2013年2月、世界が消滅し、東京だけが奇跡的に生き残ったと教えられていた都内の人々は、その事実を疑わずに日々を過ごしていました。
2015年7月4日の朝、東京の高校生である神名綾人(かみな あやと)は、地下鉄で模試会場へ向かう途中で脱線事故に遭遇します。地上に出ると、防衛軍と謎の戦闘機部隊(実際には東京の外部から飛来した地球連合軍)との激しい戦闘が始まっていました。避難先を探していた綾人の前に、同級生の美嶋玲香(みしま れいか)が現れます。一方、東京の政府(MU東京総督府)のエージェントと、外部から潜入した女性工作員の紫東遙(しとう はるか)は、それぞれ綾人を確保しようと動き出します。綾人は辛うじて両者から逃れ、玲香の後を追って東京湾地下にある世音神殿(ぜふぉんしんでん)にたどり着きます。そこで、綾人は巨大な卵型の神体を目にした途端、激しい苦痛に襲われ倒れてしまいます。玲香が歌い始め、綾人は「目覚めて」という声を聞きます。朦朧とした意識の中でその名をつぶやくと、卵は割れ、中から有翼の神像「ラーゼフォン」が姿を現します。
数日後、綾人はラーゼフォンに搭乗し、遙を抱えて次元跳躍し東京を脱出します。綾人の母である麻弥(まや)は、動じることなく、いずれ綾人が戻ってくるだろうと達観しながら見送ります。消滅したと教えられていた外の世界は実際には存続していましたが、そこは12年も先の2027年11月でした。外から見た東京は、直径160kmに及ぶ巨大な球形の次元境界「TOKYO JUPITER」に覆われており、綾人は困惑しつつも、遙とラーゼフォンと共に、遙が所属する組織「TERRA(テラ)」の本部へ向かうことになります。