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ニキ・ヴァシュマール(白き操兵/白の一)

ニキ・ヴァシュマール(白き操兵/白の一)

フェンの父ハオがカロウナ村にたどり着いた際に持ち込んだ操兵で、東方製とも西方製とも異なる狩猟機。かなりの年代物で詳しいことはわかっていない。その後、納屋に放置されていたが、グルーンワルズ襲撃の際にフェンが持ち出し、さらわれたリムリアを追ってフェンの旅が始まる。特徴的な細長い兜と白い装甲が目立ち、全高は2リート(約8m)を超える大型機体である。背中に大剣を装備しているが、錆び付いて抜くことができない。フェンは刃物を扱うことが許されず、また本能的に刀剣を嫌うため、特別に注文した伸縮自在の三節棍を武器としている。

この機体の正体は≪八の聖刻≫の一つ「白き王」。太古の巨神族の勇者フェンが仇敵である黒龍ハイダルとの闘いで死亡したのち、その肉体と精神を聖刻化することで生み出された存在である。装甲も勇者フェンの遺品であった鎧を用いている。後に「白き王の帝国」の時代に大幅な改修を受けている。属性は風門で、≪真・聖刻≫は仮面の額に嵌め込まれている65個目の巨大な聖刻石だが、フェンが最初に乗り込んだ時点では失われており、単なる老朽機にしか見えなかった。

2500年前、「白き王の帝国」を築き上げたが、黒の王との闘いにより、王が生体部品として取り込まれることを憂いた王妃リムリアが王を毒殺することで解放されたため、「選ばれし者」を失ったまま封印されていた。聖都計画の途中で白亜の塔の地下に安置されていた≪真・聖刻≫を取り戻し、《八の聖刻》としての力を取り戻していく。次第に意思が強烈になり、第二部ではルアンムーイでフェンの意志を無視して巨大な竜巻を発生させ、青龍騎士団を壊滅させる。第三部では「選ばれし者」フェンを取り込み、完全な存在になろうと図る。

背中に背負った大剣は勇者フェンの武器であった聖剣エル・ミュートであり、一度抜き放てば《八の聖刻》ですら屠る力を持つが、多大な制約が課されており、滅多に抜くことができない。両者の覚醒が進むに伴い、フェンとの関係は単なる操兵と操手から神器と部品、不完全な神と失われた魂、勝手に動き回る片割れと半神という形へと変化していく。

第四部冒頭では自ら<白亜の塔>の活動炉のエネルギー源となるべく塔内に赴くが、獣機を引き連れたカイユ・ミカルドが迫るにあたって単独出撃。二度の熱線照射で市街の巻き添えを意に介さず獣機の群れを灰の山に変えると、即座にカイユとミカルドの上空に転移し、巨大な風の刃で<白亜の塔>上層部もろともレイヴァーティンとヴァルダラーフを両断。その後、戻ってきたフェンに叱咤され、おとなしく着陸する。聖都の修復がある程度成ったあとは炉を離れ、フェンとリムリアを乗せてダム・ダーラとの決着をつけるべく旅立つ。

 

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