの商品価値の一端を見出し、「限定戦争(というショー・ビジネス)の本質にかなった」要素として指摘したのである。この指摘を重要視したDN社は早速、現行4機種の検証を行い、その結果、テムジンをベースに(加えて、テムジンの「後継機」というのも兼ねて)近接戦を強化した主力戦闘VRが開発されることとなった。開発には当時新設されたばかりで若手の多かった第2プラント「トランスヴァール」が担当する事になるも開発が難航し、これに見かねた開発管理局は、XMUプランの9号機の基本設計を流用するよう勧告。なんら実績の無い新興プラントは、その意向に従うしかなかった。完成した試作機はMBV-04に比べると粗削りな機体で、非常にソリッドな操作特性を持っていた。しかし基本能力に関しては何ら問題はなく、その機体構造の堅牢性およびメンテナンスの容易さについては、かえってテムジンのそれを凌駕するものがあった。この結果を受けて本機の制式採用が決定し、MBV-09アファームドと命名された。装甲は近接格闘を意識してかかなり厚めの装甲となっている、機動性も横ダッシュ時はテムジンと大差ないが、相手との間を詰めるため前ダッシュ時の加速性能はテムジン以上の機動性を誇る。メイン武器は両碗部に取り付けられたビームトンファーで、このビーム発振器はジェネレーターに直結されており絶大な破壊力を誇る。ジェネレーターもテムジンのそれよりも余裕を持たせてあるためトンファー攻撃時の踏み込み速度は音速を超える。またその際、フィールド(一種の「バリア」)が発生し「無敵」となる。トンファーは下腕部に取り付ける形で収納される為、武器の取り回しの悪い市街地戦等でその威力を遺憾なく発揮した。携行武器としても小型のショットガンが開発され、近接格闘時の邪魔にならないようになっている。ショットガンはエネルギー容量の少なさもあり射撃での火力の弱さを残してはいたが、直後に完成したドルカスとの連携を視野に入れており、その相性も抜群だったためさほど不安視はされなかった。ボムは「アファームドの開発時、手の動作が修正できない」という設定があり、ゲーム内でも横ダッシュ時に投擲すると大きな爆風とならずに小さな爆風となってしまう「不発弾」となる難点がある。