C.E.73、テロリストによってユニウスセブンが地球へと落下し、世界は大きな被害とともに再び混乱へと陥った。
D.S.S.Dの補給ステーションに、火星からの宇宙船「アキダリア」が到着する。乗っていたのは、火星に暮らす人々「マーシャン」の特使アグニスとナーエ。彼らはある目的のため、地球圏へやってきたのだった。
各政府との接触
まず火星と友好関係にあるプラントに到着したアグニスたちは、マーシャンの社会構造に興味を持ったデュランダル議長と会見する。しかしその直後、地球連合がプラントへ宣戦布告し、戦争が勃発。アグニスは地球連合との会見にも向かうが、地球人からすればマーシャンはコーディネイターと同様の存在と見なされ、拷問を受ける。しかしナーエの助けによって脱出に成功し、次はオーブとの会見を目指す。
中立国だったはずのオーブも地球連合の圧力に屈し、同盟締結直前の状態に。会見を終え、アグニスの愛機「デルタアストレイ」の整備中、カガリとユウナの結婚式が開かれるが、謎のMSによってカガリが拉致される。政略結婚に反対していたアグニスは彼女の救出に向かうが、そこにオーブ五大氏族の一人、ロンド・ミナ・サハクが現れ、カガリの意志を尊重し介入してきた。
マーシャンの真の目的
マルキオ導師を交えた密会の中、アグニスは地球に来た理由を明かす。火星でNジャマーキャンセラーの原材料となる鉱脈が発見されたというのだ。この物質は地球では希少であり、核兵器に直接関わるため、軍事バランスを崩す危険性があった。アグニスたちは、地球人がこの情報をどう受け止めるかを確かめに来たのだった。
デルタアストレイの秘密
オーブ政府から退去命令が下る中、ファントムペインのスウェンとオーブ軍による追撃を受け、アグニスは敗北。さらに、自身の機体デルタに自爆装置が仕込まれていた事実を知る。この機体はテラナーの態度を測るための道具であり、破壊や鹵獲されれば核爆発するよう設計されていた。信頼されていなかったことに、アグニスは深く失望する。
新型MS「ターンデルタ」
地球に先行していたマーシャン、ディアゴと再会し、行方不明だった姉・セトナも新型MS「ターンデルタ」と共に現れる。力を失ったままのアグニスだったが、ナーエが遺伝子による定めを乗り越えて副官になれたことを知り、自らもその可能性に気づき立ち直る。
デスティニープランの発表
数か月後、帰還時期が迫る中、アグニスは各国と対話を重ね、理想とする「認め合い、協力し合う世界」の実現を目指す。その中でデュランダル議長が発表した「デスティニープラン」は、遺伝子に基づく管理社会であり、マーシャンの社会に似ていた。しかしアグニスは、遺伝子の枠を超える人の可能性を信じ、これを否定する。
アグニスの決意
ターンデルタの力で追撃部隊を退けるも、新たな敵・エミリオとダナによる奇襲を受ける。圧倒的な力の前に苦戦する中、アグニスは彼らに問いかける。「何のために戦っているのか」と。その言葉に動かされたジャンク屋組合のMSも加勢し、戦局は逆転、勝利を収める。
そして迎えた帰還の時。アグニスは地球に残る決意をする。火星と地球の架け橋となり、戦後の世界を見届け、人々が未来への一歩を踏み出す姿を信じて。