プロローグ
西暦から宇宙世紀への改暦を記念したセレモニーが、地球の低軌道上にある宇宙ステーション「ラプラス」にて執り行われ、連邦政府初代首相リカルド・マーセナスをはじめ、連邦構成各国の代表が参集し、新たな時代の憲章である「宇宙世紀憲章」が発表される予定だった。
しかし宇宙世紀0001年への改暦と同時に、ラプラスはテロリストによって爆破され、マーセナス首相を含む多くの犠牲者を出す。その大惨事の中、貧困からテロに参加していた17歳の少年サイアム・マーキスは、爆発に巻き込まれ宇宙を漂流するなか、「ラプラスの箱」と呼ばれる箱型の物体を手に入れ、奇跡的に民間船に救助される。
序盤
第二次ネオ・ジオン抗争の終結から3年後の宇宙世紀0096年。サイド4の工業コロニー・インダストリアル7、その増設設備メガラニカにおいて、ビスト財団当主カーディアス・ビストが、フル・フロンタル率いるネオ・ジオン残党軍「袖付き」へ「ラプラスの箱」と呼ばれる重要機密を引き渡す計画を立てていた。
カーディアスの私生児である少年バナージ・リンクスは、インダストリアル7内のアナハイム工専に通うなか、謎めいた少女オードリー・バーンと運命的な出会いを果たし、彼女に強く惹かれる。オードリーの正体は、ザビ家の生き残りであるジオンの姫、ミネバ・ラオ・ザビであり、大きな戦争の火種となる「ラプラスの箱」の引き渡しを独断で阻止しようとしていた。
しかし、連邦政府とアナハイム・エレクトロニクス社がその動きを察知し、地球連邦軍を軍事介入させたため、インダストリアル7は「袖付き」との戦闘によって火の海と化してしまう。バナージはアクシデントの中で瀕死のカーディアスと再会し、出生の秘密を知らされると同時に、「箱」を開くための「鍵」となるMSユニコーンガンダムを託される。
中盤
ユニコーンガンダムには、特定の地点で戦闘を行うことで「ラプラスの箱」へと向かう次の道標を開示する「La+プログラム」が与えられていた。バナージは必然的に、「箱」の秘匿を望む連邦政府側の勢力、そして「箱」を奪取しようとするフル・フロンタル率いる「袖付き」との争いに巻き込まれていく。
この旅の中で、バナージは「箱」と因縁のある血筋のリディ・マーセナス、過去の戦争に心身の傷を抱える「袖付き」所属のスベロア・ジンネマン、その部下である強化人間マリーダ・クルスらと出会い、敵味方を超えた様々な人物との関わりを通じて成長していく。
やがてバナージはニュータイプとしての力に目覚め、ユニコーンガンダムもその性能を引き出されていく。そして、フル・フロンタルが駆るMSシナンジュ、マリーダやリディへと乗り手を変えていくユニコーンガンダム2号機バンシィといった強敵とも互角以上に渡り合うようになる。
また、「箱」の秘密を巡り、連邦の既得権益を守ろうとするマーサ・ビスト・カーバインと、バナージの異母兄弟であるアルベルト・ビストが暗躍。戦いは、連邦とジオンという枠を超え、「人の可能性を信じる者」と「それを否定する者」との戦いへと変化していく。
終盤
最終座標でもあったメガラニカに再び辿り着いたバナージは、ミネバと共に、自身の曽祖父であり「ラプラスの箱」の持ち主であるサイアム・ビストと対面する。
そこで彼らは、「箱」の正体が「将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者たちを優先的に政府運営に参画させる」という7番目の宇宙世紀憲章の条文であることを知る。そしてバナージとミネバは、その開示を決断する。
しかしそこに現れたフル・フロンタルは、「箱の秘密は秘密のままにし、連邦政府と取引する材料として利用することこそ、スペースノイドの繁栄に繋がる」と主張し、実力行使で「ラプラスの箱」を奪おうとする。
バナージとミネバは、連邦でもジオンでもない第三勢力をまとめ上げ、メガラニカでフル・フロンタルとの最終決戦に挑む。そしてついにフロンタルを打ち破り、「ラプラスの箱」の中身を全世界に公表するのだった。