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ゼーガペイン

ゼーガペイン
2006-04-06 ~ 2006-09-28

舞浜市に住む高校生のキョウは、自分が中学時代に起こした暴力事件が原因で廃部寸前となった水泳部を立て直そうと必死になっていた。そんなある日、ミステリアスな雰囲気のシズノ先輩と出会う。そしてキョウは彼女に呼ばれ、生徒会長のシマが司令を務める戦艦「オケアノス」へと召喚され、人型兵器「ゼーガペイン・アルティール」に乗り、「ガルズオルム」と呼ばれる敵と戦うこととなる。キョウはゼーガペインの存在する無人の都市群を、ゲーム内の架空世界だと信じ込む。

だが、違和感に気付いたある日、ゲームだと思っていた荒廃した世界こそが現実であり、キョウが高校生活を送る舞浜市のほうが量子コンピューターサーバー内で処理されている仮想空間であることを知る。生物としての人類は既に滅亡しており、自分も幼なじみのカミナギ・リョーコも「幻体」と呼ばれる人格記憶体であり、コンピューターに保存されたデータでしかないという衝撃の事実を告げられる。

その昔、ナーガという科学者が量子コンピューターを実用化した。やがて彼がCEOを務めるI.A.L社は軍事分野などにも手を伸ばし巨大コングロマリットへと成長。そして間もなく、致死率98%の「オルム・ウィルス」が世界中に蔓延した。人類は死を回避するため、世界各地に作られた量子サーバーの中で、人間の記憶や思考・人格・肉体の特徴などをデータ化した「幻体」となって生きることを余儀なくされた。思想や宗教上の理由で幻体化を拒んだ人も多くいたが、疑心暗鬼に陥った人々は世界各地で戦争を始め、世界人口はわずか数年で激減し、ついにサーバー内の幻体だけが残されたのだった。

しかし、それらはすべてナーガによって仕組まれたものだった。ナーガはかねてより時間の加速した量子サーバー内で人間を進化させる「無限進化」を提唱しており、それを実現するためにウィルスを使って人類を追い詰めたのだった。その後ナーガはガルズオルムを組織し、I.A.L.社のロボットを使い、環境実験空間「デフテラ領域」を世界中に作り始めた。だが、ループを観測しサーバーコントロールから離れた存在「セレブラント」達は対抗組織「セレブラム」を設立。彼らはシマが開発した「ゼーガペイン」を始めとする光装甲を纏った「ホロニックアーマー」に乗り、荒廃した現実世界でガルズオルムと戦い続けていた。

また、キョウも以前からセレブラントの一員であり、シズノと共に戦っていた。しかし、先の戦闘で重症を負い、記憶を含めて初期化されていたのだった。自分たちがデータでしかないことを改めて知ったキョウは激しく苦悩するが、命がけの戦いや、友人との喧嘩、仲間の死を体験するうちに、幻体であっても心があり、痛みも感じる自分たちは間違いなく「生きている」ことを実感する。そして幼馴染のカミナギを新たなパートナーとして迎えたキョウは、決意を新たに戦いに身を投じると同時に、学園での青春を謳歌してゆく。

しかし、ガルズオルムはゼーガペインのデータを奪い、アンチゼーガを開発する。バックアップデータから何度でも蘇るガルズオルムの兵士・アビスとシンが乗るアンチゼーガ・コアトリクエの攻撃によって、カミナギが戦闘不能に陥ってしまう。そしてさらに残酷な事実を知ることとなる。それは、夏が終わる頃、量子サーバーが一度初期化されること。莫大な情報を処理できる量子コンピューターにも限界があり、西暦2022年8月31日の午後0時になれば同年の4月5日に戻ってしまい、友人との仲直りも、水泳部の復興も、全てがなかったことになってしまうのだった。キョウは残されたデータによって奇跡的に回復したカミナギを拠り所として、再び実体のある人間に戻ることを目標に戦い続けることを決意する。そして最終決戦の時が近づく。

北極にわずか24時間弱で地球を覆い尽くしてしまう超巨大デフテラ領域「サバト」が出現する。シマは月にあるガルズオルムの本拠地「ジフェイタス」への侵攻と、幻体を肉体のある人間として復活を可能にする「リザレクションシステム」の奪取を決断する。

戦いは熾烈を極め、オケアノスを月へと転送するため次々とセレブラムたちが犠牲となっていく。オケアノスは月へと到達するが、パワーアップしたアンチゼーガ・マインディエが立ちはだかる。キョウたちはその戦いの最中、ガルズオルムの量子サーバーに取り込まれ、その中で量子サーバーと同化したナーガと対面する。ナーガはセレブラントたちを仲間として受け入れようと提案してくるが、キョウは、人々の心の痛みを理解せず、あまつさえ不死の幻体となった自らを神と称するナーガの提案を拒絶する。

再びアビスとシンとの戦いが始まり追い詰められたその時、キョウ達は別のサーバーへと転送される。そこには「僧」と名乗るナーガの弟子が現れる。彼はナーガに心酔していたが、後にその考えに疑問を持つに至り、ガルズオルムに対抗するため、自らのクローンであるシマと、ゼーガペインを含む兵器技術をセレブラムに与えたのだった。ナーガと異なり今を必死に生きようとするキョウに、僧はパワーアップしたゼーガペインを授ける。

バックアップを破壊され、後がなくなったアビスとシンはナーガによって舞浜サーバーへと送り込まれ、街を破壊し始めるが、キョウたちもナーガによってサーバー内に転送される。ナーガの目的はあくまで進化を観察することであり、アビスたちとキョウたちを戦わせることによってさらなる進化を促そうと目論んでいた。そしてナーガはシズノにガルズオルムに戻るよう語りかける。シズノの正体は、ナーガが創りだした人工幻体であった。しかし、それを知ってもキョウはシズノを仲間だと叫び、シンを倒す。そしてキョウはリザレクションシステムによって悲願であった肉体を手に入れ、舞浜サーバーとリザレクションシステムのデータを入手する。仲間たちの手によってジフェイタスは壊滅し、残るアビスもキョウによって倒され、戦いは終わりを告げる。

戦いが終わったことで舞浜サーバーに余裕ができ、初期化の期間が1年へと伸び、同時に元に戻る肉体を持たないシズノを人間へと変える方法も発見される。一足先に肉体を得たキョウは、再びみんなと触れ合うために、リザレクションシステムの組立に精を出すのだった。

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