- Workブレイク ブレイド
- Height8.9 m
- Pilotライガット・アロー
ビノンテン郊外の石英採掘場で発見された、推定千年前の古代(アンダー)ゴゥレム。このゴゥレムの本来の名称は不明で、発掘後に「デルフィング」というコードネームが付けられた。外観上の特徴として、頭部と背中に折れた剣のような角と背鰭(はいき)があり、ナルヴィが「壊れた刃」という意味で命名した。また、ボルキュスはこの機体の圧倒的な運動性能と攻撃力から、「破壊を象徴する刃」と称し、「ブレイクブレイド」とも発言している。アテネス軍では、その圧倒的な戦果から「将軍殺し」とも呼ばれている。
デルフィングは現代のゴゥレムとは異なり、操縦士の魔力ではなく動力炉を搭載しており、非常に高度な石英精製技術で作られたインナーフレームを持つ。そのため、非常に高い強度を誇り、現代の技術者では解析や整備ができないレベルである。コックピット形式も現在のゴゥレムとは異なり、視界は狭いものの鮮明なモニタが搭載されている。さらに、外部メイン冷却システムのエラーにより稼働時間が制限されており、全力稼働では10-30分しか動けず、冷却には24時間かかる。日中は動力の蓄積量が増加し、稼働時間が延びることが確認されている。
操縦は完全に手動で行われ、現代のゴゥレムとは異なり、機体の予測運用スキルによる補助が入るため、素人でもある程度の戦闘が可能である。機体は搭乗士の頭の動きや視線をトレースし、直感的な操作ができる仕様になっている。また、解析不能な技術によって作られたインナーフレームは非常に強靭であり、常識外の靭帯馬力、加速力、跳躍力を発揮する。
デルフィングには自律行動機能が備わっており、搭乗者の意識が不明な場合には「Lindy 01 プロトコル」というモードに移行し、周囲の脅威を自動で判定し反撃する。このモードは非常に動力を消耗するが、搭乗者が意識を回復すると自律行動は中断される。
機体の内部アナウンスから、本来の名称は「NM20561107-A02」であり、ライガットは3人目の搭乗者であることが示されている。また、ゼスによれば、古代ゴゥレムに関する情報をオーランドが握っているが、詳細は不明である。
名前の由来は、北欧神話に登場する魔剣「ティルヴィング」。
第一形態
発掘されたばかりのデルフィングは、曲面を多用した先進的なデザインが特徴であり、他の角張った無骨な印象のゴゥレムとは一線を画している。しかし、石英精製技術に問題があったため、外部装甲は腐食が進んでおり、気泡だらけで脆くなっていた。装甲は対人散弾ですら貫通するほど劣化しており、発掘直後には武装もなく、防御力も低かった。
さらに、ライガットがまだデルフィングを操縦し始めたばかりだったため、操縦技術が未熟であり、ゼスの操るエルテーミスに簡単にあしらわれてしまった。