黒部にて60年前のトンネル工事中に発見された「アーティファクト」の一つである人型機動兵器。現在も解析作業が行われている。重量は約300tもあり、これを動かせなかったことが、この地に研究所が置かれた理由である。コクピットである「ザ・キューブ」が組み込まれることで起動する。剣之介の乗機で複座式の機体。元は450年前の戦国時代にエフィドルグの先遣隊が使っていたグロングルで、彼らを追って来たゼル達が奪い取り、当時は剣之介と雪姫が搭乗していた。エフィドルグでの機体名は「武羅愚魔(ブラグマ)」。頭部が左右非対称なのは修復痕のため。現在のエフィドルグからすれば数百年前の機体であり、本機を見たフスナーニも「旧式」と呼んでいる。
機体自体はナノマシンの集合体で構成され、例え戦闘で損傷しても周囲の物質を吸収して徐々に修復できる。操縦にはナノマシンのインプラントが必要不可欠で、纏い手となった契約者(当初は剣之介と由希奈の二人)しか起動できない。完全なる身体拡張を目指した設計思想で製造され、操縦は頸椎インターフェイスと直結しているため自分の体を動かすことがクロムクロを動かすことに繋がり、操縦枠を動かす必要はない。それゆえ、素人が乗っても力は発揮できず、うまく操れるのは武芸者に限られる。最も複座式のクロムクロの場合、重要なのは「システム本体」を統括する由希奈(や雪姫)の方で、彼女が戦闘中に「痛い」、「気持ち悪い」などと反応するのは、これが原因である。いわば後ろが本体と呼べる形で、剣之介は「暴れ役」にあたる。
武装は背部に装備した二振りの青白く光る超振動刀で、近接戦闘に特化している。この超振動刀は敵が使用する物も含めて、対象を斬撃・刺突するとアポトーシス命令でナノマシンの再生システムを破壊・無力化する作用があり、敵は刺された箇所から徐々に青黒く変色して機能停止する。また、ゼルのクロウと合体することができ、その際は翼による飛行と重力シールドの展開が可能になり、超振動槍も装備される。
第19話ではエフィドルグに攫われた由希奈を助けるため、ムエッタが後部座席に搭乗。最終話では剣之介とムエッタが乗り、ワームホールを使ってゼルの母星へ向かった。