魔神と化し、人類を滅亡させるスーパーロボット・マジンガーZ。そんな滅亡の歴史を変えるため、自身の意識を何度となく過去へと送り続ける女性型アンドロイド・ミネルバX。
変わり続ける歴史の中でマジンガーZのパイロット・兜甲児は、ある時は魔神と化したマジンガーZに取り込まれ、ある時は乗ることさえもできずに何度もバッドエンドを繰り返す。数多の失敗を経てミネルバが諦めかけた時、ついに甲児が魔神に飲み込まれることなくマジンガーZに乗り込んでいる歴史が訪れた。
人間離れした身体能力を持つ甲児、これまでの世界では高い確率で死んでいた者の生存、そして平和な学園生活。この世界こそが目指していた、破滅を回避しうる歴史を辿っているのだと確信しかけたミネルバに突き付けられたのは、Dr.ヘル率いる機械獣軍団により10日間で50億の人類が殺され、光子力バリアで覆われた半径200kmのエリアにしか人類の生存圏が残されておらず、しかもその戦いの中で甲児が一度は死に、全身サイボーグとして蘇っていたという過酷な真実だった。
ミネルバがこの世界と仲間を守って戦う決意を新たにしたその時、Dr.ヘルの軍勢が一斉攻撃を開始した。甲児の操るマジンガーZ、そしてその仲間達の奮闘で一度は撃退したかに見えたが、ブロッケンの決死の潜入により光子力バリアは破壊されてしまう。これを機と見たDr.ヘルは、空中要塞と化した拠点・バードス島を巨大機械獣・ゴードンヘルへと変え、最終決戦を挑んできた。
ミネルバは新型の光子力バリア発生装置と一体化し、傷付いたマジンガーZ修復の時間を稼ぐ。そして甲児たちに、これまで繰り返されてきた人類滅亡の歴史の真実を開示するのだった。
甲児は応急修理を施したマジンガーZで最終決戦を挑むが、全長10km超の巨体を誇るゴードンヘルの前に苦戦を強いられる。その中でマジンガーZは、ついに魔神の力・魔神パワーを目覚めさせてしまう。その圧倒的な力に飲まれそうになる甲児だったが、ミネルバの呼び掛けにより意識を保ったまま魔神パワーを制御することになんとか成功する。
ゴードンヘルの猛攻の中、次々と魔神パワーを解き放っていくマジンガーZ。しかし、完全な魔神化を引き起こさないために7つの魔神パワーの6つ目までで戦う甲児は、次第に追い詰められていく。その甲児とマジンガーZを救おうと光子力バリアから飛び出した、さやかとアルテミスA。さやかの強い覚悟を受け止めた甲児は、2人で最後まで戦い抜く決意を新たにするが、遂に満身創痍となり絶体絶命の状態に陥る。
とどめとして放たれる、ゴードンヘルの正拳突き。それを押しとどめたのは、超巨大なロケットパンチ。これまでに消えた歴史、差異次元の甲児とマジンガーZの力だった。それは仲間達の、そして生き残っていた全世界の人々の想いを受けて超合金Zとして実体化、無数のロケットパンチとしてゴードンヘルを宇宙へと吹き飛ばす。そして実体化した無数のマジンガーZによる全方位からのブレストファイヤー・ダイナミックファイヤーノヴァ、トドメの光子力ビームでゴードンヘルとDr.ヘルは滅びた。
マジンガーZは魔神となることなく、遂に世界を救ったのだ。