MC-0022年。地球圏統一国家大統領の承認を受け、プリベンターの長老・老師 張は「オペレーション・ミュートス」を発動する。老師 張は部下のキャシィ・ポォ准佐に命じ、大統領から送られたメモリーチップと、ヒストリーバンクからダウンロードした三つのファイルを、自身が滞在する火星支局北極冠基地まで持参するよう指示した。
この作戦の発動には人工冬眠状態にある「オーロラ姫」の覚醒が必要であり、そのためにはファイル群の情報が不可欠だった。
やがて基地を訪れた“ファザー・マックスウェル”と名乗る初老の男が、第四のファイルを持参。老師 張はそのデータをもとに、冷凍カプセルで眠っていたAC時代のガンダムパイロット――ヒイロ・ユイを目覚めさせる。
かつて「もう誰も殺さない」と誓ったヒイロに与えられた新たな任務は、地球圏最大の敵とされる火星連邦政府第二代大統領、リリーナ・ピースクラフトの暗殺だった。
一方、プリベンター内部では、W教授の妹カトリーヌがリリーナの完全平和主義を完成させようとガンダニュウム製モビルスーツ「プロメテウス」を持ち出して離反。追撃の任を受けたヒイロは、ファザー・マックスウェルの息子であるデュオと共に出撃する。同じ頃、ドクトルTらに拾われ、パイロット訓練を受けていたトロワ・フォボスもカトリーヌの後を追っていた。
カトリーヌの暴走を止めようと、老師 張は「エピオンパイ」で出撃するが、火星連邦と敵対するラナグリン共和国の指導者ゼクスの操る「ガンダムエピオン」の待ち伏せを受け、戦場は三つ巴の混戦となる。
カトリーヌはモビルドール・マグアナックを使って追撃するヒイロ、フォボス、デュオを足止めしつつ、ミリアルドとノインの子どもであるナイナとミルと合流、ついにプロメテウスを奪取する。そこへ火星連邦の無人マーズスーツ部隊500機が乱入し、プリベンターとゼクスの両軍を殲滅しようとするが、トールギス・ヘブンを操るキュレネの風の介入によって辛くもプリベンターは脱出。ヒイロは体力の限界で倒れてしまう。
追撃するデュオの前に、ナイナ率いる火星連邦軍第909特殊独立戦隊「無慈悲な妖精たち」が立ちはだかる。さらにカトリーヌのプロメテウスも加わり、激戦が展開。デュオたちは無慈悲な妖精たちを撃破し、W教授の操るMS「白雪姫」の奮闘もあってプロメテウス奪還に成功するが、指揮官のドクトルTやヒイロたちは母艦ショーフック2をクラッキングされ、拿捕されてしまう。
ヒイロ救出のため、W教授、デュオ、フォボスは火星連邦首都リリーナ・シティへ向かう途中、ナイナ、ミル、カトリーヌらの有人マーズスーツと、ラナグリン共和国のビルゴ部隊が交戦する現場に遭遇。火星連邦の危機を見たW教授たちはナイナに加勢し、ビルゴ部隊を撃破。その後、火星連邦に投降して賓客扱いとなり、先に捕らえられていたヒイロらと再会を果たす。
その場に傷ついたキュレネの風が現れ、ラナグリン共和国の移動要塞「バベル」がリリーナ・シティへ接近していることを告げて倒れる。
火星連邦とプリベンター、そしてラナグリン共和国の全面戦争が始まる中、リリーナは自らの信念に従い、対話のために単身バベルへと乗り込み投降。人類殲滅プログラム「PPP」の発動を阻止するため、ヒイロは彼女を“心穏やかに殺す”という使命を胸にバベルへ向かうが、不完全な人工冬眠覚醒の影響で錯乱したリリーナに撃たれてしまう。
ヒイロはファザー・マックスウェルとキャシィに救出され、一命を取り留めるものの記憶障害を発症。その原因は、彼の覚醒に必要な「記憶ファイル」から二人分のデータが欠落していたためで、脳が認知的不協和を起こしていた。ファザー・マックスウェルはキャシィ、老師 張、ヒルデの協力で欠損していた「ゼクス・ファイル」を修復し、ヒイロへ再インストール。ヒイロは完全に復活を果たす。
その頃、バベルによる砲撃で被害を受けたリリーナは、改めて完全平和主義の理念に基づき火星南部連合への降伏を宣言。火星連邦政府の罪を一身に背負い、法廷で死刑判決を受け入れる。ヒイロが放った銃弾が彼女を撃ち抜くが、それはリリーナ本人ではなく、AIによる立体映像だった。
戦いを終わらせるため、残された人々はそれぞれの行動を開始する。
意識を取り戻したキュレネの風は自身の正体を明かし、初代火星政府大統領ミリアルドとして、デュオ、フォボス、カトリーヌ、ミル、ナイナ、そして無慈悲な妖精たちを率い、バベルとの最終戦へと挑む。
ファザー・マックスウェルは、レディ・アンの導きでヒイロのスペア「アルファ」と共に民衆を立ち上がらせ、老師 張、ドクトルT、W教授、キャサリンたちは火星衛星軌道上のモビルドールプラント「ウルカヌス」に突入。全ての元凶ディズヌフを捕らえ、PPPの解除コードを手に入れて発動を阻止する。
白雪姫に搭乗したヒイロは、ミリアルドを追い詰めるゼクスのエピオン初号機に向け、最後の“七つの矮星《金》”を放ち、強力なEMPを発生させる。これによりAI化していたゼクスは機能を停止し、バベルおよび主力兵器ビルゴIVも沈黙。長きにわたった火星南北戦争は終結した。
戦後、火星のウィナーホスピタルで療養するリリーナのもとに、ヒイロが手紙を携えて現れる。ドーリアン邸へ戻ったリリーナと再会したヒイロは、「ヒイロ・ユイ」という名を捨て、一人の少年として新たな人生を歩むことを誓う。彼が自らの手でリリーナに渡した手紙には、ただ一言――「プロポーズ」の言葉が記されていた。