第1部 宇宙編(本編第1話 - 第32話)
宇宙世紀0079年12月、一年戦争末期。ジオン公国軍の拠点はア・バオア・クーを残すのみとなっていた。地球連邦軍はジオンにとって重要な補給路である「サンダーボルト宙域」の制宙権を奪還すべく幾度もMS部隊を派遣するが、スナイパーMS部隊「リビング・デッド師団」によってことごとく退けられていた。一方、連邦内の旧サイド4「ムーア」の再興を悲願とする一団「ムーア同胞団」も、連邦への貢献度を示すことを目的に艦隊を派遣する。
スペース・コロニーの残骸が散乱する宙域で、ムーア同胞団の敏腕MSパイロットイオ・フレミングと、リビング・デッド師団の義足のスナイパーダリル・ローレンツは宿命的な出会いを果たす。イオは強力無比な武装や装甲を追加した最新鋭MS「フルアーマーガンダム」、ダリルはリユース・サイコ・デバイス(以下「RPD」)を装備した実験MS「サイコ・ザク」に搭乗する。イオはリビングデッド師団を、ダリルはムーア同胞団を壊滅せしめ、ついに彼らは交戦する。死闘の末に双方の機体は行動不能となり、艦隊も壊滅したところでジオン軍「セイレーン機動艦隊」が到着する。イオらムーア同胞団の生存者たちは捕虜となるが、ア・バオア・クー戦の混乱に乗じて脱出に成功し、終戦を迎える。
第2部 地球編(本編第33話 - 132話)
一年戦争終結から7か月が経過した宇宙世紀0080年7月。戦後の混乱・貧困と連邦の支配力低下をきっかけとして、極東からインド洋・中東周辺地域を勢力圏とする「南洋同盟」は連邦からの独立と宗教国家建設を目論み、極秘にRPDの開発を継続していた。連邦軍参謀本部のモニカ・ハンフリー大佐は、単機で艦隊を潰滅させたRPDを戦局を一変させ得る脅威として、これを奪取・破壊する「サンダーボルト作戦」を発令。ペガサス級強襲揚陸艦「スパルタン」は作戦に参加するために地球へ降下する。一方、元セイレーン機動艦隊のクライバー将軍らジオン残党軍も、ジオン再興のためRPDの開発データ奪取を目論み、南洋同盟へ部隊を派遣する。そこにはイオとダリル、そして連邦軍の新型MS「アトラスガンダム」の姿があった。
スパルタンは南洋同盟MS部隊の攻撃を受け、イオは行方不明だったクローディアが南洋同盟の指揮官として敵対していることを知る。南洋同盟の海上都市リグに潜入したダリルらは、指導者にしてニュータイプであるレヴァン・フウの意思と接触し、その志を知る。そしてジオン軍のままでは、例えカーラが回復しても再び怪物の母として望まぬことを強いられることと、自分の望みが再びサイコ・ザクに乗ることであることを自覚したダリルは、ジオン残党軍を見限って殲滅するとカーラたちと共に南洋同盟へ帰順し、サイコ・ザクの製造拠点であるタール火山基地にてその生産の仕上げを行う。
フウは、全世界規模の死の商人でもある巨大企業「アナハイム・エレクトロニクス」を討つべく、量産したサイコ・ザクで旧ジオン軍が開発したコロニーレーザー「ソーラ・レイ」を奪取する作戦を発動し、宇宙への撤退を始める。そこをスパルタンが強襲し、サイコ・ザクの試作機を駆るダリルとイオの戦いは地下基地内までおよぶ。試作機が限界を超えて決着がつきかけるが、クローディアらによって組み上がったサイコ・ザク・マーク2が届けられた結果、イオはダリルを守ろうとするクローディアを手にかけてしまう。そのショックでイオは戦闘不能となり、サイコ・ザク・マーク2に乗り換えたダリルは、シャトルの打ち上げをサポートするためにスパルタンを撃沈する。
タール島での戦いが終わり、敵も味方も次の戦場に向かって動き始める。宇宙に上がる手段を求めてジオン残党から弾き出されたヨハン・ガレに協力するダリル。戦いには間に合わず、ドミトリーやビリーを連れて脱出しダリル同様に宇宙を目指すカウフマン。そしてフウと共に宇宙拠点に向かったカーラたちは秘匿されていた「ビグ・ザム」に驚愕する。そして沈むスパルタンから脱出したクルーは少なくない犠牲を経て任務を達成するべく再出発する。