- Height70.3 m
- Weight389.1 t
- Pilotレビ・トーラー, ユーゼス・ゴッツォ
ゼ・バルマリィ帝国の大型機動兵器で、念動力能力保有の上級指揮官用の機体。
異形な外見であるが、十字架を想起させる形状から地球側では「デスクロス」のコードネームで呼称される。
ゼ・バルマリィ帝国辺境銀河方面監察軍第7艦隊の副司令官ユーゼス・ゴッツォによって独自に開発された大型機動兵器で、それ故に本機は第7艦隊のみでしか配備されていない。外見はギリシア神話に登場する半人半蛇の怪物であるテュポーンやラミアを想起させ、4本の腕があり、上側の右腕部は手が大きい蛇の頭のような形になっている等、極めて異形である。変形機構を搭載している可変型機動兵器でもあり、半人半蛇型の通常形態、サソリ型の突撃形態、サメ型の強襲形態の3形態に変化する事が可能で、この機能によって宇宙のみならず地上や海中においても柔軟に活動する事が可能となっている。
操縦システムは、地球側の念動力補助機能である「T-LINKシステム」に匹敵する念動力感知増幅装置「カルケリア・パルス・ティルゲム」を搭載しており、本機は同システムを搭載した帝国軍の上級指揮官機であるヴァイクルをベース機に発展させたと思われるアンティノラを更に発展させる形で完成した機体とされている。一方、試作機であったアンティノラがハバククやエゼキエル等と同等の武装を装備させていたのに対し、本機はそういった武装は一切搭載されておらず、念動力能力に特化した攻撃方法で戦闘を行う。また、搭乗者の念動力によって無人運用兵器であるメギロートやヴァイクルの無人仕様をコントロールし、戦わせる戦法も可能としている。ただし、カルケリア・パルス・ティルゲムによって搭乗する念動力者に掛かる負担がかなり大きく、高い戦闘能力を備えている反面、長期戦闘に向かないのが最大の欠点。特に、搭乗者が自らの意志に関係無く戦わされている場合は、搭乗者自身の自我の抵抗も重なってその負担は更に大きくなり、最悪の場合は命の危険にも大きく関わる事にもなる。なお、実は本機は2機開発されており、レビ・トーラー(マイ・コバヤシ)機が実質的に実験機であるのに対し、開発者のユーゼスが自ら搭乗する機体として秘密裏に建造していた機体は未完成ながらもより完成に近づいた発展型となっている。
機体名および武器の名称は、13-14世紀イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリの叙事詩『神曲』の地獄篇に登場する、最も重い罪とされる「裏切り」の罪を犯した者が落とされる地獄の最深層「コキュートス」の四つに区切られた地名からとられている。