【全長:21m / 頭頂高:19.1m / 重量:51.27t / 機体色:白(浩一搭乗時)、黒(絵美搭乗時) / 意匠:左三つ巴 / ファクター:早瀬浩一、城崎絵美】
両下腕に太刀を1本ずつ装備し、近距離戦闘に特化した機体。テールスタビライザーに隠し持った長距離戦も想定したビーム兵器「エグゼキューター」による射撃や、大出力のビーム刀による斬撃も可能。また、掌から「圧縮転送フィールド」を発生させ、敵の身体を削り取ることもできる。
テールスタビライザーには飛行ユニットも内蔵されており、15〜20分程度の飛行が可能。また、その際は両肩と両下碗の装甲を展開した形態「ラインバレル・オーバードライブ」となる。
2人のファクターの存在、ファクター搭乗前での敵マキナへの攻撃、異常なまでの修復能力の高さなど、他のマキナとは明らかに異なる点が多数存在する(マキナが遵守すべき原則が適用されない)、謎の多い機体。更に特定の状況では他のマキナに干渉し、動作に異常を発生させる(その際、アルマは完全に動けなくなる。森次曰く、「マキナがラインバレルに対し、破壊衝動を抱くほどの恐怖を感じている」)。
現存する11体のマキナにカウントされない12番目のマキナであり、「カウンター・マキナ」と呼ばれる存在であるが、詳細は不明。
ラインバレル破壊作戦後、特殊な粒子で満たされたチェンバーに頭部のみを封印される。これは、ラインバレルの残りのボディを転送させないためである。その後、矢島との対話により心を決めた浩一と、彼の言葉に立ち直った絵美と対峙する。その際、ラインバレルにはもともと電脳が搭載されていなかったことが明らかになる。サブ電脳は一応あったが、メイン電脳の代用品になっていたのが真のファクターである天児の脳髄である。このため、天児は「真のファクター」というよりは「ラインバレルそのもの」であった可能性が高いとレイチェルが推測している。異常なまでの修復率の高さ、敵マキナへの無人状態での攻撃など、ラインバレルの特異性は全て天児の存在があったためである。天児の脳髄は「R335」とナンバリングされた「アーク」と呼ばれるカプセルに収められ、ラインバレルの一つ目部分に収納されていた。浩一が天児から「真のファクター」を受け継いだため、現状では浩一が「ラインバレル」そのものである。マキナとして問題なく機能しているため、絵美の生命にも問題はない。事後に修復され、加藤機関の二点同時襲撃の際に満を持して浩一に召喚される。
完成当初は電脳が搭載されていたが、天児の脳髄を「アーク」に収めて入れ替えた際に排除され、「真のファクター」が電脳の役割を兼任する(ファクターの意志がそのままラインバレルの意志となる。言い換えれば「真のファクター」の戦闘用の肉体と言える)ように調整された経緯がある。このため、ラインバレルは原則を無視した非常識な行動を取れるが、「ファクターの生命を最優先する」という原則だけはそのまま適用されている模様。この「真のファクター」の資格は前述の通り浩一が受け継いでおり、彼の意志がそのままラインバレルの意志となっている。それゆえ、「ラインバレル」というマキナ自体には意志は存在せず、全てのマキナの中でヒトマキナとなる可能性を一切持たない。
テレビアニメ版では一部の配色とテールスタビライザーのデザインが異なっており、特に前者は原作よりヒーローイメージを強くされている。最終局面で絵美を復活させ、機能を停止した(絵美曰く、機能を停止しても地球には帰還できるらしい)。
作者によると「ラインバレル」とは、「可能性の枝」・「境界」を表す"line"と、「多量」を表す"barrel"とを合わせた造語とのこと。