新統合軍の次期主力可変戦闘機選定トライアル「プロジェクト・スーパーノヴァ」参画のため、2034年に開発計画が始動し、2040年には惑星エデンのニューエドワーズ基地において、VF-22の試作機であるYF-21とのコンペティションを行う。コールサインはα1(アルファワン)。設計主任はヤン・ノイマン、テストパイロットはイサム・ダイソン中尉。彼以前にも何人かのテストパイロットが搭乗していたが、飛行テスト中の事故によりそのすべてが死亡もしくは後送されている。
頭部デザインはゴーグル型と従来の主役機を踏襲しているが、内部のメインカメラは双眼式である。この双眼式カメラアイはVF-19改には受け継がれているが、以降の生産モデルは整備性の良い単眼式などに変更されている。
作中では上記の通り運用試験が行われるが、地球においてYF-19及びYF-21を含むあらゆる有人機を超える運動性を持つ無人機ゴーストX-9の開発が優先されたために試験は中止される。その後イサムとヤンによってX-9に一泡吹かせるために奪取され、地球へとフォールドを行う。追撃に向かったYF-21との戦闘のあとに、自動防衛システムをジャックしたシャロン・アップルによって起動されたX-9と交戦する。最終的には損傷を負うもののマクロス・シティに突入し、SDF-1マクロスの頭部にあるシャロン・アップルの中枢を破壊することに成功する。なおコクピットは基本的に1人乗りだが、この際ヤンは後部の非常用補助シートに搭乗してイサムのサポートを行う。
設定上ではYF-19は1号機から3号機まで存在している。また模型雑誌『モデルグラフィックス』誌上ではオリジナルバリエーションとして4号機、6号機が発表され、非公式設定本の『ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-19 エクスカリバー』では8号機まで存在すると記述されている。
YF-19 1号機
2度目の飛行試験で大破、テストパイロットは死亡。『マクロスプラス』劇中には登場しないが、ムック『THIS IS ANIMATION Special マクロスプラス』97頁には白とスカイブルーのカラーリングの機体が掲載されている。
YF-19 2号機
劇中でイサムが搭乗する機体。YF-21との総合的な性能比較試験が行われ、「シャロン・アップル事件」時にYF-21およびX-9ゴーストと初の実戦を行う。操縦桿を握らないと機体のシステムが起動しないグリップセイフティ機構になっており、大気圏突入時にアクティブステルスを切るほか、風に任せて機体を飛ばす「竜鳥飛び」時にもセイフティ機構を利用する。カラーリングはクリーム色に黒と赤のワンポイントが入っている。エンジンは開発後期にFF-2500Eに換装され出力アップしているものの、より扱いにくくなっている。
「プロジェクト・スーパーノヴァ」ではYF-19用陸戦パックを用いて陸戦用オプション装備をテストする。ミサイルなどの増設された内蔵火器で標的機のデストロイド・モンスターを一撃で破壊する。制式機には採用されていない。
『スケールアヴィエーション』2010年1月号には、制式採用後にデモンストレーション用として2号機にロイ・フォッカー・スペシャルの塗装を施したという設定の作例が掲載された。この塗装はフォッカーを直接知るマクシミリアン・ジーナスの監修を受け、マクロス7船団を皮切りに各移民船団や移民惑星でイサムによってデモンストレーションが行われたとされる。この設定は非公式本の『ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-19 エクスカリバー』にも記されている。
YF-19 3号機
構造試験用の機体。カラーリングはF/A-18の試作機風に、白地にオレンジとなっている。コールネームは「バード・オブ・プレイ」で、20世紀にテレビ放映されていた人気SFシリーズに登場する宇宙船にシルエットが似ていることから名付けられたという設定である。