第二次世界大戦末期、大日本帝国陸軍は深刻な兵力不足に直面していた。これを打開するために考案されたのが、不死身の兵士を生み出す「鉄人計画」である。この極秘計画には、当時天才科学者として名を馳せていた金田博士が選ばれ、南方の秘密研究所で「鉄人」の開発に取り組むこととなった。しかし、計画は難航し、思うように成果は上がらなかった。
そんな中、博士のもとに、東京大空襲で息子・正太郎が命を落としたという知らせが届く。深い悲しみに沈んだ博士は、28番目にあたる機体に「正太郎」と名付け、まるで我が子のように心を込めて完成させていく。そして、ついにたった一機で戦局を覆すほどの力を秘めた人型兵器「鉄人28号」が誕生する。
だが完成直後、アメリカ軍が研究所への空襲を開始。金田博士は鉄人を残して爆撃に巻き込まれる直前、「この世には生まれてはならないものがある」と言い残し、消息を絶つ。戦後、研究所から帰還した敷島は、金田正太郎が実は生き延びていたことを知る。
時は流れて10年後――
敷島は敷島重工の社長として戦後日本の復興に尽力していた。ある日、政府から呼び出され、日本に向けて南方から巨大な砲弾が発射されたという情報を知らされる。
一方、少年探偵へと成長した正太郎は、ギャング・村雨一家を追い詰めていた。東京タワーでの対決の最中、偶然その場に例の巨大砲弾が落下。爆発に巻き込まれ気を失った正太郎は、目を覚ました後、敷島博士と大塚署長の口論を目撃する。
その直後、砲弾が割れ、中から現れたのは巨大なもう一人の「正太郎」――かつて父が作り上げた鉄人28号だった。
こうして、正太郎は戦争の影と、時代に取り残された者たちとの新たな戦いへと巻き込まれていくのだった。