『月の民』のロラン・セアックは、地球先行潜入員に選ばれ、フランとキースとともに地球に降下する。ハイム鉱山を目指す道すがらロランはうっかり川で溺れ、「成人式」の禊ぎのため川に居たハイム姉妹に助けられる。その姉・キエル・ハイムは月の女王ディアナに瓜二つであった。キエルの計らいでハイム鉱山に職を得たロランはその後ハイム家の運転手となり、フランとキースもそれぞれ新聞印刷所とパン屋の従業員としてノックスに暮らし始める。姉妹の妹・ソシエはどこか普通とは異なるロランに興味を抱き、なにかにつけ詮索する。その頃、イングレッサ領主・グエン・ラインフォードはムーンレィスによるアメリア大陸への入植要請に対応していた。彼らに脅威を感じたグエンは市民軍「ミリシャ」を増強し、飛行機などの兵器の生産を急がせていた。
ロランがヴィシニティで暮らし始めて2年が経った夏至の日の夜のこと。ロランはソシエと共に「成人式」の祭りに参加していた。自分もヴィシニティの住人として認められたことに驚喜するロラン。一方、キエルはグエンの主催するノックスでの晩餐会に出席していた。そんなとき、突如として月の女王の軍・ディアナ・カウンターがノックスを襲撃する。先遣隊のポゥ・エイジはミリシャの戦闘機との交戦で禁じられていた大型ビームを放ち、街を破壊する。「ホワイトドール」の神像で儀式を行っていたロランとソシエは、攻撃に反応して突如動き出した「ホワイトドール」(∀ガンダム)に偶然乗り込み、ビームライフルで応戦する。それはディアナ・カウンターとミリシャ双方に衝撃をもたらした。
グエンは地球にまだまだ機械人形が埋まっていると考え、技術者のシド・ムンザに発掘を命じる。自宅に戻ったロランとソシエは、ハイム家当主ディランが戦火に巻き込まれ亡くなったことを知らされる。ショックから寝込むソシエだったが、親友のメシェーに焚きつけられ、ミリシャに入隊。キエルも父の死の知らせでおかしくなってしまった母親に心を痛めていた。
平和を願い、地球に帰化したいと考えていたロランたちは、ムーンレィスと地球人との間に戦争が起きることを恐れていた。技術的に大きく劣る地球側は、∀のパイロットとしてロランに期待を高めることとなる。
そうした混沌とした情勢の中、月の女王・ディアナ・ソレルが地球に降臨する。ロランはディアナ・カウンターの親衛隊長ハリー・オードと共にディアナを迎える。威厳に満ちたディアナは相互に理解を深めるためパーティの開催を宣言。グエンの悪趣味な計らいで「MSホワイトドールの貴婦人パイロット・ローラ・ローラ」に仕立て上げられ女装させられたロランはディアナと謁見する。ロランはディアナの考えを知り、共に平和への道を模索することを決意する。
一方、ディアナはキエルと出会い、互いに瓜二つであることに驚く。戯れに入れ替わった二人だが、キエルとなったディアナは地球に暮らす人々の実情を知り、ディアナとなったキエルはディアナの置かれた危うい立場を知る。そんな中でイングレッサが占領され、入れ替わりを戻す機会を失ったまま二人はそれぞれの立場で行動する。ディアナの真意を知るキエルは側近の求めに応じず、予定されていた「建国宣言」をとりやめ双方の和解を演説で訴えかける。
相互に戦力を増強するミリシャとディアナ・カウンター。ソシエとメシェーはシドの発掘したMSカプルの専属パイロットとなる。ムーンレィスにもミリシャに協力するホレスやキースのような者も現れる。また、ミリシャには隣領ボルジャーノも参戦。彼らはかつてザクと呼ばれていたMSをボルジャーノンとして部隊運用していた。その隊長・ギャバンは女だてらにMSを乗りこなすソシエに惚れ込み求婚する。
一方、ディアナ・カウンターには補充兵としてディアナにより禁固刑に処されていたコレン・ナンダーが加わる。コレンはロランの駆る「ホワイトドール」をガンダムと呼び執拗につけ狙う。コレンとの戦いの最中にキエルだと思っていた人物がディアナ本人であることを知ったロランは苦悩し、激しく自分を責める。また、ムーンレィスの地球先行潜入員の末裔であるレット隊がディアナ・カウンターに合流する。地上での戦いを熟知した彼らが参戦したことにより、ロランたちは更に苦しい戦いを余儀なくされる。
やがてディアナ・カウンター内部に潜り込んだ反ディアナを掲げるアグリッパ派が暗躍を始める。月の執政官・アグリッパ・メンテナーはディアナが不在のうちに月の支配権を掌握。工作員のテテスやミドガルドを差し向けて、ディアナの命を狙う。キエルとディアナが入れ替わった事実を後に知ったハリーは暗殺の危機に直面するキエルを守るうち、互いに恋心を抱くようになる。
新兵器を求めてマウンテンサイクルの発掘を続ける双方は禁断の兵器である「核ミサイル」を発掘してしまう。その危険性を知るゼノアは双方に注意を呼びかけるが聞き入れられず、戦闘の最中に核爆発に巻き込まれたギャバンは戦死。「真夜中の夜明け」にロランたちは戦慄する。ゼノアは残る核ミサイルをその危険性を十分に理解するロランに託した。
最終決戦を迎え、ロランはギンガナムと対決。ロランがギンガナムに勝利したことで戦いは終結。∀とターンXは激しい戦いの後に自らが作り出した繭の中に埋もれた。ディアナ・カウンターとミリシャとの間に和平が結ばれ、地球への帰還を望む人々が帰化する一方でディアナは隠棲を決意する。
出会いの春が過ぎ、戦いの夏が終わり、和解の秋も去り、別れの冬が来た。降りしきる雪の中、人々はそれぞれの道を歩みだす。キエルは新たな「ディアナ・ソレル」としてハリーと共に月に戻ることになり、夢破れたグエンは海の彼方へと去る。そしてロランは涙ながらに止めるソシエを振り切り、ディアナとの穏やかな生活を選ぶのだった。