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機体リスト
聖刻1092

共收録 2 台の機体。
  • ニキ・ヴァシュマール(白き操兵/白の一)

    • Height8 m
    • Pilotフェン

    フェンの父ハオがカロウナ村にたどり着いた際に持ち込んだ操兵で、東方製とも西方製とも異なる狩猟機。かなりの年代物で詳しいことはわかっていない。その後、納屋に放置されていたが、グルーンワルズ襲撃の際にフェンが持ち出し、さらわれたリムリアを追ってフェンの旅が始まる。特徴的な細長い兜と白い装甲が目立ち、全高は2リート(約8m)を超える大型機体である。背中に大剣を装備しているが、錆び付いて抜くことができない。フェンは刃物を扱うことが許されず、また本能的に刀剣を嫌うため、特別に注文した伸縮自在の三節棍を武器としている。

    この機体の正体は≪八の聖刻≫の一つ「白き王」。太古の巨神族の勇者フェンが仇敵である黒龍ハイダルとの闘いで死亡したのち、その肉体と精神を聖刻化することで生み出された存在である。装甲も勇者フェンの遺品であった鎧を用いている。後に「白き王の帝国」の時代に大幅な改修を受けている。属性は風門で、≪真・聖刻≫は仮面の額に嵌め込まれている65個目の巨大な聖刻石だが、フェンが最初に乗り込んだ時点では失われており、単なる老朽機にしか見えなかった。

    2500年前、「白き王の帝国」を築き上げたが、黒の王との闘いにより、王が生体部品として取り込まれることを憂いた王妃リムリアが王を毒殺することで解放されたため、「選ばれし者」を失ったまま封印されていた。聖都計画の途中で白亜の塔の地下に安置されていた≪真・聖刻≫を取り戻し、《八の聖刻》としての力を取り戻していく。次第に意思が強烈になり、第二部ではルアンムーイでフェンの意志を無視して巨大な竜巻を発生させ、青龍騎士団を壊滅させる。第三部では「選ばれし者」フェンを取り込み、完全な存在になろうと図る。

    背中に背負った大剣は勇者フェンの武器であった聖剣エル・ミュートであり、一度抜き放てば《八の聖刻》ですら屠る力を持つが、多大な制約が課されており、滅多に抜くことができない。両者の覚醒が進むに伴い、フェンとの関係は単なる操兵と操手から神器と部品、不完全な神と失われた魂、勝手に動き回る片割れと半神という形へと変化していく。

    第四部冒頭では自ら<白亜の塔>の活動炉のエネルギー源となるべく塔内に赴くが、獣機を引き連れたカイユ・ミカルドが迫るにあたって単独出撃。二度の熱線照射で市街の巻き添えを意に介さず獣機の群れを灰の山に変えると、即座にカイユとミカルドの上空に転移し、巨大な風の刃で<白亜の塔>上層部もろともレイヴァーティンとヴァルダラーフを両断。その後、戻ってきたフェンに叱咤され、おとなしく着陸する。聖都の修復がある程度成ったあとは炉を離れ、フェンとリムリアを乗せてダム・ダーラとの決着をつけるべく旅立つ。

     

  • ハイダル・アナンガ(黒き操兵/黒の一)

    • Height7.8 m
    • Pilotダム・ダーラ / ゾマ

    ≪八の聖刻≫の一つであり、≪白き操兵≫ヴァシュマールの対極にあたる≪黒き操兵≫の一体、「黒き王」。全身が漆黒で、丸みを帯びた独特の装甲を持つ。左腕に大盾を装備し、背中には翼のような機構と、自在に動いて敵を攻撃する蛇状の管が二本ある。≪真・聖刻≫は仮面の65個目の聖刻石で、太古の龍族の<狂王>ハイダルが勇者フェンと相討ちになった後に聖刻化された存在であり、属性は土門である。

    聖刻教会の創始者である『八聖者』が約2500年前に死闘の末、北方の聖なるホーマ樹の下に封印した。≪真・聖刻≫はまだ樹の下にあり、中原に出現したハイダルは獣機をもとに数十年かけて製作されたレプリカの機体に本来の仮面を据え付けたもので、≪真・聖刻≫もつけられておらず「選ばれし者」であるダム・ダーラも搭乗していない極めて不完全な存在であるが、仮面に備わる強力な意思によって問題なく動作する。実際、操手なしの状態でありながら、バラーハの首を一刀で討ち取っている。

    本来の武器はエル・ミュートと対になる邪剣《黒き剣》だが、現在は失われており、闇から生み出した漆黒の鉈を操る。

    生前は<狂王>・<黒竜王>の二つ名を持って畏れられた黒龍族の長であり、巨神族と互いの存亡をかけた「聖龍大戦」を勃発させた。兵卒や操兵のみならず、ハイダル自らが生み出した亜龍や操兵獣機化技術を投入したこの戦いは、種族として行き詰まっていた巨神族と黒龍族の双方を最終的に絶滅に至らしめた。

    力だけでなく性格的にも真龍たる矜持を持っていた様子で、<黒の陣営>による搦手については宿敵フェンをして「ハイダルが主導しているなら堂々と正面から襲ってくる」とまで言わしめた。また、生前においては「ネズミ」として見下していた現生人類の先行きについてもジュレミィと念話で会談を行うなど、王者の風格を示していた。