かつて「大戦」と呼ばれた激しい戦いがあった。南方大陸ザード帝国の侵略に対し、ラクロア王国と天宮は同盟を結び応戦し、二体の英雄機、騎士ガンダムと武者ガンダムの活躍により平和を取り戻した。しかしそれから10年後、滅んだはずのザード帝国が再び侵攻を開始する。ラクロア王国が絶体絶命の危機に陥ったとき、眠っていた騎士ガンダムが目覚める。
1巻
ラクロア王国の騎士見習いマインは、親友フレッドと共に騎士を目指して修行に励んでいたが、突如ザード帝国が侵攻。咄嗟に騎士ガンダムに搭乗し、その操縦者として認められる。しかし、繰り返される敵の攻撃や、東方の天宮から訪れた勇座との実力差に自分の未熟さを痛感したマインは、伝説の機械船ユニコーンを探す武者修行の旅に出る。彼を追ってフレッドと幼馴染のシルフィも同行し、ユニコーンの所在を示すコンパスを求めてハインツ山へ向かう。しかしそこは勇座の兄でありザードの将となった雷破の陣地であり、マインたちは苦戦を強いられる。
2巻
窮地に立たされたマインは騎士ガンダムを覚醒させて敵を退けるが、コンパスの半分を奪われ、さらに探索に向かったフレッドが行方不明になる。勇座も雷破に敗北し、自分の力不足を思い知る。コンパスを巡る戦いの中でマインは勇座、忍の華月と共闘し、旅の途中で出会った友人ランドの協力を得て、洗脳されたフレッドを止めようとする。最後まで親友を信じようとするマインの姿に心を動かされた勇座も協力し、武者ガンダムを覚醒させてフレッドを救出する。雷破との決着を目前に、ザード帝国の王子ヒムが光霊機ターンエーを操って現れ、雷破もろともマインと勇座を消し去ろうとするが、二人は英雄機の力で攻撃を防ぎ、雷破を救って一命を取り留める。雷破から託されたコンパスを手に、ラクロア王国に急行するが、勝利の代償として騎士団長オルドーが戦死。死の間際に、マインと勇座がザード帝国の王子である実の兄弟であることを明かす。
3巻
10年前、ザード帝国を倒す前に旅立ったオルドーたちは、ザード帝国から脱出してきた機械船ユニコーンの墜落に遭遇し、瀕死の王妃マーサから二人の赤子と二体の英雄機を託され、それを使って平和を取り戻していた。隠されたユニコーンを求めて旅を続けるマインたちは、ユニコーンに宿る母マーサの魂と対面し、実父であるザード王が宰相カイオスによって操られ、大戦が起きたことを知る。さらに、カイオスにより両親の仇と誤解させられたヒムに襲われたマインと勇座は、彼を救うためにガンダムを真の英雄機へと覚醒させる。母の言葉で疑念を抱いたヒムはザードに撤退するが、カイオスに囚われる。マインたちもユニコーンでザード帝国へ向かうが、砲撃を受けて墜落。ザード城を守る四つの砦をそれぞれ突破する必要がある。南の砦を突破したマインたちは、北へ向かうマイン・シルフィ組と、東へ向かう勇座・華月組に分かれる。だが東の砦では勇座たちが幻覚に囚われてしまい、絶体絶命の中で雷破が助けに現れる。
4巻
雷破の助けで危機を脱した勇座は、過去の御前試合で出生の秘密を知った雷破が、それでも本気で戦ってくれたことを思い出し、葛藤を乗り越えて東の砦を攻略する。一方、北の砦へ向かったマインとシルフィは、過去に倒した敵将の姿を模したゴーレムや、復活させられた伝説の四大守護機兵に苦戦する。しかし、彼らが本当は戦いを望んでいないことに気づいたマインは、その優しさで騎士ガンダムの力を引き出し、彼らを解放して北の砦を突破する。同じ頃、ラクロアと天宮から駆けつけた仲間たちが西の砦を陥落させ、ついにザード城への道が開かれる。しかし、その前にカイオスによって蘇った悪魔の機兵デビルガンダムが立ちはだかる。
5巻
圧倒的な力でマインたちを蹂躙するデビルガンダムの動力源は、囚われた王子ヒムだった。彼を救うことも殺すこともできず、マインと勇座は機体を破壊される。しかし、修復されたユニコーンが駆けつけ、王妃マーサの助けを得てヒムを救出。仲間たちの援護も受け、満身創痍のマインはデビルガンダムを撃破する。しかしその本体はなおも動き続ける。古代ザードの最終破壊兵器を前に、ラクロアと天宮の戦力は壊滅。絶望的な状況の中、シルフィに救われたザード王が三人の王子に呼びかける。ヒムの光霊機に宿る滅びの力を反転させ、二体の英雄機を修復し、三王子の力を結集して光の力を呼び覚まし、平和を取り戻すようにと。マイン、勇座、ヒムは三機のガンダムの力を合わせ、ついにデビルガンダムを葬り去る。平和を取り戻した世界で、それぞれの場所で平和を守る仲間たちと別れたマイン、勇座、ヒムは、ザード帝国の王子として、皆との絆を胸に新たな歩みを始める。