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3式機龍

3式機龍

特生自衛隊が2003年に「対G特殊兵器開発特別法案」を根拠に完成・制式化されたロボット兵器という設定ゆえ、「3式」の名を持つ。正式名称は「3式多目的戦闘システム」(形式番号はMFS-3〈Multi-purpose Fighting System - 3〉)。劇中では通称の「機龍()で呼ばれており、名称の「メカゴジラ」は開発者の一員である湯原徳光と彼の娘である沙羅が用いるのみで、『東京SOS』では「メカゴジラ」は一度も用いられていない。

日本政府により、極秘裏に東京湾の千葉県館山沖の海底から1999年に引き揚げられた1954年に死んだ初代ゴジラの骨格をメインフレームとして、八王子・防衛庁技術研究所で製作された生体ロボット。ゴジラの骨を内部フレームに使用していることから、内蔵兵器には限界があると考えられ、外付けで特自隊がこれまでの巨大生物との戦闘で得た知見と多くの火器を装備することとなった。防衛庁技術研究所の地下ドックで管理され、操縦は支援航空機「AC-3 しらさぎ」からのオペレーターによる遠隔操作によって行われる。首の付け根後部(左右2か所)と腰部の後部両サイドにある3か所のメンテナンスハッチ(それぞれMB1・MB2・MB3と呼ばれる)から内部に乗り込み、メンテナンスブースからの手動による直接操縦もできるが、戦闘時に生じる加速や内部にかかるGは殺人的なレベルであり、直接操縦による任務遂行は事実上不可能である。大腿部の側面装甲は開閉式で、噴射ノズルが内部にある。

最大稼働可能時間は2時間程度で、それを越える場合やエネルギーが尽きた場合、もっとも近い自衛隊基地からエネルギーをマイクロウェーブ送電によって「しらさぎ」を経由して背ビレでマイクロ波を受信して供給される。現場での応急修理が必要となった事態のために前述のメンテナンスハッチとメンテナンスブースが備わっており、出入り口には搭乗者用の放射能除去装置が取り付けられている。この装置は2003年時には備え付けのボタンで起動させる手動仕様であるが、2004年時には新たに取り付けられた赤外線に触れることで起動する自動仕様に改修されている。

伝達システムにはDNAコンピュータが利用されており、全身を高速制御している。このDNAコンピュータは当初、骨に残留していたゴジラの骨髄間質細胞を制御系に使用していたため、初陣ではゴジラの咆哮にコンピュータが共鳴したことによって暴走し、しらさぎ3号機を墜落させてアブソリュート・ゼロ以外の全武装を使った結果、八景島周辺をエネルギーが尽きるまで破壊し尽くす大被害をもたらす。この反省から、のちにDNAコンピュータの塩基を修飾塩基に変えてゴジラと違うものにすることにより、暴走を回避する。起動時には目の下の赤いラインが点灯する。通常の目は黄色いが、暴走時には赤く発光する。改修前は目の表面がフラットであったが、改修後は縦線のモールドが細かく入れられている。過去作品に登場したメカゴジラと異なり、ゴジラの骨が入っているゆえに長い尻尾を有しており、口の歯もゴジラの歯そのものである。

ゴジラとの初戦ではゴジラの咆哮でDNAコンピュータが暴走するトラブルが発生するが、品川での決戦では右腕と零距離射撃を行ったアブソリュート・ゼロなど機体の37パーセントを損失・破損しつつも、引き分けた(『ゴジラ×メカゴジラ』)。また、その翌年には第一機龍司令部のある八王子駐屯地の整備ドックで1年かけて徹底的に修復・改修が行われたものの、予算などの関係からアブソリュート・ゼロの再装備は断念され、修復期間が短かったうえにレンズの換装が間に合わなかったため、大破したアブソリュート・ゼロから3連装ハイパーメーサーユニットへの換装、発射できるように刷新された新型バックユニットの装備、そして右手にスパイラル・クロウを搭載するなどの大幅な武装の見直しも図られ、高機動性能が向上した3式機龍〈改〉となる。

外付けの兵器は機能や形状が変更され、機体色もシャドーが吹かれたダークなシルバーになったが、その理由は不明。尻尾も先端部がクロー状の形状に変更されている。桜の紋章が胸のマーキングに追加されたほか、スラスターが肩に追加され、転倒からの復帰に使用された。また、ミサイルランチャーが左右だけでなく上方にも追加されたほか、右腕には左腕とのパワーバランスを取るための補助駆動装置が突出している。

ゴジラの骨によってゴジラを呼び寄せる可能性が小美人から知らされたため、廃棄される予定となり、その代わりとしてモスラがゴジラと戦うこととなった。しかし、モスラの危機に総理の五十嵐は機龍の最後の出撃を決断する。モスラを交えた戦いの終盤にはDNAコンピュータに自我が芽生えてコントロールを離れ、幼虫モスラの糸で動けなくなったゴジラを抱えたまま飛行を開始すると、体内でメンテナンスしてくれた整備員の中條義人にメンテナンスブースのモニターを介して「SAYONARA YOSHITO」という別れのメッセージを送り、彼が脱出した後にはゴジラを抱えたままともに日本海溝の深くへ沈んでいった(『東京SOS』)。

なお、設定上ではバックユニットを装備した状態は「重武装タイプ」、破壊されたバックユニットをパージし、本来機龍が有する格闘戦力を縦横に発揮する状態は「高機動タイプ」と設定されているが、劇中でこれらの呼称が用いられることはなかった。

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