絶海の孤島に設立された軍事複合研究施設・サンサーラ。科学者タクヤは、親友ハルカから届いた一通の助けを求める手紙をきっかけに、3年ぶりにこの島へと帰ってくる。
島で彼を出迎えたのは、かつての恋人で今はハルカの恋人となっていたリーズだった。タクヤは彼女の案内で研究所を訪れるが、そこで自らが島を去る原因となった人物・ガルンが研究所の所長になっていたことを知る。かつての粒子ビーム実験に伴う事故で、タクヤとハルカは命を落としかけた過去があり、その実験を強行したのがガルンだった。
再会したハルカは手紙のことを覚えていない様子で、その変化にタクヤは違和感を覚える。ハルカの元恋人・ルイも彼女の様子を「おかしい」と漏らす。そんな中、島の裏手にある施設が突如として壊滅。タクヤは現場で、かつて回収したサンプルと同じ破損パターンを持つ岩塊を発見する。
やがてタクヤは、マルーダ粒子が異次元とつながる性質を持ち、それを利用して次元転移砲の開発が進められていることを知る。ガルンは研究の成果を独占しようとし、実験の危険性を訴えるタクヤを排除しようとする。
そんな中、タクヤはハルカから連絡を受け、彼女が隠された研究施設で待っていることを知らされる。そこにはかつての面影を失い、変貌したハルカと、物言わぬルイの遺体があった。ハルカは実験を成功させた結果、異次元から現れた存在「怒鬼」と融合し、破壊の意思に飲み込まれてしまっていた。
やがて、怒鬼は目覚め、サンサーラを含む島全体を壊滅させていく。駐留軍も成す術なく敗れ、ガルンもその最期を迎える。怒鬼の中にはもはや人としての意識を失ったハルカの姿があり、その暴走を止める術はなかった。
一方、タクヤはハルカが用意していた船の中でパワードギアを発見。かつての事件が起こった海域に潜り、3年前のサンプルを封印されていた異形の物体に装着することで、「怒鬼」に対抗するもう一体の存在――「鋼」を起動させる。
「鋼」に乗り込んだタクヤは、破壊の化身と化した怒鬼に立ち向かう。激しい戦いの中、一度は怒鬼に勝機を見出すも、ハルカを傷つけたくないという想いから躊躇し、反撃を受けてしまう。追い詰められ異次元へと飛ばされたタクヤだったが、ハルカの微かな意識からの呼びかけによって決意を取り戻し、「鋼」と共に現実世界へ帰還。
今度こそ迷いを捨てたタクヤは、怒鬼の中枢であるハルカに向けて決死の一撃を放つ。崩壊の直前、ハルカは静かにタクヤの名を呼び、その魂は呪縛から解き放たれた。
怒鬼は凄まじいエネルギーを放ちながら消滅し、鋼の姿もまたその中に飲み込まれていった。
すべてが失われたサンサーラの跡地――そこに唯一残されたのは、愛する者を討ってその魂を救った男・タクヤの姿だった。