
- Work機動戦士Vガンダム
- Height15.2 m
- Weight7.6 t
- Pilotウッソ・エヴィン
型式番号:LM312V04
リガ・ミリティアがザンスカール帝国軍の軍事的脅威に対抗するために推進したMS開発計画「V(ヴィクトリー)プロジェクト」に基づいて開発された機体。「ヴィクトリー」という名前には、勝利への祈りが込められている。
同年代にはジャベリンやジェムズガンといった量産型小型MSも存在していたが、開発された時期から見てそれらはすでに旧式となっており、ベスパが保有する高性能MSと渡り合うには新たな高性能機の開発が必要だったため、本機の開発がスタートした。もともとは連邦系のMS開発企業がモデルチェンジ候補として検討していた機体で、ガンイージとともに開発が進められた。特にヴィクトリータイプはリガ・ミリティアの反抗の象徴とする意図があり、「ガンダム」の伝説を復活させる機体として、高性能かつ高い汎用性を備えて設計されている。MS形態ではベスパのMSを上回る性能を誇る。
リガ・ミリティアはアナハイム・エレクトロニクス社の協力を得てMSの開発を行っていた。その活動の性質上、ベスパの秘密警察の監視から逃れるために、各地に点在する秘密工場での分散生産体制を取る必要があり、常に攻撃のリスクと隣り合わせだった。また資金的制約も大きく、汎用性の高い機体を効率よく運用することが求められたため、最終的に高コスト機であっても開発に踏み切ることとなった。
量産はヨーロッパ各地に存在するリガ・ミリティアの工場で行われ、各パーツは地球上や月面など異なる場所で別々に製造されていた。正確な生産数は不明だが、地球上だけでも20機程度のパーツが完成していたとされる。工場ごとに独自の調整が行われたことにより、若干の仕様差も存在していた。
本機はミノフスキー・フライトを採用しており、同時代のMSと比較しても非常に高い飛行性能を実現している。機体は変形・分離・合体が可能で、多様な運用形態を取ることができ、装備の換装による性能向上も可能。各部にハードポイントが設けられており、追加武装も容易に行える。腰部前方のスカートアーマーは独立可動式で、水平方向に展開することで人員や物資の運搬用荷台としても使用できる。このように、実戦投入可能なレベルまで完成されたミノフスキー・フライトを搭載している点や、「マルチプル・モビルスーツ」としての高い拡張性が、本機の大きな特徴となっている。
基本性能そのものはU.C.150年代において特筆すべき水準ではなかったが、偶然にもウッソ・エヴィンという卓越したパイロットを得たことで、その性能を存分に発揮し、あるいは本来の設計を超える力を発揮することになり、リガ・ミリティアの抵抗運動を大きく後押しする存在となった。
なお、劇中では後継機V2ガンダムが登場する第33話以降、「V1(ブイワン)」と呼ばれて区別されている。ベスパ側からは、V2を含めて「白いヤツ」や「ガンダムもどき」と揶揄されている。